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平成30年8月 月例インターネット句会 Vol.78結果発表

木暮陶句郎 選◎特選 10句夜顔や闇をよごさずよごされず(里村 閑)白萩やただうなづいてくるる人(ななさと紅緒)寝転ろびて探す星座や波涼し(ななさと紅緒)囚われぬ心映して夏の海(鈴木由里子)紛れ無き今日と言ふ日や秋立ちぬ(清水 檀)墓洗ひ家族旅行に出かけけり(稲葉 京閑)ふるさとで母になる君鰯雲(里村 閑)炸裂の花火の火の粉湖に消ゆ(阿部ひで希)ガソリンを僧はセルフで盆の月(堤 かがり)人の世の歯車を捨て星祭(杉山 加織)〇入選 25句 夏草や負けず嫌ひのアスリート(鈴木由里子)冷房のきいた個室でオペを待つ(髙橋千登世)オムレツにケチャップの文字子の夜食(岩佐 晴子)朝顔を数へて一日始まりぬ(堤 かがり)白萩やただうなづいてくるる人(ななさと紅緒)秋めくや映画リストに恋の文字(杉山 加織)川音の中の静寂鮎を釣る(稲葉 京閑)ジスイズアペン言つてみて夏休み(水上 一葉)優しさにまさるものなし水中花(鈴木由里子)火と水の記憶を刻む原爆忌(星野 裕子)夏終はるオペ室までの長廊下(髙橋千登世)ギヤマンの瓶の底より秋の声(星野 裕子)地平線銀漢の突き刺さりけり(安部じゅん)篠笛の晩夏ゆすぶる二重奏(里村 閑)鎮魂の御言葉もあり涼新た(水上 一葉)客送り寂しさ少し盆の月(堤 かがり)湖は夜を閉ぢ込めたがる星月夜(杉山 加織)身を任す無数のゆらぎ大花野(中野 千秋)今年また一日遅れの墓参かな(水上 一葉)耳よりも胸に響きて揚花火(堤 かがり)各階止まりのエレベーターや秋暑し(ななさと紅緒)ひぐらしのなぞりし空の裏表(杉山 加織)かなかなの声に挽歌の想ひあり(星野 裕子)空き箱に貝殻ならべ夏惜しむ(ななさと紅緒)ダンサーの火照りを鎮めかき氷(阿部ひで希)互選6票太陽の乱入したる金魚玉(木暮陶句郎)4票住職の声の太さや送り盆(木暮陶句郎)星を見るかたちに置かれ茄子の馬(木暮陶句郎)3票サルビアや会議の後の偏頭痛(鈴木由里子)夜の秋人に言の葉物に音(星野 裕子)桐一葉振り向かぬやう渡る橋 (安部じゅん)夜顔や闇をよごさずよごされず (里村 閑)ふるさとで母になる君鰯雲(里村 閑)空き箱に貝殻ならべ夏惜しむ(ななさと紅緒)陶工の弟子の細腕涼新た(杉山 加織)2票川音の中の静寂鮎を釣る(稲葉 京閑)白樺の奥へと少しづつ秋思(星野 裕子)火と水の記憶を刻む原爆忌(星野 裕子)厨事暑さに熱さ加へをり(岩佐 晴子)朝顔を数へて一日始まりぬ(堤 かがり)耳よりも胸に響きて揚花火(堤 かがり)カーテンの波寄せ返す昼寝かな (ななさと紅緒)寝転ろびて探す星座や波涼し(ななさと紅緒)ダンサーの火照りを鎮めかき氷 (阿部ひで希)ひぐらしのなぞりし空の裏表(杉山 加織)人の世の歯車を捨て星祭(杉山 加織)1票夏草や負けず嫌ひのアスリート(鈴木由里子)囚われぬ心映して夏の海(鈴木由里子)降り注ぐ光の如き蝉時雨(清水 檀)ギヤマンの瓶の底より秋の声(星野 裕子)高床の涼しさ寺の猫眠る(稲葉 京閑)桔梗や小切れは母の恋衣(里村 閑)嵯峨野ゆく千年前も虫の闇(中野 千秋)身を任す無数のゆらぎ大花野(中野 千秋)新しき消しゴム下ろす涼新た(岩佐 晴子)ジスイズアペン言つてみて夏休み(水上 一葉)鎮魂の御言葉もあり涼新た(水上 一葉)客送り寂しさ少し盆の月(堤 かがり)ガソリンを僧はセルフで盆の月(堤 かがり)白萩やただうなづいてくるる人(ななさと紅緒)新涼や坊主頭の球児たち(木暮陶句郎)

