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平成30年4月 月例インターネット句会 Vol.74結果発表

木暮陶句郎 選◎特選 7句春の闇匂はせ少年帰りきぬ(里村 閑)湘南の波もて遊ぶ春疾風(稲葉 京閑)組まれたる脚の長さや風光る(里村 閑)明日また遊ぶ指切り春夕焼(星野 裕子)行春や記憶途切れし母と居て(安部じゅん) ふらここや背中に妣の手の記憶(岩佐 晴子)春の雲ひとりの旅は家出めく(ななさと紅緒) 〇入選 25句 遅桜子は父に似て母に似て(鈴木由里子)春暁や猫背となりて乗る始発(稲葉 京閑)来し方のあれもこれもや月朧(岩佐 晴子)旅立ちのハグもありけり遍路宿(鈴木由里子)すぐ集ふ母と姉妹や桜餅(ななさと紅緒)春の闇透かしてゆきぬギムレット(杉山 加織)江ノ電の混む日曜の麗けし(稲葉 京閑)しやぼん玉人は傷つき易きもの(中野 千秋)春光やブナの素肌のときめいて(安部じゅん)花こぶしさいごの花もとびたちぬ(里村 閑)軒下に母子のけはひや乙鳥(石川 祐司)新しい自分になれる四月かな(岩佐 晴子)たんぽぽや歩きはじめの一歩二歩(ななさと紅緒)小説の続きを思ふ春愁(中野 千秋)人差し指だけで弾く曲夕永し(ななさと紅緒)臈長けし女人のごとき夕桜(清水 檀)枝垂れては良き風おこす朝桜(堤 かがり)囀や人のまばらのテラスにも(杉山 加織)蘖や根の生き続く大銀杏(稲葉 京閑)何よりもやさしい黄色花菜畑(星野 裕子)行春や記憶途切れし母と居て(安部じゅん)真白なる雲の深さに蝌蚪の国(里村 閑)天気予報どおりの晴れや花杏(鈴木由里子)渓谷のしぶき激しき濃山吹(堤 かがり)麗かや父のニットのピンク色(杉山 加織)互選6票明日また遊ぶ指切り春夕焼(星野 裕子)4票春の闇匂はせ少年帰りきぬ(里村 閑)3票ささやきの聞こえる小径花あしび (清水 檀)きのふなくけふなくあすとなく落花(星野 裕子)しやぼん玉人は傷つき易きもの (中野 千秋)遅桜子は父に似て母に似て(鈴木由里子)乗り捨ての自転車ひとつ草朧(木暮陶句郎)落つものに恋と眠りと花椿(木暮陶句郎)2票ユトリロの街角朧ひたひたと(星野 裕子)何よりもやさしい黄色花菜畑(星野 裕子)組まれたる脚の長さや風光る(里村 閑)花こぶしさいごの花もとびたちぬ (里村 閑)嫁ぐとは泥むことなり春の月 (鈴木由里子)春燈のともれば闇の始まりぬ(堤 かがり)たんぽぽや歩きはじめの一歩二歩(ななさと紅緒)人差し指だけで弾く曲夕永し(ななさと紅緒)春の雲ひとりの旅は家出めく(ななさと紅緒)花冷の胸の奥には届かざる(杉山 加織)1票春暁や猫背となりて乗る始発(稲葉 京閑)湘南の波もて遊ぶ春疾風(稲葉 京閑)紅梅を見てより白梅より白し (清水 檀)ひとひらを句帳に栞る花の苑(清水 檀)風光るテニスコートに声高し(髙橋千登世)豊潤な春よロイヤルミルクティ(中野 千秋)行春や記憶途切れし母と居て(安部じゅん)幾歳も座してしびれぬ雛かな(石川 祐司)ふらここや背中に妣の手の記憶(岩佐 晴子)旅立ちのハグもありけり遍路宿(鈴木由里子)枝垂れては良き風おこす朝桜(堤 かがり)すぐ集ふ母と姉妹や桜餅(ななさと紅緒)茎立や美人ぞろひの三姉妹(ななさと紅緒)春風やショートヘアーも似合ふ君(木暮陶句郎)紫は目を洗ふ色諸葛菜(木暮陶句郎)春の闇透かしてゆきぬギムレット(杉山 加織)囀や人のまばらのテラスにも(杉山 加織)

