令和5年8月 月例インターネット句会 Vol.138

木暮陶句郎 選

◎特選 10句

夏休み大人のドアの半びらき(佐々木一栗)

雲の峰棒高跳びの足の先(太田 直史)

秋立ちて夜の広がつてゆくやうな(木村 佑)

恋占の語尾の疑問符秋涼し(杉山 加織)

ひぐらしの少し明るい闇の果て(星野 裕子)

水筒に水を足したる原爆忌(星野 裕子)

星月夜旅の途中のルビー婚(佐々木一栗)

新涼の山の裏より雲湧きぬ(木村 佑)

書架の扉の曇り硝子や秋の声(杉山 加織)

酔い覚めや使うてみたい菊枕(小須賀正幸)


○入選 24句

花野忌の榛名は霧の翼垂れ(星野 裕子)

桔梗や長き写経を書き終える(木下美樹枝)

荒船に誰を待ちわびましら酒(小須賀正幸)

力入れ柘榴を割りて半分こ(竹俣 修)

集まりて手花火囲む笑顔かな(佐藤 聡)

モンゴルの寝転ぶ大地星月夜(岩佐 晴子)

焼鮎の香り散らすや越中屋(大渕 洋)

西瓜切るパリッと甘き香のしたり(高橋ちとせ)

涼風や青いベンチの若夫婦(小暮 蓮生)

せせらぎや湯上り後のシャーベット(中島 圭子)

初秋の恋から覚むる速度かな(木村 佑)

地下道を出て日陰なき待ち合わせ(堤 かがり)

どぶ臭き生まれの街や敗戦忌(大渕 洋)

吾亦紅覚満渕のさざめきと(下境 洋子)

海の色思ひ浮かべて端居かな(清水 檀)

神主の雪駄の軽し夏祓(中島 圭子)

指先を目で追う仕草踊かな(堤 かがり)

花野忌の旅に折りとる女郎花(星野 裕子)

握手して別れし母よ星月夜(堤 かがり)

潮風の彼方に見ゆる夏の果(小暮 蓮生)

星月夜しっぽを立てて猫帰る(星野 裕子)

秋茜残照を追ふなほも追ふ(中島 圭子)

ビルごとの窓枠ごとの大夕焼(木村 佑)

みづいろの風の榛名路鰯雲(杉山 加織)


互選

6点句

水筒に水を足したる原爆忌(星野 裕子)

星月夜一音欠けしオルゴール(木暮陶句郎)


5点句

神主の雪駄の軽し夏祓(中島 圭子)

野分晴湯町に戻る下駄の音(木暮陶句郎)


4点句

カナカナの鳴いて灯点る伊香保かな(大渕 洋)

ビルごとの窓枠ごとの大夕焼(木村 佑)

爪紅の弾け夢二の忌も近し(木暮陶句郎)



3点句

黒鍵の多き葉月のジャズコード(鈴木由里子)

ひぐらしの少し明るい闇の果て(星野 裕子)

海の色思ひ浮かべて端居かな(清水 檀)

姪に背を越されて嬉し夏休み(木下美樹枝)

夏休み大人のドアの半びらき(佐々木一栗)

新涼や墨の雫の切れの良さ(太田 直史)

打水に家並み映す小路かな(天田あすなろう)

榛名路の夕べは早し葛の花(木暮陶句郎)


2点句

モンゴルの寝転ぶ大地星月夜(岩佐 晴子)

夕立去り苗真っすぐに根付く朝(下境 洋子)

涼風や青いベンチの若夫婦(小暮 蓮生)

空蝉や埃を被る三輪車(小暮 蓮生)

潮風の彼方に見ゆる夏の果(小暮 蓮生)

星月夜旅の途中のルビー婚(佐々木一栗)

初秋の恋から覚むる速度かな(木村 佑)

開眼の墓誌滑らかや麻幹焚く(山本 彩)

野分跡土踏みて水にじり寄る(山本 彩)

恋占の語尾の疑問符秋涼し(杉山 加織)


1点句

起床して窓を開ければ蝉時雨(竹俣 修)

秋刀魚焼く夜は母にも供えけり(佐藤 聡)

星月夜光鎮めてゐる二人(鈴木由里子)

躙り寄る真夏正午のオムライス(鈴木由里子)