平成30年7月 月例インターネット句会 Vol.77結果発表

木暮陶句郎 選◎特選 10句一葉のたわみ蛍の火の重み(星野 裕子)水打つや勝負の帯の濃紫(ななさと紅緒)水中花人に好かれず嫌はれず(星野 裕子)夏草や紙飛行機に展開図(鈴木由里子)ちぐはぐに動く金魚の目玉かな(堤 かがり)夏座布団積んで客待つ峠の温泉(阿部ひで希)熱き砂裸足で掴み海目指す(清水 檀)流星や岬の舟はオルゴール(鈴木由里子)夏服にひと日の疲れ地下茶房(星野 裕子)桃を剥く優しさ全部持ち寄つて(杉山 加織)〇入選 29句 シヤワー浴ぶ何もなかつた日のやうに(大貫ひすゐ)潮騒の声よみがへる貝風鈴(清水 檀)梅雨冷や紅茶に入れる角砂糖(稲葉 京閑)待つていた塩玉葱の宅急便(水上 一葉)夏の夜の注ぐ洋酒の琥珀色(大貫ひすゐ)無住寺の紫陽花句碑の肩に添ふ(阿部ひで希)みづうみのやうにひろごる夏の空(清水 檀)下駄からころ洗いざらしの藍浴衣(安部じゅん)炎天の車は熱の塊に(稲葉 京閑)虹二重ホースの先に夢の国(岩佐 晴子)やすらぎに包まれ歩く木下闇(水上 一葉)月涼し百万ドルの夜景にも(杉山 加織)冷酒酌む祖父の遺愛の盃に(大貫ひすゐ)噴水のてつぺんに風集中す(星野 裕子)蟻地獄散歩急がぬ老ゆる犬(安部じゅん)昼寝する孫の寝顔や飽きもせず(高橋千登世)不条理な人生もある戻り梅雨(水上 一葉)二個入れてバランスの良き水中花(堤 かがり)日傘貫く香港の陽射しかな(杉山 加織)ギャマンの冷酒のしづく胸に滲む(清水 檀)遠い日やサイダー一本もてあます(鬼形 瑞枝)またの名は女優帽なり銀座朱夏(ななさと紅緒)水打つて客待つ店の門構へ(大貫ひすゐ)歌丸の芸事累ヶ淵涼し(安部じゅん)雲の峰算盤塾の大盛況(鈴木由里子)明易し俄サッカーファンとなり(岩佐 晴子)サルビアは昭和の薫り母想ふ(水上 一葉)雲の峰息して乳房眠りゐる(里村 閑)指さして夕に小さき夏の月(堤 かがり)互選6票梅雨冷や紅茶に入れる角砂糖(稲葉 京閑)5票一葉のたわみ蛍の火の重み(星野 裕子)ちぐはぐに動く金魚の目玉かな(堤 かがり)3票滴りの一滴ごとの長さかな (大貫ひすゐ)水中花人に好かれず嫌はれず(星野 裕子)夏服にひと日の疲れ地下茶房(星野 裕子)鍋磨く次々磨く明易し(岩佐 晴子)逆らはず白髪受け入れ半夏生(岩佐 晴子)天辺を知らず伸びゆく雲の峰(杉山 加織)桃を剥く優しさ全部持ち寄つて(杉山 加織)月見草恋のメールに嘘少し(木暮陶句郎)2票シヤワー浴ぶ何もなかつた日のやうに(大貫ひすゐ)潮騒の声よみがへる貝風鈴(清水 檀)熱き砂裸足で掴み海目指す(清水 檀)一瞬に大地傾く夏出水(星野 裕子)動くもの隠してをりぬ草いきれ(堤 かがり)白よりも紫に風夕木槿(木暮陶句郎)終はりとは始まりであり大夕焼(木暮陶句郎)1票夏の夜の注ぐ洋酒の琥珀色(大貫ひすゐ)冷酒酌む祖父の遺愛の盃に(大貫ひすゐ)水打つて客待つ店の門構へ(大貫ひすゐ)師の句碑を洗ひ流すや梅雨の糸(阿部ひで希)みづうみのやうにひろごる夏の空(清水 檀)歌丸の芸事累ヶ淵涼し(安部じゅん)炎天の車は熱の塊に(稲葉 京閑)単調な風送り来る扇風機(稲葉 京閑)太陽を覗く湖沼や夏帽子(鈴木由里子)雲の峰算盤塾の大盛況(鈴木由里子)虹二重ホースの先に夢の国(岩佐 晴子)待つていた塩玉葱の宅急便(水上 一葉)やすらぎに包まれ歩く木下闇(水上 一葉)タイ解けばレースのカーテン風を抱く(里村 閑)雲の峰息して乳房眠りゐる(里村 閑)水打つや勝負の帯の濃紫(ななさと紅緒)夜のひまはり敗兵の影をひき(ななさと紅緒)土用鰻女四代うち揃ひ(ななさと紅緒)指さして夕に小さき夏の月(堤 かがり)下駄音も寄り添つてゐる宿浴衣(木暮陶句郎)

平成30年6月 月例インターネット句会 Vol.76結果発表

木暮陶句郎 選◎特選 6句涼やかや老舗の和菓子泪色(清水 檀)今日と言ふひと日を消して梅雨烟る(清水 檀)短夜や壊れ易きは砂の城(鈴木由里子)黒南風や水漏れ続くエコキュート(安部じゅん)漱石の文庫を閉じて焚く蚊遣(清水 檀)毛虫焼く今宵は仮面舞踏会(ななさと紅緒)〇入選 26句 竹皮を脱ぐ天空にまだ余白(星野 裕子)無機質な朝のポストや明易し(鈴木由里子)円陣の真ん中あたり青葉風(堤 かがり)落ちさうな釦をちぎる溽暑かな(ななさと紅緒)運針のあとの痺れや梅雨兆す(杉山 加織)切りし時ことに香りし百合の花(大貫ひすゐ)駅前のバスの発着風緑(稲葉 京閑)ジョギングの髪を揺らして夏木立(星野 裕子)拝観はシニア料金梅雨晴れ間(水上 一葉)パン皿に名も無き小鳥夏の島(鈴木由里子)黴嗅いで太き柱の映画館(安部じゅん)湘南のホテル育ちや燕の子(ななさと紅緒)さくらんぼ従姉妹同士で同い年(中野 千秋)梅雨湿り画面走らすスマートホン(稲葉 京閑)カーボン紙の色の澱みの五月闇(星野 裕子)噴水や若き涙のかはくまで(里村 閑)蝸牛あすには取れるギブスかな(ななさと紅緒)濡れるとも無くて濡れゆく梅雨の街(清水 檀)目高池雨に溢れんばかりなり(堤 かがり)縁の下月面のごとく蟻地獄(岩佐 晴子)単衣着て目もとは母に似てきたる(大貫ひすゐ)真夜中の帰宅金魚に迎えらる(星野 裕子)梅雨晴れ間待ってましたとテニスかな(髙橋千登世)林間に星の滴る夏野かな(鈴木由里子)逆しまに雲むくむくと植田かな(岩佐 晴子)梅雨寒し閉店といふレストラン(大貫ひすゐ)互選5票さくらんぼ従姉妹同士で同い年(中野 千秋)竹皮を脱ぐ天空にまだ余白(星野 裕子)4票落ちさうな釦をちぎる溽暑かな(ななさと紅緒)湘南のホテル育ちや燕の子(ななさと紅緒)短夜や少しがたつくバーの椅子 (木暮陶句郎)3票さくらんぼ従姉妹同士で同い年(中野 千秋)七変化俳人意気な嘘を言ふ(中野 千秋)サングラスかけても嘘の下手な人 (大貫ひすゐ)涼やかや老舗の和菓子泪色 (清水 檀)黴嗅いで太き柱の映画館 (安部じゅん)運針のあとの痺れや梅雨兆す(杉山 加織)2票六月や開店前のヴィヴァルディ (中野 千秋)紫陽花の手折りて零す雨の粒 (清水 檀)漱石の文庫を閉じて焚く蚊遣 (清水 檀)水もまた香を立たせけり紅薔薇 (星野 裕子)円陣の真ん中あたり青葉風(堤 かがり)ででむしや今日の仕事を先送る (堤 かがり)蝸牛あすには取れるギブスかな(ななさと紅緒)毛虫焼く今宵は仮面舞踏会(ななさと紅緒)1票切りし時ことに香りし百合の花(大貫ひすゐ)梅雨寒し閉店といふレストラン(大貫ひすゐ)単衣着て目もとは母に似てきたる(大貫ひすゐ)梅雨の蚊のおもむろに人刺さむとす(稲葉 京閑)駅前のバスの発着風緑(稲葉 京閑)今日と言ふひと日を消して梅雨烟る(清水 檀)濡れるとも無くて濡れゆく梅雨の街(清水 檀)拝観はシニア料金梅雨晴れ間(水上 一葉)本堂の襖はづして読経かな(水上 一葉)短夜や壊れ易きは砂の城(鈴木由里子)薔薇二輪引き合ふごとくゆるるかな(里村 閑)小判草浮世の風にをどりけり(里村 閑)鬼灯の花夕暮れに生まれたり(安部じゅん)老犬と歩く夕暮れ夏椿(安部じゅん)遠雷や匍匐前進猫の尻(石川 祐司)過疎の地に二人ぼつちや時鳥(岩佐 晴子)縁の下月面のごとく蟻地獄(岩佐 晴子)逆しまに雲むくむくと植田かな(岩佐 晴子)湧水のこんもりとして緑の夜(木暮陶句郎)好きなんて言はない絶対七変化(杉山 加織)思ひ出の色青みつつ梅雨に入る(杉山 加織)カーナビの心なきこゑ梅雨じめり(杉山 加織)

