令和5年10月 月例インターネット句会 Vol.140

木暮陶句郎 選

◎特選 9句

無花果のワイン煮今朝のヨーグルト(下境 洋子)

土器片に人の指跡黍畑(太田 直史)

秋麗や拍手の中を六位の子(木村 佑)

上の句に下の句応ふ霜の袖(岩佐 晴子)

雁渡るビル解体し抜ける空(太田 直史)

星の秋大草原を背もたれに(木村 佑)

薄紅葉よく立ち止まる旅の人(杉山 加織)

手打蕎麦スマホ見ている客ばかり(太田 直史)

冬隣り湖畔のカフェの店仕舞(下境 洋子)


○入選 26句

(1) さはさはと揺るる葉散る葉秋の風(竹俣 修)

(5) ひご作る竹割る音や冬隣(太田 直史)

(9) 新しき命の音や木の実落つ(堤 かがり)

(11) 年輪を崩す切株毒菌(稲葉 京閑)

(12) サコッシュを飛び出すルージュ小鳥来る(鈴木由里子)

(14) 秋夕焼旅の終わりの浅草寺(木下美樹枝)

(17) 東京に行けば疲れて吾亦紅(木村 佑)

(19) 星飛べり仏を担ぐ十二神(安部 呑歩)

(20) シャーペンの芯ぽきぽきとそぞろ寒(杉山 加織)

(24) 歳月の区切りとなりて金木犀(大渕 洋)

(32) 秋遍路肩に食ひ込む頭陀袋(稲葉 京閑)

(35) 身の丈の幸せが良し葛の花(木下美樹枝)

(40) 鰯雲馬に揺られて榛名富士(安部 呑歩)

(50) 現世の斜めに見ゆる秋に影(星野 裕子)

(54) 記念日に買ふフライパン冬隣(鈴木由里子)

(55) 両毛を行ったり来たりの藪虱(小須賀正幸)

(58) 兄弟の今年も集ふ田刈かな(佐々木一栗)

(64) 旅先の円空仏や秋の風(竹俣 修)

(67) 新米来今年は水を多めにと(岩佐 晴子)

(72) ざらざらと乾きし口に石榴の実(堤 かがり)

(73) 秋天に釜焼きピザの薫り立つ(下境 洋子)

(75) 柊の花プディングにモカ•マタリ(鈴木由里子)

(80) 冬隣人づてに聞く君のこと(木村 佑)

(90) 金風や父と子語る露天風呂(小暮 蓮生)

(91) SLの搔き分けて行く稲穂波(中島 圭子)

(103) 秋晴れや榛名富士から富士探す(安部 呑歩)


互選

5点句

SLの搔き分けて行く稲穂波(中島 圭子)

新しき命の音や木の実落つ(堤 かがり)

冬隣り湖畔のカフェの店仕舞(下境 洋子)

点滴は二秒にひとつ秋深し(木村 佑)

湖風の尖りしところ初紅葉(木暮陶句郎)


4点句

シャーペンの芯ぽきぽきとそぞろ寒(杉山 加織)

月光を溜めたる乳房とも思ふ(木暮陶句郎)


3点句

土器片に人の指跡黍畑(太田 直史)

身の丈の幸せが良し葛の花(木下美樹枝)

秋麗や拍手の中を六位の子(木村 佑)

秋寂ぶや欠け口尖り出す茶碗(杉山 加織)

一位の実紅し蒼穹透かすとき(木暮陶句郎)


2点句

さはさはと揺るる葉散る葉秋の風(竹俣 修)

旅先の円空仏や秋の風(竹俣 修)

満月の引力に吸い込まれさう(岩佐 晴子)

ばあばだつてセンチになるよ星月夜(中島 圭子)

空き箱のやうな部屋ゐて秋淋し(星野 裕子)

啄木鳥のゐるらし音の確かさよ(堤 かがり)

ざらざらと乾きし口に石榴の実(堤 かがり)

夕紅葉母の掌手雑巾(鈴木由里子)

記念日に買ふフライパン冬隣(鈴木由里子)