平成30年3月 月例インターネット句会 Vol.73結果発表

木暮陶句郎 選◎特選 7句故郷に坂道多し春の雨(鈴木由里子)春雨や茶碗に心地よき歪み(中野 千秋)空も海もわたしも溶けて春霞(中野 千秋)桃の花大和の国の乙女たち(星野 裕子)春の風邪試着室より始まりぬ(ななさと紅緒)水温むテラスにペンの忘れ物(杉山 加織)地球儀を旅する指よ春の雨(鈴木由里子)〇入選 30句 消しゴムのいちごのにほひ春灯(ななさと紅緒)紙吹雪切る二年生卒業日(鈴木由里子)春光や前へ前へと鳩の首(星野 裕子)姉妹揃えば楽し雛の家(髙橋千登世)絵になるとカメラ向けられ山笑ふ(堤 かがり)朝練の靴音迅き木の芽道(石川 祐司)十年の弁当づくり卒業す(ななさと紅緒)木の芽風心移ろいやすきひと(杉山 加織)旅鞄詰めし思ひ出城下町(清水 檀)春水を縫ひゆく大鯉のちから(星野 裕子)丘陵は弥生居住区草青む(稲葉 京閑)啓蟄の光やはらかガラス拭き(岩佐 晴子)つつかれて雲高くゆく木の芽かな(里村 閑)無口なる子からのメール卒業す(ななさと紅緒)物陰に残る薄氷へと日射(稲葉 京閑)微睡みの夢いつぱいの花菜畑(清水 檀)振り向けば手袋ひろひくれし人(石川 祐司)紅に恥じらひ少し牡丹の芽(稲葉 京閑)風光る父と息子のバトンタッチ(鬼形 瑞枝)春コート羽織りて軽しこの一歩(清水 檀)七日後の恋は盲目鳥帰る(鈴木由里子)チューリップ可愛く年を重ねやう(中野 千秋)五本指靴下履いて春めきぬ(安部じゅん)菜の花の丘ひとつ越え海に出る(清水 檀)春嵐女神も時にヒステリー(岩佐 晴子)福寿草家族単位で地に根ざす(安部じゅん)大橋の修理始まるあたたかき(堤 かがり)駆けだして起こす春風恋初(里村 閑)啓蟄やほろろこぼるる鳩サブレ(ななさと紅緒)洋館の小さき玻璃戸楓の芽(杉山 加織)互選5票地球儀を旅する指よ春の雨(鈴木由里子)4票春雨や茶碗に心地よき歪み(中野 千秋)十年の弁当づくり卒業す(ななさと紅緒)無口なる子からのメール卒業す(ななさと紅緒)目鼻なき紙のひひなにある愁ひ(木暮陶句郎)3票故郷に坂道多し春の雨(鈴木由里子)春星や見えぬがよろし子の暮し(中野 千秋)春光や前へ前へと鳩の首(星野 裕子)消しゴムのいちごのにほひ春灯 (ななさと紅緒)2票一歩二歩三歩あゆんで梅日和 (鬼形 瑞枝)対岸に遊ぶ母子や水温む(木暮陶句郎)秘め事を言つてしまひて山笑ふ(杉山 加織)自由にもルールのありて涅槃西風 (杉山 加織)1票ものの芽の包む雫や今朝の雨(清水 檀)春コート羽織りて軽しこの一歩(清水 檀)空も海もわたしも溶けて春霞(中野 千秋)桃の花大和の国の乙女たち(星野 裕子)花辛夷空てつぺんを弾きたる(星野 裕子)大空に声置いてくる雲雀東風(星野 裕子)朝練の靴音迅き木の芽道(石川 祐司)三姉妹揃へば楽し雛の家(髙橋千登世)紅椿揺らして躙口へ風(稲葉 京閑)丘陵は弥生居住区草青む(稲葉 京閑)目貼り剥ぐハイとイイエをはっきりと(鬼形 瑞枝)風光る父と息子のバトンタッチ(鬼形 瑞枝)軒下を行つたり来たり初音聞く(鬼形 瑞枝)沢庵の皺増えるごと春めけり(安部じゅん)福寿草家族単位で地に根ざす(安部じゅん)春燈にぬつと顔出す牛舎かな(堤 かがり)波の描く線のなまめく春の浜(里村 閑)おほいくさ終へて親子の朝寝かな(里村 閑)里びとへ里なきひとへ春の雲(里村 閑)窯小屋にくすぶる火の香木の芽雨(木暮陶句郎)卓の上に桜湯といふほのあかり(木暮陶句郎)水温むテラスにペンの忘れ物(杉山 加織)洋館の小さき玻璃戸楓の芽(杉山 加織)

平成30年2月 月例インターネット句会 Vol.72結果発表

木暮陶句郎 選◎特選 7句冬籠色鉛筆は12色(髙橋千登世)蒼天を源流として雪解川(星野 裕子)風花の中で言葉を見失ふ(星野 裕子)心電図スキツプをして冴返る(堤 かがり)かをり立つ泡にみがかれ春の皿(里村 閑)疵あとの光るレコード春の雪(ななさと紅緒)春寒や母のメールの丁寧語(杉山 加織)〇入選 21句 薄氷や夕べの秘密はや融けて(清水 檀)横町にフレンチの店風光る (中野 千秋)絵踏する割り切るといふ選択も(堤 かがり)方形の大屋根光る雪解水(水上 一葉)啓蟄や水車は森の大時計(ななさと紅緒)光満ち雪解しづくの連打かな(清水 檀)二ん月の水辺のカフェに待ち合す(中野 千秋)糠床のほのかに匂ひ春浅し(堤 かがり)雪解の森に鳥語のさんざめく(杉山 加織)鍵盤に跳る指先春の詩(清水 檀)真つ先に春だと騒ぎ出す木立(稲葉 京閑)海の音ばかり二月の水族館(鈴木由里子)花柄の軍手長靴山笑ふ(中野 千秋)お土産は嬬恋キャベツ春キャベツ(岩佐 晴子)鉄鍋に春菊の香や夕餉待つ(水上 一葉)風光る農学校の朝の市(ななさと紅緒)小箱よりビタミンサプリ山笑ふ(鈴木由里子)待春の観音の丘に背伸びせり(清水 檀)春夕焼まだもう少し持ち時間(中野 千秋)命あるものの足跡残る雪(星野 裕子)春愁や眼鏡が鍵がケータイが(岩佐 晴子)互選6票窯変の中のくれなゐ寒明くる(木暮陶句郎)5票花柄の軍手長靴山笑ふ(中野 千秋)4票星々の光とじこめ軒氷柱 (椎名 桂秀)疵あとの光るレコード春の雪(ななさと紅緒)夜は星を噛む薄氷となりにけり(木暮陶句郎)3票蒼天を源流として雪解川 (星野 裕子)啓蟄や水車は森の大時計(ななさと紅緒)風光る農学校の朝の市 (ななさと紅緒)をんなの手濡れて乾いて針供養(木暮陶句郎)2票薄氷や夕べの秘密はや融けて (清水 檀)寒明けのカフェより望む船着場 (中野 千秋)風花の中で言葉を見失ふ(星野 裕子)春めくや湯治場響く黒電話(鈴木由里子)海の音ばかり二月の水族館(鈴木由里子)春寒や母のメールの丁寧語 (杉山 加織)1票薄き色持てる二月の木立かな (稲葉 京閑)望月の皆既に透ける寒の闇(稲葉 京閑)冬籠色鉛筆は12色 (髙橋千登世)恋猫の足ひきづりて朝帰り(髙橋千登世)命あるものの足跡残る雪(星野 裕子)絵踏する割り切るといふ選択も (堤 かがり)糠床のほのかに匂ひ春浅し(堤 かがり)お土産は嬬恋キャベツ春キャベツ (岩佐 晴子)日の当たる岸辺を去らず寒の鯉 (椎名 桂秀)方形の大屋根光る雪解水(水上 一葉)妹の指を借る九九春炬燵(ななさと紅緒)濁らずに育つ決意や薄氷(杉山 加織)いぬふぐり秘密ぼそぼそ打ち明けて(杉山 加織)