平成30年5月 月例インターネット句会 Vol.75結果発表

木暮陶句郎 選◎特選 7句女見るをんなの視線蛇苺(星野 裕子)病院の五月の風の中にあり(里村 閑)渡されし赤子の重さ柏餅(中野 千秋)たはむれの煙草に咽せてサングラス(ななさと 紅緒)恋愛と投資は似てるアマリリス(中野 千秋)春蝉や余白大事に書く色紙(星野 裕子)手裏剣を投げてみたいと子供の日(水上 一葉)〇入選 28句 ここでしか生きられなくてあめんばう(中野 千秋)身傾げてゆく猫車木下闇(鈴木 由里子)傘袋見つからぬまま走り梅雨(岩佐 晴子)学食の大盛りラーメン柿若葉(ななさと紅緒)強風の代田に水のうねりかな(阿部ひで希)琴の音の聞こえる水辺花吹雪(鬼形 瑞枝)静よりも動を好みて夏座敷(鈴木由里子)五月雨の雨脚を呑む濠の鯉(稲葉 京閑)夏日指す何時もの店が空き店舗(水上 一葉)筍の届き俄に忙しく(岩佐 晴子)差し出さるる右のイヤフォン夏来る(ななさと紅緒)沢音を透かしてゆきぬ青葉風(杉山 加織)石段を駆け登りゆく若葉風(阿部ひで希)今度こそことはるつもり燕くる(鬼形 瑞枝)引出しに昭和の服よ更衣(星野 裕子)走り茶を飲み干し次の会議場(水上 一葉)母の日や妣の話を子供等に(岩佐 晴子)すぐ乾く新樹の径の手水かな(杉山 加織)参道の風に夏草騒がしく(阿部ひで希)堆きヴァニラクリーム街薄暑(鈴木由里子)入つたり出たり銀座の片かげり(里村 閑)テーブルも椅子も白なり薔薇の中(岩佐 晴子)みかん咲く泣きたきときの決まり歌(ななさと紅緒)湧水の町をちこちに著莪の花(中野 千秋)若葉寒父と児山へいったきり(鬼形 瑞枝)蔦屋書店の扉開閉風五月(鈴木由里子)埋み門跡を埋めて花は葉に(稲葉 京閑)顔知らぬ母の絣やつばめ来る(ななさと紅緒)互選7票女見るをんなの視線蛇苺(星野 裕子)6票力抜く力のありて実梅落つ(木暮陶句郎)5票罪と思はぬことの罪薔薇を伐る(木暮陶句郎)4票句読点のやうな島々夏霞(星野 裕子)更衣君に見せたる力こぶ(木暮陶句郎)3票渡されし赤子の重さ柏餅(中野 千秋)天辺の風を捉へて鯉幟(清水 檀)引出しに昭和の服よ更衣(星野 裕子)静よりも動を好みて夏座敷(鈴木由里子)筍の届き俄に忙しく(岩佐 晴子)シーサーは海に吠えけり青嵐(木暮陶句郎)2票ここでしか生きられなくてあめんばう(中野 千秋)風薫る聖母を真似て青い服(中野 千秋)湧水の町をちこちに著莪の花(中野 千秋)石段を駆け登りゆく若葉風(阿部ひで希)今度こそことはるつもり燕くる(鬼形 瑞枝)たはむれの煙草に咽せてサングラス(ななさと紅緒)顔知らぬ母の絣やつばめ来る(ななさと紅緒)1票恋愛と投資は似てるアマリリス(中野 千秋)姫女苑群れて可愛く揺れにけり(清水 檀)そら豆を茹でてそら色なお青く(髙橋千登世)春蝉や余白大事に書く色紙(星野 裕子)牡丹切る空の青さを切り取りて(星野 裕子)五月雨の雨脚を呑む濠の鯉(稲葉 京閑)走り梅雨くぐる暖簾は古裂屋(里村 閑)テーブルも椅子も白なり薔薇の中(岩佐 晴子)学食の大盛りラーメン柿若葉(ななさと紅緒)みかん咲く泣きたきときの決まり歌(ななさと紅緒)すぐ乾く新樹の径の手水かな(杉山 加織)思考捨て思想も捨てて更衣(杉山 加織)