秋燕や兜太行き着く甘味処(鈴木由里子)

詩集には珈琲が合ふ白秋忌(木下美樹枝)

たまに逢ふ淋しさが好き鶏頭花(木下美樹枝)

まはり道してこそ知れり秋の声(天田あすなろう)

鰯雲馬に揺られて榛名富士(安部 呑歩)

ハロウィンや魔女の帽子のベルベット(木暮陶句郎)


1点句

落栗や高原別荘静かなり(高橋ちとせ)

歳月の区切りとなりて金木犀(大渕 洋)

上の句に下の句応ふ霜の袖(岩佐 晴子)

新米来今年は水を多めにと(岩佐 晴子)

雁渡るビル解体し抜ける空(太田 直史)

手打蕎麦スマホ見ている客ばかり(太田 直史)

秋なすび嫁の籠より溢れけり(小暮 蓮生)

月天心地球の影が過ぎてより(星野 裕子)

針刺しに針隠れ入る冬隣(星野 裕子)

高層に木犀の香の届かざる(堤 かがり)

秋天に釜焼きピザの薫り立つ(下境 洋子)

秋遍路肩に食ひ込む頭陀袋(稲葉 京閑)

落雷の朝神々御旅立ち(稲葉 京閑)

柊の花プディングにモカ•マタリ(鈴木由里子)

月明かりやつと寝た子をくるみをり(佐々木一栗)

山影や一樹の映す初紅葉(佐々木一栗)

星の秋大草原を背もたれに(木村 佑)

花蓼を透ひて夕日の濃くなりぬ(山本 彩)

星飛べり仏を担ぐ十二神(安部 呑歩)

木犀の庭から流れ来るピアノ(安部 呑歩)

薄紅葉よく立ち止まる旅の人(杉山 加織)