平成30年1月 月例インターネット句会 Vol.71結果発表

木暮陶句郎 選◎特選 7句一つづつ星をしりぞけ初明り(椎名 桂秀)冬銀河もう打つことのなきメール(星野 裕子)初風やバランスの良き一輪車(堤 かがり)連山の透けゆく蒼き寒日和(杉山 加織)かげりなき寒天翳りふかき町(里村 閑)寒紅や掌に収まりしほどの嘘(杉山 加織)オリオンの矢に射られたきハートかな(星野 裕子)〇入選 30句 穏やかに市井動きて初浅間(清水 檀)初句会俳句手帳の一ページ(星野 裕子)鎌倉へ暴れに来り空つ風(里村 閑)冬木の芽みんな優しき眼もち(はたのとしはる)一瞬に裸木にして風の去る(岩佐 晴子)文鎮をハの字に使ひ筆始(堤 かがり)寒林に留まる入り日ある余生(中野 千秋)この街を睥睨している初鴉(水上 一葉)寒の雨ギター高音のエクスタシー(鈴木 由里子)上品にごまめ食するペルシャ猫(稲葉 京閑)毛糸編む切り良き所までの黙(岩佐 晴子)耳たぶの痛くなるまで冬銀河(椎名 桂秀)年玉の袋入れたる袋かな(堤 かがり)食積の横文字ばかり並びをり(杉山 加織)青空に掛け声ぶつけ出初式(星野 裕子)新品のトラクターなり冬の晴れ(鬼形 瑞枝)わが恋のいつも初恋冬桜(里村 閑)日の当たる方へ方へと枯蟷螂(ななさと紅緒)日短闇を分け入る山のバス(岩佐 晴子)をみな其の膝を揃へし女正月(鈴木 由里子)除雪車の通った後の始末かな(髙橋 千登世)入魂のパスタに割つて寒卵(石川 祐司)挟みなほす半券二枚日記果つ(ななさと紅緒)淑気満つ二礼二拍手一礼に(はたのとしはる)また別れ一つ重ねて冬銀河(椎名 桂秀)初風呂や十指をしかと握りしむ(ななさと紅緒)初鏡あいも変らぬ無精髭(はたのとしはる)ヴィーナスになりたる魔女の初湯かな(岩佐 晴子)初場所や和服の多き桟敷席(堤 かがり)寒椿挿して艶めく陶の壺(中野 千秋)互選8票一つづつ星をしりぞけ初明り(椎名 桂秀)6票暖炉の火オンザロックに閉ぢ込めて(木暮陶句郎)5票まぶたなき人形のゐる寒さかな(中野 千秋)4票冬ぬくしへの字つの字の花林糖(ななさと紅緒)街の灯のとどかぬ湖畔冬銀河 (椎名 桂秀)3票冬銀河もう打つことのなきメール(星野 裕子)いつせいに放つ白息縄電車 (ななさと紅緒)毛糸編む切り良き所までの黙(岩佐 晴子)耳たぶの痛くなるまで冬銀河(椎名 桂秀)雪原に途切れし跡のある不思議(堤 かがり)寒鯉や水面下てふ別世界(杉山 加織)寒紅や掌に収まりしほどの嘘(杉山 加織)手の中の古唐津盃といふ淑気(木暮 陶句郎)2票大股で袖翻す春著の娘(清水 檀)欠礼と決めて七年目の賀状(稲葉 京閑)青空に掛け声ぶつけ出初式(星野 裕子)オリオンの矢に射られたきハートかな(星野 裕子)かげりなき寒天翳りふかき町(里村 閑)ヴィーナスになりたる魔女の初湯かな(岩佐 晴子)寒林に留まる入り日ある余生(中野 千秋)もの云はず針を進めて日脚伸ぶ(中野 千秋)連山の透けゆく蒼き寒日和 (杉山 加織)大利根は四温の綺羅を流しけり(木暮 陶句郎)寒卵割ればひかりを曳いて落つ(木暮 陶句郎) 1票戌年の犬誇らしく初散歩(清水 檀)瓦斯の火のスイッチかちと寒に入る(星野 裕子)死ぬときまでとつとく言葉初御空(鬼形 瑞枝)冬浅しなにももてない大きい手(鬼形 瑞枝)入魂のパスタに割つて寒卵(石川 祐司)わが恋のいつも初恋冬桜(里村 閑) 大くさめ老母ぴくりと痙攣す(安部じゅん)冬木の芽みんな優しき眼もち(はたのとしはる)青春の都の西北おでん酒(はたのとしはる)初鏡あいも変らぬ無精髭(はたのとしはる)日短闇を分け入る山のバス(岩佐 晴子)氷柱消ゆ滴る涙輝かせ(岩佐 晴子)文鎮をハの字に使ひ筆始(堤 かがり)寒椿挿して艶めく陶の壺 (中野 千秋)春近しブーケに顔を埋めたる(杉山 加織)

平成29年12月 月例インターネット句会 Vol.70結果発表

木暮陶句郎 選◎特選 8句モナリザの手に動かざる冬の蝿(星野 裕子)冬夕焼ぶだう畑の急斜面(中野 千秋)一本が広げる世界毛糸編む(岩佐 晴子)春星忌かくんと閉ぢし貝の口(星野 裕子)寒風や生きる実感頬にあり(岩佐 晴子)一匙の砂糖下さい冬銀河(鈴木由里子)坂道を漕ぎて少年息白し(安部じゅん)テレピンの匂ふアトリエ冬薔薇(鈴木由里子)〇入選 25句 静けさに淋しさ重ね夜半の雪(星野 裕子)凍結の大地を走り根が抱く(稲葉 京閑)ワイナリーその奥はカフェ山眠る(中野 千秋)数へ日の投資話の頓挫して(杉山 加織)前向きに生きる一日や小六月(清水 檀)出航の笑顔弾ける小春かな(稲葉 京閑)手水鉢秘密閉じ込め初氷(岩佐 晴子)力なき日を支へをり枯木立(椎名 桂秀)待つ日々は幸せの日々冬木の芽(はたのとしはる)奥信濃朝日に霜を解きにけり(清水 檀)冬の蝶ピカソの青の中に消ゆ(星野 裕子)解き放つ繋留ロープ波止小春(稲葉 京閑)冬晴やビルを映してビルの窓(中野 千秋)悪者のみな死ぬ噺きつね啼く(ななさと紅緒)本能に遊ぶ子どもよ雪催い(鈴木由里子)じやんけんぽんおしくらまんじゆうふゆぎのめ(はたのとしはる)写実画の色彩暗き十二月(稲葉 京閑)白妙の雪に眠るやブナの森(安部じゅん)年忘れ今さら聞けぬ名前かな(ななさと紅緒)石投げて硬き音する冬の川(堤 かがり)息白く湯町の星と語りつつ(杉山 加織)冬晴や五十二階のティールーム(中野 千秋)イヤリング赤き片方雪の道(岩佐 晴子)廃坑に屹然と立つ大冬木(椎名 桂秀)ほろ酔ひて夢路に遊ぶ膝毛布(はたのとしはる)互選5票モナリザの手に動かざる冬の蝿(星野 裕子)画材屋の古きレジなり冬薔薇(鈴木由里子)4票冬芽みな祈りの形崩さざる(木暮陶句郎)3票ワイナリーその奥はカフェ山眠る(中野 千秋)冬晴やビルを映してビルの窓(中野 千秋)紙漉の水の一瞬怒涛めく(木暮陶句郎)初雪や靴跡罪のごとくある(木暮陶句郎)2票春星忌かくんと閉ぢし貝の口(星野 裕子)手水鉢秘密閉じ込め初氷(岩佐 晴子)いつせいに電飾ともる五時師走(椎名 桂秀)力なき日を支へをり枯木立(椎名 桂秀)一匙の砂糖下さい冬銀河(鈴木由里子)待つ日々は幸せの日々冬木の芽(はたのとしはる)眉月の切つ先尖る霜の夜(木暮陶句郎)ポインセチア胸を焦がせる人と居て(杉山 加織)1票前向きに生きる一日や小六月(清水 檀)冬の蝶ピカソの青の中に消ゆ(星野 裕子)半眼の仏の黙や年詰まる(稲葉 京閑)冬夕焼ぶだう畑の急斜面(中野 千秋)大奥のあたり冬日のあつまれり(中野 千秋)冬晴や五十二階のティールーム(中野 千秋)梟や芝居小屋ある祖父の家(安部じゅん)悪者のみな死ぬ噺きつね啼く(ななさと紅緒)くノ一のやうな嫁なり煤払(ななさと紅緒)北風やらんぷのやうに日のゆれて(里村 閑)サイレントナイトひとつ狐火うごきだす(里村 閑)眉月を引つかけている大枯木(椎名 桂秀)テレピンの匂ふアトリエ冬薔薇(鈴木由里子)十まではかぞへられます柚湯かな(堤 かがり)白菜のヒップずらりと姸競ふ(はたのとしはる)ほろ酔ひて夢路に遊ぶ膝毛布(はたのとしはる)窯出しの小さき残り火月冴ゆる(杉山 加織)