平成30年4月 月例インターネット句会 Vol.74結果発表

木暮陶句郎 選◎特選 7句春の闇匂はせ少年帰りきぬ(里村 閑)湘南の波もて遊ぶ春疾風(稲葉 京閑)組まれたる脚の長さや風光る(里村 閑)明日また遊ぶ指切り春夕焼(星野 裕子)行春や記憶途切れし母と居て(安部じゅん) ふらここや背中に妣の手の記憶(岩佐 晴子)春の雲ひとりの旅は家出めく(ななさと紅緒) 〇入選 24句 遅桜子は父に似て母に似て(鈴木由里子)春暁や猫背となりて乗る始発(稲葉 京閑)来し方のあれもこれもや月朧(岩佐 晴子)旅立ちのハグもありけり遍路宿(鈴木由里子)すぐ集ふ母と姉妹や桜餅(ななさと紅緒)春の闇透かしてゆきぬギムレット(杉山 加織)江ノ電の混む日曜の麗けし(稲葉 京閑)しやぼん玉人は傷つき易きもの(中野 千秋)春光やブナの素肌のときめいて(安部じゅん)花こぶしさいごの花もとびたちぬ(里村 閑)軒下に母子のけはひや乙鳥(石川 祐司)新しい自分になれる四月かな(岩佐 晴子)たんぽぽや歩きはじめの一歩二歩(ななさと紅緒)小説の続きを思ふ春愁(中野 千秋)人差し指だけで弾く曲夕永し(ななさと紅緒)臈長けし女人のごとき夕桜(清水 檀)枝垂れては良き風おこす朝桜(堤 かがり)囀や人のまばらのテラスにも(杉山 加織)蘖や根の生き続く大銀杏(稲葉 京閑)何よりもやさしい黄色花菜畑(星野 裕子)真白なる雲の深さに蝌蚪の国(里村 閑)天気予報どおりの晴れや花杏(鈴木由里子)渓谷のしぶき激しき濃山吹(堤 かがり)麗かや父のニットのピンク色(杉山 加織)互選6票明日また遊ぶ指切り春夕焼(星野 裕子)4票春の闇匂はせ少年帰りきぬ(里村 閑)3票ささやきの聞こえる小径花あしび (清水 檀)きのふなくけふなくあすとなく落花(星野 裕子)しやぼん玉人は傷つき易きもの (中野 千秋)遅桜子は父に似て母に似て(鈴木由里子)乗り捨ての自転車ひとつ草朧(木暮陶句郎)落つものに恋と眠りと花椿(木暮陶句郎)2票ユトリロの街角朧ひたひたと(星野 裕子)何よりもやさしい黄色花菜畑(星野 裕子)組まれたる脚の長さや風光る(里村 閑)花こぶしさいごの花もとびたちぬ (里村 閑)嫁ぐとは泥むことなり春の月 (鈴木由里子)春燈のともれば闇の始まりぬ(堤 かがり)たんぽぽや歩きはじめの一歩二歩(ななさと紅緒)人差し指だけで弾く曲夕永し(ななさと紅緒)春の雲ひとりの旅は家出めく(ななさと紅緒)花冷の胸の奥には届かざる(杉山 加織)1票春暁や猫背となりて乗る始発(稲葉 京閑)湘南の波もて遊ぶ春疾風(稲葉 京閑)紅梅を見てより白梅より白し (清水 檀)ひとひらを句帳に栞る花の苑(清水 檀)風光るテニスコートに声高し(髙橋千登世)豊潤な春よロイヤルミルクティ(中野 千秋)行春や記憶途切れし母と居て(安部じゅん)幾歳も座してしびれぬ雛かな(石川 祐司)ふらここや背中に妣の手の記憶(岩佐 晴子)旅立ちのハグもありけり遍路宿(鈴木由里子)枝垂れては良き風おこす朝桜(堤 かがり)すぐ集ふ母と姉妹や桜餅(ななさと紅緒)茎立や美人ぞろひの三姉妹(ななさと紅緒)春風やショートヘアーも似合ふ君(木暮陶句郎)紫は目を洗ふ色諸葛菜(木暮陶句郎)春の闇透かしてゆきぬギムレット(杉山 加織)囀や人のまばらのテラスにも(杉山 加織)