娘の家の勝手まごつく夏休み(岩佐 晴子)

花火見るふり見入る君の横顔(下境 洋子)

花野忌の榛名は霧の翼垂れ(星野 裕子)

空蝉のあまりに軽したなごころ(清水 檀)

気怠き日百日紅の陽に燃ゆる(清水 檀)

苦瓜の苦さつまみに酒を酌む(清水 檀)

桔梗や長き写経を書き終える(木下美樹枝)

秋声や母の歌声夢に聴く(木下美樹枝)

秋桜や散り急がせる風のあり(木下美樹枝)

逢えそうで逢えそうにない秋の虹(木下美樹枝)

空蝉や思ひ出詰めしがらんどう(佐々木一栗)

雲の峰棒高跳びの足の先(太田 直史)

台風の進路気まぐれ里帰る(竹渕 昭彦)

谷川やうるかは苦し鮎の宿(中島 圭子)

釉薬のかけおち照らす萩の花(中島 圭子)

出会ひ山車鉦笛太鼓人奔る(天田あすなろう)

伊東線海水浴を横切りぬ(木村 佑)

新涼の山の裏より雲湧きぬ(木村 佑)

踊の輪ひときは目立つをんなかな(堤 かがり)

指先を目で追う仕草踊かな(堤 かがり)

おしろいの咲き継ぐあき家空青し(堤 かがり)

酔い覚めや使うてみたい菊枕(小須賀正幸)

シーサーに芭蕉の風の濃く淡く(木暮陶句郎)

書架の扉の曇り硝子や秋の声(杉山 加織)

みづいろの風の榛名路鰯雲(杉山 加織)