平成29年11月 月例インターネット句会 Vol.69結果発表

木暮陶句郎 選◎特選 7句狐火を誰も気づかず六本木(里村 閑)マスクして何でも言つてしまひそう(中野 千秋)漱石忌一灯ともす書斎かな(星野 裕子)さりさりと鉛筆削る夜寒かな(ななさと紅緒)木の実雨詩人は旅に行つたきり(中野 千秋)林檎もぐ少年の空揺れやすし(星野 裕子)まだ夢の途中下車なり冬銀河(星野 裕子)〇入選 22句 冬林檎置いて詩人の部屋らしく(中野 千秋)未来へと委ねる命木の実落つ(清水 檀)神無月バウムクーヘン芯は空(安部じゅん)空き箱にたまるリボンや小鳥くる(ななさと紅緒)落日に色うつりゆく芒原(椎名 桂秀)不器用は吾だけで無く冬菫(鈴木由里子) ビル群のなかに城壁冬ぬくし(中野 千秋)立冬の祈祷に受ける火伏札(稲葉 京閑)せんべいに百人一首秋深し(鬼形 瑞枝)神の旅積読の山くづれけり(ななさと紅緒)枝折り戸に続く飛び石石蕗明かり(清水 檀)廃宿の壁に広がる蔦紅葉(髙橋千登世)舞台終了十一月の雨やさし(安部じゅん)冬の山重ねて描くシルエット(水上 一葉)過去ひかる冬のにほひを吸ひ込めば(杉山 加織)十年分のほこり重たし冬銀河(鬼形 瑞枝)分け入れば浮力生まれるる芒原(椎名 桂秀)美辞麗句云わぬ家風や烏瓜(鈴木由里子)鍋蓋の漏らすため息神の留守(杉山 加織)マティーニに浮かんで溶けて冬灯(中野 千秋)ゆりかもめ浮くといふより弾かれて(里村 閑)偶然といふ必然や神渡(杉山 加織)互選6票林檎もぐ少年の空揺れやすし(星野 裕子)5票冬林檎置いて詩人の部屋らしく(中野 千秋)空き箱にたまるリボンや小鳥くる(ななさと紅緒)解体の重機の爪や冬ざるる(木暮陶句郎)4票木の実雨詩人は旅に行つたきり(中野 千秋)マティーニに浮かんで溶けて冬灯(中野 千秋)冬もみぢ光の底を歩みけり(星野 裕子)まだ夢の途中下車なり冬銀河(星野 裕子)3票マスクして何でも言つてしまひそう(中野 千秋)時刻む音はもう過去冬立ちぬ(稲葉 京閑)さりさりと鉛筆削る夜寒かな(ななさと紅緒)銀杏散る影とぶつかる音立てて(木暮陶句郎)2票頂きし葉付き大根もてあまし(岩佐 晴子)狐火を誰も気づかず六本木(里村 閑)落日に色うつりゆく芒原(椎名 桂秀)分け入れば浮力生まれるる芒原(椎名 桂秀)白鳥を見に行く野良の無き日には(鈴木由里子)初霜や命あるもの膨らみて(杉山 加織)過去ひかる冬のにほひを吸ひ込めば(杉山 加織)1票立冬の祈祷に受ける火伏札(稲葉 京閑)未来へと委ねる命木の実落つ(清水 檀)枝折り戸に続く飛び石石蕗明かり(清水 檀)食ひしばる事も人生冬薔薇(清水 檀)廃宿の壁に広がる蔦紅葉(髙橋千登世)自刃せし十六七歳ちちろ虫(鬼形 瑞枝)ゆりかもめ浮くといふより弾かれて(里村 閑)立冬や明日迎へる誕生日(水上 一葉)たわわなる枝を残して柿落葉(堤 かがり)みほとりの皆いとほしく冬に入る(ななさと紅緒)還暦の自転車二台小春凪(ななさと紅緒)芒野を走り抜けゆく銀の風(椎名 桂秀)美辞麗句云わぬ家風や烏瓜(鈴木由里子)身のどこか引き締まる音冬来る(杉山 加織)鍋蓋の漏らすため息神の留守(杉山 加織)偶然といふ必然や神渡(杉山 加織)