平成30年3月 月例インターネット句会 Vol.73結果発表

木暮陶句郎 選◎特選 7句故郷に坂道多し春の雨(鈴木由里子)春雨や茶碗に心地よき歪み(中野 千秋)空も海もわたしも溶けて春霞(中野 千秋)桃の花大和の国の乙女たち(星野 裕子)春の風邪試着室より始まりぬ(ななさと紅緒)水温むテラスにペンの忘れ物(杉山 加織)地球儀を旅する指よ春の雨(鈴木由里子)〇入選 30句 消しゴムのいちごのにほひ春灯(ななさと紅緒)紙吹雪切る二年生卒業日(鈴木由里子)春光や前へ前へと鳩の首(星野 裕子)姉妹揃えば楽し雛の家(髙橋千登世)絵になるとカメラ向けられ山笑ふ(堤 かがり)朝練の靴音迅き木の芽道(石川 祐司)十年の弁当づくり卒業す(ななさと紅緒)木の芽風心移ろいやすきひと(杉山 加織)旅鞄詰めし思ひ出城下町(清水 檀)春水を縫ひゆく大鯉のちから(星野 裕子)丘陵は弥生居住区草青む(稲葉 京閑)啓蟄の光やはらかガラス拭き(岩佐 晴子)つつかれて雲高くゆく木の芽かな(里村 閑)無口なる子からのメール卒業す(ななさと紅緒)物陰に残る薄氷へと日射(稲葉 京閑)微睡みの夢いつぱいの花菜畑(清水 檀)振り向けば手袋ひろひくれし人(石川 祐司)紅に恥じらひ少し牡丹の芽(稲葉 京閑)風光る父と息子のバトンタッチ(鬼形 瑞枝)春コート羽織りて軽しこの一歩(清水 檀)七日後の恋は盲目鳥帰る(鈴木由里子)チューリップ可愛く年を重ねやう(中野 千秋)五本指靴下履いて春めきぬ(安部じゅん)菜の花の丘ひとつ越え海に出る(清水 檀)春嵐女神も時にヒステリー(岩佐 晴子)福寿草家族単位で地に根ざす(安部じゅん)大橋の修理始まるあたたかき(堤 かがり)駆けだして起こす春風恋初(里村 閑)啓蟄やほろろこぼるる鳩サブレ(ななさと紅緒)洋館の小さき玻璃戸楓の芽(杉山 加織)互選5票地球儀を旅する指よ春の雨(鈴木由里子)4票春雨や茶碗に心地よき歪み(中野 千秋)十年の弁当づくり卒業す(ななさと紅緒)無口なる子からのメール卒業す(ななさと紅緒)目鼻なき紙のひひなにある愁ひ(木暮陶句郎)3票故郷に坂道多し春の雨(鈴木由里子)春星や見えぬがよろし子の暮し(中野 千秋)春光や前へ前へと鳩の首(星野 裕子)消しゴムのいちごのにほひ春灯 (ななさと紅緒)2票一歩二歩三歩あゆんで梅日和 (鬼形 瑞枝)対岸に遊ぶ母子や水温む(木暮陶句郎)秘め事を言つてしまひて山笑ふ(杉山 加織)自由にもルールのありて涅槃西風 (杉山 加織)1票ものの芽の包む雫や今朝の雨(清水 檀)春コート羽織りて軽しこの一歩(清水 檀)空も海もわたしも溶けて春霞(中野 千秋)桃の花大和の国の乙女たち(星野 裕子)花辛夷空てつぺんを弾きたる(星野 裕子)大空に声置いてくる雲雀東風(星野 裕子)朝練の靴音迅き木の芽道(石川 祐司)三姉妹揃へば楽し雛の家(髙橋千登世)紅椿揺らして躙口へ風(稲葉 京閑)丘陵は弥生居住区草青む(稲葉 京閑)目貼り剥ぐハイとイイエをはっきりと(鬼形 瑞枝)風光る父と息子のバトンタッチ(鬼形 瑞枝)軒下を行つたり来たり初音聞く(鬼形 瑞枝)沢庵の皺増えるごと春めけり(安部じゅん)福寿草家族単位で地に根ざす(安部じゅん)春燈にぬつと顔出す牛舎かな(堤 かがり)波の描く線のなまめく春の浜(里村 閑)おほいくさ終へて親子の朝寝かな(里村 閑)里びとへ里なきひとへ春の雲(里村 閑)窯小屋にくすぶる火の香木の芽雨(木暮陶句郎)卓の上に桜湯といふほのあかり(木暮陶句郎)水温むテラスにペンの忘れ物(杉山 加織)洋館の小さき玻璃戸楓の芽(杉山 加織)

平成30年2月 月例インターネット句会 Vol.72結果発表

木暮陶句郎 選◎特選 7句冬籠色鉛筆は12色(髙橋千登世)蒼天を源流として雪解川(星野 裕子)風花の中で言葉を見失ふ(星野 裕子)心電図スキツプをして冴返る(堤 かがり)かをり立つ泡にみがかれ春の皿(里村 閑)疵あとの光るレコード春の雪(ななさと紅緒)春寒や母のメールの丁寧語(杉山 加織)〇入選 21句 薄氷や夕べの秘密はや融けて(清水 檀)横町にフレンチの店風光る (中野 千秋)絵踏する割り切るといふ選択も(堤 かがり)方形の大屋根光る雪解水(水上 一葉)啓蟄や水車は森の大時計(ななさと紅緒)光満ち雪解しづくの連打かな(清水 檀)二ん月の水辺のカフェに待ち合す(中野 千秋)糠床のほのかに匂ひ春浅し(堤 かがり)雪解の森に鳥語のさんざめく(杉山 加織)鍵盤に跳る指先春の詩(清水 檀)真つ先に春だと騒ぎ出す木立(稲葉 京閑)海の音ばかり二月の水族館(鈴木由里子)花柄の軍手長靴山笑ふ(中野 千秋)お土産は嬬恋キャベツ春キャベツ(岩佐 晴子)鉄鍋に春菊の香や夕餉待つ(水上 一葉)風光る農学校の朝の市(ななさと紅緒)小箱よりビタミンサプリ山笑ふ(鈴木由里子)待春の観音の丘に背伸びせり(清水 檀)春夕焼まだもう少し持ち時間(中野 千秋)命あるものの足跡残る雪(星野 裕子)春愁や眼鏡が鍵がケータイが(岩佐 晴子)互選6票窯変の中のくれなゐ寒明くる(木暮陶句郎)5票花柄の軍手長靴山笑ふ(中野 千秋)4票星々の光とじこめ軒氷柱 (椎名 桂秀)疵あとの光るレコード春の雪(ななさと紅緒)夜は星を噛む薄氷となりにけり(木暮陶句郎)3票蒼天を源流として雪解川 (星野 裕子)啓蟄や水車は森の大時計(ななさと紅緒)風光る農学校の朝の市 (ななさと紅緒)をんなの手濡れて乾いて針供養(木暮陶句郎)2票薄氷や夕べの秘密はや融けて (清水 檀)寒明けのカフェより望む船着場 (中野 千秋)風花の中で言葉を見失ふ(星野 裕子)春めくや湯治場響く黒電話(鈴木由里子)海の音ばかり二月の水族館(鈴木由里子)春寒や母のメールの丁寧語 (杉山 加織)1票薄き色持てる二月の木立かな (稲葉 京閑)望月の皆既に透ける寒の闇(稲葉 京閑)冬籠色鉛筆は12色 (髙橋千登世)恋猫の足ひきづりて朝帰り(髙橋千登世)命あるものの足跡残る雪(星野 裕子)絵踏する割り切るといふ選択も (堤 かがり)糠床のほのかに匂ひ春浅し(堤 かがり)お土産は嬬恋キャベツ春キャベツ (岩佐 晴子)日の当たる岸辺を去らず寒の鯉 (椎名 桂秀)方形の大屋根光る雪解水(水上 一葉)妹の指を借る九九春炬燵(ななさと紅緒)濁らずに育つ決意や薄氷(杉山 加織)いぬふぐり秘密ぼそぼそ打ち明けて(杉山 加織)