互選結果

◎稲葉京閑 選

(5) カナカナの鳴いて灯点る伊香保かな

(45) 星月夜一音欠けしオルゴール

(62) 神主の雪駄の軽し夏祓

(92) 書架の扉の曇り硝子や秋の声

(101) 潮風の彼方に見ゆる夏の果


◎佐藤聡 選

(3) 黒鍵の多き葉月のジャズコード

(23) 恋占の語尾の疑問符秋涼し

(32) 涼風や青いベンチの若夫婦

(41) 初秋の恋から覚むる速度かな

(104) 逢えそうで逢えそうにない秋の虹


◎星野裕子 選

(22) シーサーに芭蕉の風の濃く淡く

(49) 星月夜光鎮めてゐる二人

(68) 榛名路の夕べは早し葛の花

(110) ビルごとの窓枠ごとの大夕焼

(114) 爪紅の弾け夢二の忌も近し


◎高橋ちとせ 選

(12) 桔梗や長き写経を書き終える

(17) 打水に家並み映す小路かな

(47) 起床して窓を開ければ蝉時雨

(62) 神主の雪駄の軽し夏祓

(91) 野分晴湯町に戻る下駄の音


◎岩佐晴子 選

(81) 姪に背を越されて嬉し夏休み

(99) 夕立去り苗真っすぐに根付く朝

(110) ビルごとの窓枠ごとの大夕焼

(111) おしろいの咲き継ぐあき家空青し

(113) 酔い覚めや使うてみたい菊枕


◎下境洋子 選

(4) 娘の家の勝手まごつく夏休み

(5) カナカナの鳴いて灯点る伊香保かな

(11) 空蝉のあまりに軽したなごころ

(45) 星月夜一音欠けしオルゴール

(56) 水筒に水を足したる原爆忌


◎堤 かがり 選

(56) 水筒に水を足したる原爆忌

(68) 榛名路の夕べは早し葛の花

(76) 花火見るふり見入る君の横顔

(81) 姪に背を越されて嬉し夏休み

(99) 夕立去り苗真っすぐに根付く朝


◎小須賀正幸 選

(5) カナカナの鳴いて灯点る伊香保かな

(33) ひぐらしの少し明るい闇の果て

(48) 秋刀魚焼く夜は母にも供えけり

(59) 空蝉や思ひ出詰めしがらんどう

(103) 苦瓜の苦さつまみに酒を酌む


◎木下美樹枝 選

(3) 黒鍵の多き葉月のジャズコード

(27) モンゴルの寝転ぶ大地星月夜

(45) 星月夜一音欠けしオルゴール

(56) 水筒に水を足したる原爆忌

(107) 台風の進路気まぐれ里帰る


◎中島圭子 選

(34) 気怠き日百日紅の陽に燃ゆる

(66) 開眼の墓誌滑らかや麻幹焚く

(78) 空蝉や埃を被る三輪車

(91) 野分晴湯町に戻る下駄の音

(114) 爪紅の弾け夢二の忌も近し


◎天田あすなろう 選

(5) カナカナの鳴いて灯点る伊香保かな

(33) ひぐらしの少し明るい闇の果て

(45) 星月夜一音欠けしオルゴール

(58) 秋桜や散り急がせる風のあり

(112) 野分跡土踏みて水にじり寄る


◎佐々木一栗 選

(41) 初秋の恋から覚むる速度かな

(66) 開眼の墓誌滑らかや麻幹焚く

(81) 姪に背を越されて嬉し夏休み

(91) 野分晴湯町に戻る下駄の音

(106) 新涼や墨の雫の切れの良さ


◎山本彩 選

(3) 黒鍵の多き葉月のジャズコード

(14) 雲の峰棒高跳びの足の先

(56) 水筒に水を足したる原爆忌

(62) 神主の雪駄の軽し夏祓

(110) ビルごとの窓枠ごとの大夕焼


◎小暮蓮生 選

(13) 夏休み大人のドアの半びらき

(45) 星月夜一音欠けしオルゴール

(62) 神主の雪駄の軽し夏祓

(74) 転生は良き夫ならむ秋の夜

(91) 野分晴湯町に戻る下駄の音


◎木村 佑 選

(10) 花野忌の榛名は霧の翼垂れ

(23) 恋占の語尾の疑問符秋涼し

(56) 水筒に水を足したる原爆忌

(74) 転生は良き夫ならむ秋の夜

(106) 新涼や墨の雫の切れの良さ


◎太田直史 選

(27) モンゴルの寝転ぶ大地星月夜

(65) 指先を目で追う仕草踊かな

(86) 出会ひ山車鉦笛太鼓人奔る

(110) ビルごとの窓枠ごとの大夕焼

(114) 爪紅の弾け夢二の忌も近し


◎鈴木由里子 選

(13) 夏休み大人のドアの半びらき

(32) 涼風や青いベンチの若夫婦

(57) 海の色思ひ浮かべて端居かな

(82) 星月夜旅の途中のルビー婚

(115) みづいろの風の榛名路鰯雲


◎清水檀 選

(17) 打水に家並み映す小路かな

(45) 星月夜一音欠けしオルゴール

(68) 榛名路の夕べは早し葛の花

(101) 潮風の彼方に見ゆる夏の果

(114) 爪紅の弾け夢二の忌も近し


◎竹渕昭彦 選

(57) 海の色思ひ浮かべて端居かな

(62) 神主の雪駄の軽し夏祓

(64) 伊東線海水浴を横切りぬ

(72) 躙り寄る真夏正午のオムライス

(112) 野分跡土踏みて水にじり寄る


◎竹俣修 選

(17) 打水に家並み映す小路かな

(56) 水筒に水を足したる原爆忌

(78) 空蝉や埃を被る三輪車

(85) 釉薬のかけおち照らす萩の花

(91) 野分晴湯町に戻る下駄の音


◎大渕洋 選

(16) 谷川やうるかは苦し鮎の宿

(19) 踊の輪ひときは目立つをんなかな

(35) 秋声や母の歌声夢に聴く

(57) 海の色思ひ浮かべて端居かな

(68) 榛名路の夕べは早し葛の花


◎杉山加織 選

(13) 夏休み大人のドアの半びらき

(33) ひぐらしの少し明るい闇の果て

(82) 星月夜旅の途中のルビー婚

(87) 新涼の山の裏より雲湧きぬ

(106) 新涼や墨の雫の切れの良さ

ひろそ火 句会.com

「ひろそ火 句会.com」 木暮陶句郎主宰が2024年4月よりNHK Eテレ「NHK俳句」レギュラー選者として出演します。(毎月第3日曜日 朝6:35~) インターネット句会はどなたでも参加できます! (ひろそ火会員は参加費無料)詳しくはサイト内でご確認ください。

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