平成29年10月 月例インターネット句会 Vol.68結果発表

木暮陶句郎 選◎特選 6句ページ繰る指に寄り添ふ秋の声(杉山 加織)命あるやうに転びて式部の実(清水 檀)流されて透けゆく雲や天高し(堤 かがり)赤福の金の看板天高し(中野 千秋)名月や微かな電子音を聴く(稲葉 京閑)鰯雲いつか離れていく子らも(椎名 桂秀)〇入選 27句 居酒屋のメニュー変はりて深む秋(星野 裕子)萩散るやその一瞬を生き続け(稲葉 京閑)秋薔薇けだるく甘い午後のこと(中野 千秋)小鳥くる本の四隅に子の歯形(ななさと紅緒)大楠は樹齢千年天高し(岩佐 晴子)風生まれ芒の原の胎動す(椎名 桂秀)言葉にはならず眼裏初紅葉(清水 檀)虫時雨星空までも届きさう(星野 裕子)屋根の猫尾を満月に伸ばしたり(鈴木由里子) 仲秋の月に近づく飛機の影(稲葉 京閑)少年少女の声まつすぐに愛の羽根(ななさと紅緒)たてがみののごとくに靡く芒原(椎名 桂秀)蕎麦すする最果ての駅雁渡し(ななさと紅緒)身に入むや薬缶の水の沸けるまで(鈴木由里子)閉ぢ込めし想ひよ石榴割れないで(星野 裕子)月の友あまた集ふや城今宵(はたのとしはる)古民家の玻璃にゆがみし月ひとつ(椎名 桂秀)秋の空こんなに明るくて静か(星野 裕子)風のなき夜の深さを虫時雨(星野 裕子)十六夜やサイドミラーになほす紅(ななさと紅緒)秋晴や天使の羽根を描く空(杉山 加織)吹き出され籾殻の山豊の秋(岩佐 晴子)山葡萄父の愛には気づかずに(鈴木由里子)木犀や回り終はりし回覧板(稲葉 京閑)句敵の面々揃ふ観月会(はたのとしはる)初紅葉触れれば毀れさうな空(杉山 加織)ジーンズの蹴る空き缶や秋の声(鈴木由里子)互選7票ページ繰る指に寄り添ふ秋の声 (杉山 加織)4票卓の灯をまた散らかして落花生(木暮陶句郎)過去ばかり耀く午後や金木犀(木暮陶句郎)3票隙間より地球広ごる松手入(清水 檀)赤福の金の看板天高し(中野 千秋)少年少女の声まつすぐに愛の羽根(ななさと紅緒)山葡萄父の愛には気づかずに(鈴木由里子)秋風や少し痩せたる膝頭(木暮陶句郎)想ひとは終りなきもの秋時雨(杉山 加織)2票外に出れば虫の音わつと取り囲む(清水 檀)虫時雨星空までも届きさう(星野 裕子)閉ぢ込めし想ひよ石榴割れないで(星野 裕子)秋の空こんなに明るくて静か(星野 裕子)萩散るやその一瞬を生き続け(稲葉 京閑)長き夜や空気のごとく妻のゐて(はたのとしはる)けふのこと明日のことなど長き夜(はたのとしはる)一枚づつ風の剝ぎゆく愁思かな(里村 閑)眠る子の乳を離さざる良夜かな(里村 閑)風生まれ芒の原の胎動す(椎名 桂秀)林檎食む怪しき蜜の匂して(堤 かがり)コスモスの彩の触れ合ふ無音界(木暮陶句郎)1票木犀に誘われて行く廻り道(髙橋千登世)帰りてもだあれもいない蜜柑食ぶ(髙橋千登世)命あるやうに転びて式部の実(清水 檀)名月や微かな電子音を聴く(稲葉 京閑)句敵の面々揃ふ観月会(はたのとしはる)街へ散る空港バスの良夜かな(里村 閑)小鳥くる本の四隅に子の歯形(ななさと紅緒)大楠は樹齢千年天高し(岩佐 晴子)都をば遠しと思ふ鹿の声(岩佐 晴子)天空の我が家となりぬ朝の霧(岩佐 晴子)古民家の玻璃にゆがみし月ひとつ(椎名 桂秀)たてがみののごとくに靡く芒原(椎名 桂秀)天高し愛の言葉を叫びけり(堤 かがり)流されて透けゆく雲や天高し(堤 かがり)独り居て武士は食はずに過ぐ夜寒(安部じゅん)屋根の猫尾を満月に伸ばしたり(鈴木由里子)雨音の消しゆく今日やそぞろ寒(木暮陶句郎)初紅葉触れれば毀れさうな空(杉山 加織)