平成30年1月 月例インターネット句会 Vol.71結果発表

木暮陶句郎 選◎特選 7句一つづつ星をしりぞけ初明り(椎名 桂秀)冬銀河もう打つことのなきメール(星野 裕子)初風やバランスの良き一輪車(堤 かがり)連山の透けゆく蒼き寒日和(杉山 加織)かげりなき寒天翳りふかき町(里村 閑)寒紅や掌に収まりしほどの嘘(杉山 加織)オリオンの矢に射られたきハートかな(星野 裕子)〇入選 30句 穏やかに市井動きて初浅間(清水 檀)初句会俳句手帳の一ページ(星野 裕子)鎌倉へ暴れに来り空つ風(里村 閑)冬木の芽みんな優しき眼もち(はたのとしはる)一瞬に裸木にして風の去る(岩佐 晴子)文鎮をハの字に使ひ筆始(堤 かがり)寒林に留まる入り日ある余生(中野 千秋)この街を睥睨している初鴉(水上 一葉)寒の雨ギター高音のエクスタシー(鈴木 由里子)上品にごまめ食するペルシャ猫(稲葉 京閑)毛糸編む切り良き所までの黙(岩佐 晴子)耳たぶの痛くなるまで冬銀河(椎名 桂秀)年玉の袋入れたる袋かな(堤 かがり)食積の横文字ばかり並びをり(杉山 加織)青空に掛け声ぶつけ出初式(星野 裕子)新品のトラクターなり冬の晴れ(鬼形 瑞枝)わが恋のいつも初恋冬桜(里村 閑)日の当たる方へ方へと枯蟷螂(ななさと紅緒)日短闇を分け入る山のバス(岩佐 晴子)をみな其の膝を揃へし女正月(鈴木 由里子)除雪車の通った後の始末かな(髙橋 千登世)入魂のパスタに割つて寒卵(石川 祐司)挟みなほす半券二枚日記果つ(ななさと紅緒)淑気満つ二礼二拍手一礼に(はたのとしはる)また別れ一つ重ねて冬銀河(椎名 桂秀)初風呂や十指をしかと握りしむ(ななさと紅緒)初鏡あいも変らぬ無精髭(はたのとしはる)ヴィーナスになりたる魔女の初湯かな(岩佐 晴子)初場所や和服の多き桟敷席(堤 かがり)寒椿挿して艶めく陶の壺(中野 千秋)互選8票一つづつ星をしりぞけ初明り(椎名 桂秀)6票暖炉の火オンザロックに閉ぢ込めて(木暮陶句郎)5票まぶたなき人形のゐる寒さかな(中野 千秋)4票冬ぬくしへの字つの字の花林糖(ななさと紅緒)街の灯のとどかぬ湖畔冬銀河 (椎名 桂秀)3票冬銀河もう打つことのなきメール(星野 裕子)いつせいに放つ白息縄電車 (ななさと紅緒)毛糸編む切り良き所までの黙(岩佐 晴子)耳たぶの痛くなるまで冬銀河(椎名 桂秀)雪原に途切れし跡のある不思議(堤 かがり)寒鯉や水面下てふ別世界(杉山 加織)寒紅や掌に収まりしほどの嘘(杉山 加織)手の中の古唐津盃といふ淑気(木暮 陶句郎)2票大股で袖翻す春著の娘(清水 檀)欠礼と決めて七年目の賀状(稲葉 京閑)青空に掛け声ぶつけ出初式(星野 裕子)オリオンの矢に射られたきハートかな(星野 裕子)かげりなき寒天翳りふかき町(里村 閑)ヴィーナスになりたる魔女の初湯かな(岩佐 晴子)寒林に留まる入り日ある余生(中野 千秋)もの云はず針を進めて日脚伸ぶ(中野 千秋)連山の透けゆく蒼き寒日和 (杉山 加織)大利根は四温の綺羅を流しけり(木暮 陶句郎)寒卵割ればひかりを曳いて落つ(木暮 陶句郎) 1票戌年の犬誇らしく初散歩(清水 檀)瓦斯の火のスイッチかちと寒に入る(星野 裕子)死ぬときまでとつとく言葉初御空(鬼形 瑞枝)冬浅しなにももてない大きい手(鬼形 瑞枝)入魂のパスタに割つて寒卵(石川 祐司)わが恋のいつも初恋冬桜(里村 閑) 大くさめ老母ぴくりと痙攣す(安部じゅん)冬木の芽みんな優しき眼もち(はたのとしはる)青春の都の西北おでん酒(はたのとしはる)初鏡あいも変らぬ無精髭(はたのとしはる)日短闇を分け入る山のバス(岩佐 晴子)氷柱消ゆ滴る涙輝かせ(岩佐 晴子)文鎮をハの字に使ひ筆始(堤 かがり)寒椿挿して艶めく陶の壺 (中野 千秋)春近しブーケに顔を埋めたる(杉山 加織)