互選結果

◎小須賀正幸 選

(8) 空き箱のやうな部屋ゐて秋淋し

(20) シャーペンの芯ぽきぽきとそぞろ寒

(35) 身の丈の幸せが良し葛の花

(42) 月光を溜めたる乳房とも思ふ

(93) 高層に木犀の香の届かざる


◎中島圭子 選

(20) シャーペンの芯ぽきぽきとそぞろ寒

(42) 月光を溜めたる乳房とも思ふ

(72) ざらざらと乾きし口に石榴の実

(94) 冬隣り湖畔のカフェの店仕舞

(101) 点滴は二秒にひとつ秋深し


◎星野裕子 選

(9) 新しき命の音や木の実落つ

(21) 一位の実紅し蒼穹透かすとき

(41) 秋寂ぶや欠け口尖り出す茶碗

(77) 詩集には珈琲が合ふ白秋忌

(98) たまに逢ふ淋しさが好き鶏頭花


◎木下美樹枝 選

(33) 夕紅葉母の掌手雑巾

(91) SLの搔き分けて行く稲穂波

(94) 冬隣り湖畔のカフェの店仕舞

(96) 秋燕や兜太行き着く甘味処

(105) ハロウィンや魔女の帽子のベルベット


◎山本彩 選

(8) 空き箱のやうな部屋ゐて秋淋し

(20) シャーペンの芯ぽきぽきとそぞろ寒

(29) 月天心地球の影が過ぎてより

(41) 秋寂ぶや欠け口尖り出す茶碗

(84) 湖風の尖りしところ初紅葉


◎稲葉京閑 選

(7) ばあばだつてセンチになるよ星月夜

(19) 星飛べり仏を担ぐ十二神

(25) 満月の引力に吸い込まれさう

(91) SLの搔き分けて行く稲穂波

(101) 点滴は二秒にひとつ秋深し


◎岩佐晴子 選

(21) 一位の実紅し蒼穹透かすとき

(30) 啄木鳥のゐるらし音の確かさよ

(35) 身の丈の幸せが良し葛の花

(38) 秋麗や拍手の中を六位の子

(84) 湖風の尖りしところ初紅葉


◎小暮蓮生 選

(32) 秋遍路肩に食ひ込む頭陀袋

(40) 鰯雲馬に揺られて榛名富士

(54) 記念日に買ふフライパン冬隣

(64) 旅先の円空仏や秋の風

(91) SLの搔き分けて行く稲穂波


◎天田あすなろう 選

(9) 新しき命の音や木の実落つ

(20) シャーペンの芯ぽきぽきとそぞろ寒

(25) 満月の引力に吸い込まれさう

(42) 月光を溜めたる乳房とも思ふ

(84) 湖風の尖りしところ初紅葉


◎堤かがり 選

(62) 薄紅葉よく立ち止まる旅の人

(71) 針刺しに針隠れ入る冬隣

(84) 湖風の尖りしところ初紅葉

(91) SLの搔き分けて行く稲穂波

(101) 点滴は二秒にひとつ秋深し


◎高橋ちとせ 選

(1) さはさはと揺るる葉散る葉秋の風

(54) 記念日に買ふフライパン冬隣

(73) 秋天に釜焼きピザの薫り立つ

(91) SLの搔き分けて行く稲穂波

(99) まはり道してこそ知れり秋の声


◎竹俣修 選

(7) ばあばだつてセンチになるよ星月夜

(16) 月明かりやつと寝た子をくるみをり

(72) ざらざらと乾きし口に石榴の実

(89) 手打蕎麦スマホ見ている客ばかり

(101) 点滴は二秒にひとつ秋深し


◎鈴木由里子 選

(26) 土器片に人の指跡黍畑

(44) 落栗や高原別荘静かなり

(59) 星の秋大草原を背もたれに

(64) 旅先の円空仏や秋の風

(105) ハロウィンや魔女の帽子のベルベット


◎木村佑 選

(30) 啄木鳥のゐるらし音の確かさよ

(67) 新米来今年は水を多めにと

(82) 木犀の庭から流れ来るピアノ

(96) 秋燕や兜太行き着く甘味処

(98) たまに逢ふ淋しさが好き鶏頭花


◎清水檀 選

(9) 新しき命の音や木の実落つ

(21) 一位の実紅し蒼穹透かすとき

(35) 身の丈の幸せが良し葛の花

(75) 柊の花プディングにモカ•マタリ

(100) 山影や一樹の映す初紅葉


◎下境洋子 選

(9) 新しき命の音や木の実落つ

(12) サコッシュを飛び出すルージュ小鳥来る

(24) 歳月の区切りとなりて金木犀

(26) 土器片に人の指跡黍畑

(38) 秋麗や拍手の中を六位の子


◎佐々木一栗 選

(9) 新しき命の音や木の実落つ

(47) 雁渡るビル解体し抜ける空

(60) 花蓼を透ひて夕日の濃くなりぬ

(84) 湖風の尖りしところ初紅葉

(94) 冬隣り湖畔のカフェの店仕舞


◎太田直史 選

(1) さはさはと揺るる葉散る葉秋の風

(33) 夕紅葉母の掌手雑巾

(41) 秋寂ぶや欠け口尖り出す茶碗

(48) 秋なすび嫁の籠より溢れけり

(95) 落雷の朝神々御旅立ち


◎大渕洋 選

(38) 秋麗や拍手の中を六位の子

(40) 鰯雲馬に揺られて榛名富士

(77) 詩集には珈琲が合ふ白秋忌

(94) 冬隣り湖畔のカフェの店仕舞

(99) まはり道してこそ知れり秋の声


◎杉山加織 選

(26) 土器片に人の指跡黍畑

(42) 月光を溜めたる乳房とも思ふ

(46) 上の句に下の句応ふ霜の袖

(94) 冬隣り湖畔のカフェの店仕舞

(101) 点滴は二秒にひとつ秋深し

ひろそ火 句会.com

「ひろそ火 句会.com」 木暮陶句郎主宰が2024年4月よりNHK Eテレ「NHK俳句」レギュラー選者として出演します。(毎月第3日曜日 朝6:35~) インターネット句会はどなたでも参加できます! (ひろそ火会員は参加費無料)詳しくはサイト内でご確認ください。

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