平成29年9月 月例インターネット句会 Vol.67結果発表

木暮陶句郎 選◎特選 6句秋の夜の眠りは水に浮く如し(星野 裕子) 露けしや釣人の踏む谷の道(堤 かがり)山巓を浮かべ朝霧立ちにけり(清水 檀)野の花のさざめきつきぬ無月かな(ななさと紅緒)秋灯や白き心を文にして(堤 かがり)秋冷のランプシェードの透ける青(堤 かがり)〇入選 24句 千曲川信濃川へと秋の雲(中野 千秋)ばあちやんの茶筅捌きや吾亦紅(安部じゅん)コスモスの平和なふりの平和かな(ななさと紅緒)花野より帰りて少し若返る(中野 千秋)あるがまま委ねし風やねこじやらし(清水 檀)萩こぼれ生きてる限り満たされず(中野 千秋)秋彼岸まだ足生えぬ蝌蚪五匹(安部じゅん)はんなりと匂ふ言の葉萩の宿(中野 千秋)ネービーのラメ入りネイル天の川(星野 裕子)ひよんの笛吹くやミューズを呼ぶやうに(ななさと紅緒)死ぬるまで貫く秘密曼珠沙華(中野 千秋)無花果に真白き涙真白き血(岩佐 晴子)うどん吹く音は四角に夜食かな(堤 かがり)帰りけり夢二が里の秋連れて(里村 閑)俳句にも倦怠期あり秋暑し(岩佐 晴子)木道の風は花野の鼓動なる(稲葉 京閑)海に出て帰らぬものに秋の蝶(星野 裕子)太陽に恋する雲や秋夕焼(岩佐 晴子)幾度もしたる懺悔や稲光(はたの としはる)ちちろ鳴く手紙のやうに書く日記(ななさと紅緒)月光を急ぐ夜会のシンデレラ(鈴木由里子)朝霧の約束果たされぬままに(杉山 加織)闇といふ闇を打ち付けたる野分(杉山 加織)新涼や社の形の投句箱(杉山 加織)互選6票ちちろ鳴く手紙のやうに書く日記(ななさと紅緒)5票坂ごとに名のある湯町霧月夜(木暮陶句郎)4票花野より帰りて少し若返る(中野 千秋)秋の夜の眠りは水に浮く如し(星野 裕子)帰りけり夢二が里の秋連れて(里村 閑)秋冷のランプシェードの透ける青(堤 かがり)松虫草人声に透け風に透け(木暮陶句郎)3票死ぬるまで貫く秘密曼珠沙華(中野 千秋)気まぐれな空よ榛名の霧が飛ぶ(稲葉 京閑)木道の風は花野の鼓動なる(稲葉 京閑)2票あるがまま委ねし風やねこじやらし(清水 檀)秋灯や白き心を文にして(堤 かがり)ひよんの笛吹くやミューズを呼ぶやうに(ななさと紅緒)睦み合ふ色鳥いろを重ねつつ(木暮陶句郎)みづうみの風も葉擦れの音も秋(木暮陶句郎)天婦羅のからりと揚がり涼新た(木暮陶句郎)野分中抱へるものは我が身だけ(杉山 加織)1票千曲川信濃川へと秋の雲(中野 千秋)はんなりと匂ふ言の葉萩の宿(中野 千秋)ミンミンの声遠くなり途絶えたり(髙橋千登世)風の音水の音にも九月かな(髙橋千登世)白髪になってともだち韮の花(鬼形 瑞枝)子いのしし檻の中までまっしぐら(鬼形 瑞枝)余す無き蜻蛉の軌跡山気滿つ(稲葉 京閑)眼差しを遠く遠くへ夢二の忌(稲葉 京閑)海に出て帰らぬものに秋の蝶(星野 裕子)無花果に真白き涙真白き血(岩佐 晴子)ねこ歌ひライオン吼えし長き夜(安部じゅん)秋風の背より鳩尾透きゆけり(里村 閑)この秋やときには海を折りたたむ(里村 閑)露けしや釣人の踏む谷の道(堤 かがり)うどん吹く音は四角に夜食かな(堤 かがり)野の花のさざめきつきぬ無月かな(ななさと紅緒)慣れぬ手で装ふ髪や小望月(鈴木由里子)友達以上恋人未満秋桜(鈴木由里子)赤とんぼ父は生母の顔知らず(はたのとしはる)人生は清貧もよし蛍草(はたのとしはる) 幾度もしたる懺悔や稲光(はたのとしはる)新涼や社の形の投句箱(杉山 加織)

平成29年8月 月例インターネット句会 Vol.66結果発表

木暮陶句郎 選◎特選 7句かなかなの膨らましたる森の闇(杉山 加織)銀漢の横たふ海の暗さかな(安部じゅん)新涼の黒髪胸をながれけり(里村 閑)日陰にもどつかと秋の暑さかな(稲葉 京閑)朝を捥ぐ青き香を捥ぐトマト捥ぐ(岩佐 晴子)ときをりは凭れてゐたり秋の風(里村 閑)逢ふときは思い出すとき走馬灯(星野 裕子)〇入選 23句 早桃や各駅停車の里帰り(髙橋千登世)花火見の臨時バス出る最寄駅(堤 かがり)空の彩連れて転がる芋の露(稲葉 京閑)柩には折り鶴も入れ天の川(岩佐 晴子)銀漠や木にも寿命があるといふ(中野 千秋)余生まだ頭上にありて蝉の声(阿部ひで希)君と居て心安らぐコロンの香(清水 檀)遠花火儚き恋も二度三度(はたのとしはる)夕菅のこぼす日の色風の色(杉山 加織)泣きもせず口応へせず蟻を見る(ななさと紅緒)ホスピスの母を看取りて夏終わる(髙橋千登世)月涼し迎への夫と渡る橋(岩佐 晴子)ビル越しに見え隠れして遠花火(はたのとしはる)我が町の誇る並木路夏柳(清水 檀)鎮魂の蝉鳴き止まぬ原爆忌(清水 檀)又同じ夢より目覚め終戦日(鈴木由里子)変りなく雄弁多弁生身霊(中野 千秋)桐一葉ゆらりと落ちてからの風(星野 裕子)花屋から花屋へ急ぐ盆支度(鈴木由里子)繪らふそく灯す夕べや終戦日(中野 千秋)リズムよく森を突き抜け蝉の声(阿部ひで希)蜩や傾く日差し惜しみつつ(岩佐 晴子)手花火の耳元にある君の声(杉山 加織)互選7票空の彩連れて転がる芋の露(稲葉 京閑)4票命とは水でありけり原爆忌(木暮陶句郎)日陰にもどつかと秋の暑さかな(稲葉 京閑)3票銀漢の横たふ海の暗さかな(安部じゅん)新涼の黒髪胸をながれけり(里村 閑)稲妻に浮かぶ都会の無彩色 (木暮陶句郎)2票踊笠うなじに娘盛りかな (ななさと紅緒)余生まだ頭上にありて蝉の声(阿部ひで希)夕菅のこぼす日の色風の色 (杉山 加織)泣きもせず口応へせず蟻を見る(ななさと紅緒)逢ふときは思い出すとき走馬灯(星野 裕子)露草の人恋ふ如く靴濡らす (木暮陶句郎)南国の果実も供へ魂祭(木暮陶句郎)1票早桃や各駅停車の里帰り(髙橋千登世)柩には折り鶴も入れ天の川(岩佐 晴子)かなかなの膨らましたる森の闇 (杉山 加織)とぎれたる会話のあはひ秋扇(ななさと紅緒)輪をつくり語り部を待つ星月夜(中野 千秋)月涼し迎への夫と渡る橋(岩佐 晴子)剣岳明日は頂上雲の峰(堤 かがり)銀漢や繋ぎたき手は遠くなり(杉山 加織)凪ぐ海の綺羅の重たき晩夏かな(稲葉 京閑)みんみんの声に揺るぎぬ城址森(清水 檀)桐一葉仰向けのまま落ちゆけり(安部じゅん)朝を捥ぐ青き香を捥ぐトマト捥ぐ(岩佐 晴子)人ぐすり日にち薬や桔梗咲く(中野 千秋)かなかなや後腐れなき恋をして(杉山 加織)ときをりは凭れてゐたり秋の風(里村 閑)三代の横顔の似て盆の月(堤 かがり)変りなく雄弁多弁生身霊(中野 千秋)あさがほや寄辺なき身は地に咲きて(ななさと紅緒)写経紙の墨の香りや夜の秋(星野 裕子)蟷螂や腕立て伏せはできるかい(岩佐 晴子)蜩や傾く日差し惜しみつつ(岩佐 晴子)スカートに風孕ませて秋に入る(里村 閑)