平成29年12月 月例インターネット句会 Vol.70結果発表

木暮陶句郎 選◎特選 8句モナリザの手に動かざる冬の蝿(星野 裕子)冬夕焼ぶだう畑の急斜面(中野 千秋)一本が広げる世界毛糸編む(岩佐 晴子)春星忌かくんと閉ぢし貝の口(星野 裕子)寒風や生きる実感頬にあり(岩佐 晴子)一匙の砂糖下さい冬銀河(鈴木由里子)坂道を漕ぎて少年息白し(安部じゅん)テレピンの匂ふアトリエ冬薔薇(鈴木由里子)〇入選 25句 静けさに淋しさ重ね夜半の雪(星野 裕子)凍結の大地を走り根が抱く(稲葉 京閑)ワイナリーその奥はカフェ山眠る(中野 千秋)数へ日の投資話の頓挫して(杉山 加織)前向きに生きる一日や小六月(清水 檀)出航の笑顔弾ける小春かな(稲葉 京閑)手水鉢秘密閉じ込め初氷(岩佐 晴子)力なき日を支へをり枯木立(椎名 桂秀)待つ日々は幸せの日々冬木の芽(はたのとしはる)奥信濃朝日に霜を解きにけり(清水 檀)冬の蝶ピカソの青の中に消ゆ(星野 裕子)解き放つ繋留ロープ波止小春(稲葉 京閑)冬晴やビルを映してビルの窓(中野 千秋)悪者のみな死ぬ噺きつね啼く(ななさと紅緒)本能に遊ぶ子どもよ雪催い(鈴木由里子)じやんけんぽんおしくらまんじゆうふゆぎのめ(はたのとしはる)写実画の色彩暗き十二月(稲葉 京閑)白妙の雪に眠るやブナの森(安部じゅん)年忘れ今さら聞けぬ名前かな(ななさと紅緒)石投げて硬き音する冬の川(堤 かがり)息白く湯町の星と語りつつ(杉山 加織)冬晴や五十二階のティールーム(中野 千秋)イヤリング赤き片方雪の道(岩佐 晴子)廃坑に屹然と立つ大冬木(椎名 桂秀)ほろ酔ひて夢路に遊ぶ膝毛布(はたのとしはる)互選5票モナリザの手に動かざる冬の蝿(星野 裕子)画材屋の古きレジなり冬薔薇(鈴木由里子)4票冬芽みな祈りの形崩さざる(木暮陶句郎)3票ワイナリーその奥はカフェ山眠る(中野 千秋)冬晴やビルを映してビルの窓(中野 千秋)紙漉の水の一瞬怒涛めく(木暮陶句郎)初雪や靴跡罪のごとくある(木暮陶句郎)2票春星忌かくんと閉ぢし貝の口(星野 裕子)手水鉢秘密閉じ込め初氷(岩佐 晴子)いつせいに電飾ともる五時師走(椎名 桂秀)力なき日を支へをり枯木立(椎名 桂秀)一匙の砂糖下さい冬銀河(鈴木由里子)待つ日々は幸せの日々冬木の芽(はたのとしはる)眉月の切つ先尖る霜の夜(木暮陶句郎)ポインセチア胸を焦がせる人と居て(杉山 加織)1票前向きに生きる一日や小六月(清水 檀)冬の蝶ピカソの青の中に消ゆ(星野 裕子)半眼の仏の黙や年詰まる(稲葉 京閑)冬夕焼ぶだう畑の急斜面(中野 千秋)大奥のあたり冬日のあつまれり(中野 千秋)冬晴や五十二階のティールーム(中野 千秋)梟や芝居小屋ある祖父の家(安部じゅん)悪者のみな死ぬ噺きつね啼く(ななさと紅緒)くノ一のやうな嫁なり煤払(ななさと紅緒)北風やらんぷのやうに日のゆれて(里村 閑)サイレントナイトひとつ狐火うごきだす(里村 閑)眉月を引つかけている大枯木(椎名 桂秀)テレピンの匂ふアトリエ冬薔薇(鈴木由里子)十まではかぞへられます柚湯かな(堤 かがり)白菜のヒップずらりと姸競ふ(はたのとしはる)ほろ酔ひて夢路に遊ぶ膝毛布(はたのとしはる)窯出しの小さき残り火月冴ゆる(杉山 加織)

平成29年11月 月例インターネット句会 Vol.69結果発表

木暮陶句郎 選◎特選 7句狐火を誰も気づかず六本木(里村 閑)マスクして何でも言つてしまひそう(中野 千秋)漱石忌一灯ともす書斎かな(星野 裕子)さりさりと鉛筆削る夜寒かな(ななさと紅緒)木の実雨詩人は旅に行つたきり(中野 千秋)林檎もぐ少年の空揺れやすし(星野 裕子)まだ夢の途中下車なり冬銀河(星野 裕子)〇入選 22句 冬林檎置いて詩人の部屋らしく(中野 千秋)未来へと委ねる命木の実落つ(清水 檀)神無月バウムクーヘン芯は空(安部じゅん)空き箱にたまるリボンや小鳥くる(ななさと紅緒)落日に色うつりゆく芒原(椎名 桂秀)不器用は吾だけで無く冬菫(鈴木由里子) ビル群のなかに城壁冬ぬくし(中野 千秋)立冬の祈祷に受ける火伏札(稲葉 京閑)せんべいに百人一首秋深し(鬼形 瑞枝)神の旅積読の山くづれけり(ななさと紅緒)枝折り戸に続く飛び石石蕗明かり(清水 檀)廃宿の壁に広がる蔦紅葉(髙橋千登世)舞台終了十一月の雨やさし(安部じゅん)冬の山重ねて描くシルエット(水上 一葉)過去ひかる冬のにほひを吸ひ込めば(杉山 加織)十年分のほこり重たし冬銀河(鬼形 瑞枝)分け入れば浮力生まれるる芒原(椎名 桂秀)美辞麗句云わぬ家風や烏瓜(鈴木由里子)鍋蓋の漏らすため息神の留守(杉山 加織)マティーニに浮かんで溶けて冬灯(中野 千秋)ゆりかもめ浮くといふより弾かれて(里村 閑)偶然といふ必然や神渡(杉山 加織)互選6票林檎もぐ少年の空揺れやすし(星野 裕子)5票冬林檎置いて詩人の部屋らしく(中野 千秋)空き箱にたまるリボンや小鳥くる(ななさと紅緒)解体の重機の爪や冬ざるる(木暮陶句郎)4票木の実雨詩人は旅に行つたきり(中野 千秋)マティーニに浮かんで溶けて冬灯(中野 千秋)冬もみぢ光の底を歩みけり(星野 裕子)まだ夢の途中下車なり冬銀河(星野 裕子)3票マスクして何でも言つてしまひそう(中野 千秋)時刻む音はもう過去冬立ちぬ(稲葉 京閑)さりさりと鉛筆削る夜寒かな(ななさと紅緒)銀杏散る影とぶつかる音立てて(木暮陶句郎)2票頂きし葉付き大根もてあまし(岩佐 晴子)狐火を誰も気づかず六本木(里村 閑)落日に色うつりゆく芒原(椎名 桂秀)分け入れば浮力生まれるる芒原(椎名 桂秀)白鳥を見に行く野良の無き日には(鈴木由里子)初霜や命あるもの膨らみて(杉山 加織)過去ひかる冬のにほひを吸ひ込めば(杉山 加織)1票立冬の祈祷に受ける火伏札(稲葉 京閑)未来へと委ねる命木の実落つ(清水 檀)枝折り戸に続く飛び石石蕗明かり(清水 檀)食ひしばる事も人生冬薔薇(清水 檀)廃宿の壁に広がる蔦紅葉(髙橋千登世)自刃せし十六七歳ちちろ虫(鬼形 瑞枝)ゆりかもめ浮くといふより弾かれて(里村 閑)立冬や明日迎へる誕生日(水上 一葉)たわわなる枝を残して柿落葉(堤 かがり)みほとりの皆いとほしく冬に入る(ななさと紅緒)還暦の自転車二台小春凪(ななさと紅緒)芒野を走り抜けゆく銀の風(椎名 桂秀)美辞麗句云わぬ家風や烏瓜(鈴木由里子)身のどこか引き締まる音冬来る(杉山 加織)鍋蓋の漏らすため息神の留守(杉山 加織)偶然といふ必然や神渡(杉山 加織)