平成29年7月 月例インターネット句会 Vol.65結果発表

木暮陶句郎 選◎特選 5句まだ誰も帰つて来ない涼しさよ(星野 裕子)月涼し欠徳利に花挿して(ななさと紅緒)荒梅雨をバスうなだれて曲がりけり(里村 閑)黒鉄の仏目つむる朝曇り(稲葉 京閑)碑に蚕の文字や梅雨寒し(鬼形 瑞枝)〇入選 26句 夕涼み鼻緒のゆるき男下駄(堤 かがり)風鈴や箱が欲しくて菓子を買ふ(中野 千秋)梅雨深し川の向かうに過去未来(中野 千秋)明易の街角消えてゆくジゴロ(鈴木由里子)貨車過ぎる音に目覚めし雨蛙(清水 檀)国宝の城へ一撃はたた神(稲葉 京閑)君の声聞き分けてゐる海の家(鈴木由里子)松蝉の谷底へ降る聲の嵩(杉山 加織)異次元に迷ひ込みをり麦の秋(清水 檀)薄き闇ふはり浮かぶや月見草(清水 檀)鵜篝や滾る川面となりし闇(稲葉 京閑)夏座敷ぽつんと空の蹲(里村 閑)誘ふよに逃れるやうに舞ふ蛍(星野 裕子)昼寝子に大物の相ありにけり(ななさと紅緒) 土の匂ひ草の匂ひや避暑の家(髙橋千登世)短冊にアラビアの文字星祭(星野 裕子)棟梁の見上ぐ大空百日紅(鈴木由里子)白玉になる一瞬の浮き沈み(堤 かがり)妻とゐて逢引めくや貴船川床(里村 閑)吹割の滝の土産に箒かな(安部じゅん)ほおずき市毘沙門天の虎に恋(安部じゅん)ガラクタの何れも玩具や夏の雲(鈴木由里子)朝練の自転車の列夏つばめ(ななさと紅緒)風鈴に短冊回るだけの風(岩佐 晴子)急流に砕け散る岩夏祓(杉山 加織)鵜飼果つ岸に拾ひし黒き羽根(稲葉 京閑)互選5票短冊にアラビアの文字星祭 (星野 裕子)夕涼み鼻緒のゆるき男下駄(堤 かがり)4票白玉になる一瞬の浮き沈み(堤 かがり)朝練の自転車の列夏つばめ(ななさと紅緒)3票ひややかに我見る我や明易し(ななさと紅緒)風鈴や箱が欲しくて菓子を買ふ(中野 千秋)想ひとはつのるものなり髪洗ふ (木暮陶句郎)2票短夜や死に逝く猫を撫で尽し(安部じゅん)まだ誰も帰つて来ない涼しさよ (星野 裕子)風止まり刻の止まりて蝉時雨 (稲葉 京閑)ひややかに我見る我や明易し(ななさと紅緒)夏館銀の取つ手のティーカップ(木暮陶句郎)1票足元の気遣ふ闇や蛍狩 (清水 檀)灯を映す皿を選びて夏料理 (星野 裕子)誘ふよに逃れるやうに舞ふ蛍 (星野 裕子)風鈴に短冊回るだけの風 (岩佐 晴子)国宝の城へ一撃はたた神(稲葉 京閑)月涼し欠徳利に花挿して(ななさと紅緒)荒梅雨をバスうなだれて曲がりけり (里村 閑)暗がりに昭和の重さ夏館(中野 千秋)それぞれの日傘の個室持ち歩く(中野 千秋)ガラクタの何れも玩具や夏の雲(鈴木由里子)明易の街角消えてゆくジゴロ(鈴木由里子)君の声聞き分けてゐる海の家(鈴木由里子)棟梁の見上ぐ大空百日紅(鈴木由里子)潮風とジャズ掻き鳴らす夏の海(鈴木由里子)むらさきは滅びの色や梅雨夕焼 (木暮陶句郎)子燕の神より貰ひたる勇気(木暮陶句郎)夕顔やをんなの意地も揺らぎをり(木暮陶句郎)口角を上げ続けたるサングラス(杉山 加織)

平成29年6月 月例インターネット句会 Vol.64結果発表

木暮陶句郎 選◎特選 5句雨宿りする足元の蟻地獄(堤 かがり)蝸牛見てゐるあの世この世かな(星野 裕子)かの人のそれからを聞くみどりの夜(ななさと紅緒)お洒落して首から引きし夏の風邪(岩佐 晴子)手のひらの宇宙拡げし蛍の夜(杉山 加織)〇入選 26句 あぢさゐや藍の字あはき文届く(ななさと紅緒) 手をつなぎ波打ち際の素跣かな(岩佐 晴子)涼しさやオーボエ追うて音合せ(里村 閑)梅雨深しもの覚えるによき日なり(中野 千秋)七十路はまだまだ若し今年竹(はたのとしはる)夕蛍嘘ばかりつく君とゐて(杉山 加織)噴水の空を掴みて未来まで(清水 檀)ガラガラと眠りを覚ます真夜の雷(清水 檀)スニーカー洗ふ日曜五月晴(岩佐 晴子)ほめられて囃され開くこてふ蘭(里村 閑)山藤や蔓からましてより強く(髙橋千登世)花茄子の茎のいきほひ濃紫(堤 かがり)連なりし子ら緑蔭を掻き回す(杉山 加織)ダービーや最後の直線駆け抜けろ(髙橋千登世)蟻の列いまだ生き方変へられず(星野 裕子)ビィオロンケース抱へ夕立の喫茶店(鈴木由里子)黒南風や珈琲店の古時計(中野 千秋)君恋ふるとき青梅雨の調べかな(杉山 加織)夏草や想ひは不意に育つもの(杉山 加織)白上布風を四角く着こなして(ななさと紅緒)青嵐指笛鳴らす転校子(安部じゅん)きれいねと孫の指さす犬ふぐり(髙橋千登世)さみだるる空の端つこもてあそび(堤 かがり)互選7票かの人のそれからを聞くみどりの夜(ななさと紅緒)5票蟻の列いまだ生き方変へられず(星野 裕子)3票正座して蛙が空をひと睨み(稲葉 京閑)試食する小指気取つてさくらんぼ(岩佐 晴子)夏草や想ひは不意に育つもの(杉山 加織)手のひらの宇宙拡げし蛍の夜(杉山 加織)短夜のオンザロックの琥珀色(木暮陶句郎)林道に風の十薬あかりかな(木暮陶句郎)2票噴水に彩あり匂ひある飛沫(清水 檀)山梔子の香の溺れゆく夜の帳(稲葉 京閑)海凪や梅雨の重さの鉛色(稲葉 京閑)首振りの戻り来る間よ扇風機(稲葉 京閑)寄り添つてゐるつもりです桜ん坊(星野 裕子)お洒落して首から引きし夏の風邪(岩佐 晴子)黒南風や珈琲店の古時計(中野 千秋)しみじみと深き地下鉄走梅雨(中野 千秋)夕蛍嘘ばかりつく君とゐて(杉山 加織)1票噴水の空を掴みて未来まで(清水 檀)緑風のさらり辺りを染めて行く(清水 檀)蝸牛見てゐるあの世この世かな(星野 裕子)姫女苑草取りの手に躊躇あり(髙橋千登世)あぢさゐや藍の字あはき文届く(ななさと紅緒)二階まで何しに卯の花腐しかな(ななさと紅緒)白上布風を四角く着こなして(ななさと紅緒)客待ちのサーファーとなり波を読む(鈴木由里子)ビィオロンケース抱へ夕立の喫茶店(鈴木由里子)手をつなぎ波打ち際の素跣かな(岩佐 晴子)スニーカー洗ふ日曜五月晴(岩佐 晴子)万緑に絶壁突きささつてをり(安部じゅん)水鏡愛し白鷺けふも佇つ(里村 閑)涼しさやオーボエ追うて音合せ(里村 閑)夏の浜寄せ来し波の行き場なく(里村 閑)花茄子の茎のいきほひ濃紫(堤 かがり)さみだるる空の端つこもてあそび(堤 かがり)梅雨深しもの覚えるによき日なり(中野 千秋)このごろは勉強づけや缶ビール(中野 千秋)五月晴ゴルフコンペの妻雄姿(はたのとしはる)君恋ふるとき青梅雨の調べかな(杉山 加織)越後路の空裏返す代田風(木暮陶句郎)

平成29年5月 月例インターネット句会 Vol.63結果発表

木暮陶句郎 選◎特選 5句初夏の蒼きラインの一筆箋(杉山 加織)花は葉に今来た道を折り返す(中野 千秋)美容師の鋏鈍りし若葉寒(杉山 加織)みどりの夜ワインに添ふる美辞麗句(里村 閑)東京にもどる決意の草矢かな(ななさと 紅緒)〇入選 27句 また車洗ふ黄砂の降る連休(稲葉 京閑)しばらくは筍料理里暮し(岩佐 晴子)吐息までやはらかくなる新茶かな(堤 かがり)エルミタージュ美術館展花は葉に(中野 千秋)駆ける子のエンゼルリング樟若葉(稲葉 京閑)雨ながら輝やいてをり麦の秋(星野 裕子)猫の尾の膨らんでいる風五月(稲葉 京閑)老いたりと言へど男ぞ端午の日(はたのとしはる)燕の巣夜明が早くなりにけり(稲葉 京閑)久々に赤い日除けの高島屋(中野 千秋)葉桜や池の小舟に陰落とし(山田 裕子)ワイキキの海に卯波の白眩し(清水 檀)大空へかみひこうきや初夏の昼(清水 檀)人嫌ひ自分嫌ひの水中花(ななさと 紅緒)青嵐洗濯物の大車輪(岩佐 晴子)聖五月エカテリーナの肖像画(中野 千秋)立ち直り早きふりして夏帽子(ななさと紅緒)白牡丹色のうしろに透く暮色(星野 裕子)薔薇咲くやさらりと彼女紹介す(堤 かがり)初夏と云ふ青き風白き風(星野 裕子)マニキュアとピアスの色を選び夏(星野 裕子)珍しく今年の立夏夏らしく(岩佐 晴子)姿見の隅々にまで風薫る(杉山 加織)夏来るソープボトルの透けし色(杉山 加織)葉桜の丘に白亜の吾が母校(星野 裕子)郭公の森へ誘ひしリボンの娘(鈴木由里子)般若経山滴りて無為を生く(安部じゅん)薫風や憶測で読むキリル文字(中野 千秋)葉桜の影生まれゆく宮の裏(阿部ひで希)アップライトピアノに遺す夏帽子(鈴木由里子)娘に贈る『陶然』句集柿若葉(岩佐 晴子)互選6票水音の透けてをりたる谷若葉(木暮陶句郎)5票なめくぢり涙は銀の道となり(ななさと紅緒)4票吐息までやはらかくなる新茶かな(堤 かがり)3票七癖も八癖も父似松の芯(ななさと紅緒)筍の穂先に山の雫かな(木暮陶句郎)夏めくや桐箱を出る青磁壺(木暮陶句郎)2票桜蕊降りて日常取り戻し(清水 檀)マニキュアとピアスの色を選び夏(星野 裕子)おいたりと言へど若葉の大樹かな(はたのとしはる)寂光の薔薇くれなゐを鎮ませて(鈴木由里子)人嫌ひ自分嫌ひの水中花(ななさと紅緒)般若経山滴りて無為を生く(安部じゅん) 初夏の蒼きラインの一筆箋(杉山 加織)美容師の鋏鈍りし若葉寒(杉山 加織)母の日の母を見遣れば小さくて (杉山 加織)1票猫の尾の膨らんでいる風五月(稲葉 京閑)白牡丹色のうしろに透く暮色(星野 裕子)初夏と云ふ青き風白き風(星野 裕子)やはらかき緑となりて風誘ふ(髙橋千登世)原色の微睡みて街薄暑なり(鈴木由里子)立ち直り早きふりして夏帽子(ななさと紅緒)東京にもどる決意の草矢かな(ななさと紅緒)少女らに風とび移る立夏かな(里村 閑)若葉山濡れてサラダとなりにけり(里村 閑)みどりの夜ワインに添ふる美辞麗句(里村 閑)君のゐる午後の図書室麦の秋(里村 閑)新緑や雨の音すら柔らかく(安部じゅん)夏来るソープボトルの透けし色(杉山 加織)姿見の隅々にまで風薫る(杉山 加織)草笛や一村望む丘に居り(堤 かがり)塀に書く相合傘や罌粟坊主(堤 かがり)薔薇咲くやさらりと彼女紹介す(堤 かがり)薫風や憶測で読むキリル文字(中野 千秋)花は葉に今来た道を折り返す(中野 千秋)葉桜の影生まれゆく宮の裏(阿部ひで希)畑一枚縄を渡して鯉のぼり(阿部ひで希)一本の新樹に見ゆる陰日向 (阿部ひで希)パリ薄暑夜は星降るカフェテラス(木暮陶句郎)