平成29年10月 月例インターネット句会 Vol.68結果発表

木暮陶句郎 選◎特選 6句ページ繰る指に寄り添ふ秋の声(杉山 加織)命あるやうに転びて式部の実(清水 檀)流されて透けゆく雲や天高し(堤 かがり)赤福の金の看板天高し(中野 千秋)名月や微かな電子音を聴く(稲葉 京閑)鰯雲いつか離れていく子らも(椎名 桂秀)〇入選 27句 居酒屋のメニュー変はりて深む秋(星野 裕子)萩散るやその一瞬を生き続け(稲葉 京閑)秋薔薇けだるく甘い午後のこと(中野 千秋)小鳥くる本の四隅に子の歯形(ななさと紅緒)大楠は樹齢千年天高し(岩佐 晴子)風生まれ芒の原の胎動す(椎名 桂秀)言葉にはならず眼裏初紅葉(清水 檀)虫時雨星空までも届きさう(星野 裕子)屋根の猫尾を満月に伸ばしたり(鈴木由里子) 仲秋の月に近づく飛機の影(稲葉 京閑)少年少女の声まつすぐに愛の羽根(ななさと紅緒)たてがみののごとくに靡く芒原(椎名 桂秀)蕎麦すする最果ての駅雁渡し(ななさと紅緒)身に入むや薬缶の水の沸けるまで(鈴木由里子)閉ぢ込めし想ひよ石榴割れないで(星野 裕子)月の友あまた集ふや城今宵(はたのとしはる)古民家の玻璃にゆがみし月ひとつ(椎名 桂秀)秋の空こんなに明るくて静か(星野 裕子)風のなき夜の深さを虫時雨(星野 裕子)十六夜やサイドミラーになほす紅(ななさと紅緒)秋晴や天使の羽根を描く空(杉山 加織)吹き出され籾殻の山豊の秋(岩佐 晴子)山葡萄父の愛には気づかずに(鈴木由里子)木犀や回り終はりし回覧板(稲葉 京閑)句敵の面々揃ふ観月会(はたのとしはる)初紅葉触れれば毀れさうな空(杉山 加織)ジーンズの蹴る空き缶や秋の声(鈴木由里子)互選7票ページ繰る指に寄り添ふ秋の声 (杉山 加織)4票卓の灯をまた散らかして落花生(木暮陶句郎)過去ばかり耀く午後や金木犀(木暮陶句郎)3票隙間より地球広ごる松手入(清水 檀)赤福の金の看板天高し(中野 千秋)少年少女の声まつすぐに愛の羽根(ななさと紅緒)山葡萄父の愛には気づかずに(鈴木由里子)秋風や少し痩せたる膝頭(木暮陶句郎)想ひとは終りなきもの秋時雨(杉山 加織)2票外に出れば虫の音わつと取り囲む(清水 檀)虫時雨星空までも届きさう(星野 裕子)閉ぢ込めし想ひよ石榴割れないで(星野 裕子)秋の空こんなに明るくて静か(星野 裕子)萩散るやその一瞬を生き続け(稲葉 京閑)長き夜や空気のごとく妻のゐて(はたのとしはる)けふのこと明日のことなど長き夜(はたのとしはる)一枚づつ風の剝ぎゆく愁思かな(里村 閑)眠る子の乳を離さざる良夜かな(里村 閑)風生まれ芒の原の胎動す(椎名 桂秀)林檎食む怪しき蜜の匂して(堤 かがり)コスモスの彩の触れ合ふ無音界(木暮陶句郎)1票木犀に誘われて行く廻り道(髙橋千登世)帰りてもだあれもいない蜜柑食ぶ(髙橋千登世)命あるやうに転びて式部の実(清水 檀)名月や微かな電子音を聴く(稲葉 京閑)句敵の面々揃ふ観月会(はたのとしはる)街へ散る空港バスの良夜かな(里村 閑)小鳥くる本の四隅に子の歯形(ななさと紅緒)大楠は樹齢千年天高し(岩佐 晴子)都をば遠しと思ふ鹿の声(岩佐 晴子)天空の我が家となりぬ朝の霧(岩佐 晴子)古民家の玻璃にゆがみし月ひとつ(椎名 桂秀)たてがみののごとくに靡く芒原(椎名 桂秀)天高し愛の言葉を叫びけり(堤 かがり)流されて透けゆく雲や天高し(堤 かがり)独り居て武士は食はずに過ぐ夜寒(安部じゅん)屋根の猫尾を満月に伸ばしたり(鈴木由里子)雨音の消しゆく今日やそぞろ寒(木暮陶句郎)初紅葉触れれば毀れさうな空(杉山 加織)

平成29年9月 月例インターネット句会 Vol.67結果発表

木暮陶句郎 選◎特選 6句秋の夜の眠りは水に浮く如し(星野 裕子) 露けしや釣人の踏む谷の道(堤 かがり)山巓を浮かべ朝霧立ちにけり(清水 檀)野の花のさざめきつきぬ無月かな(ななさと紅緒)秋灯や白き心を文にして(堤 かがり)秋冷のランプシェードの透ける青(堤 かがり)〇入選 24句 千曲川信濃川へと秋の雲(中野 千秋)ばあちやんの茶筅捌きや吾亦紅(安部じゅん)コスモスの平和なふりの平和かな(ななさと紅緒)花野より帰りて少し若返る(中野 千秋)あるがまま委ねし風やねこじやらし(清水 檀)萩こぼれ生きてる限り満たされず(中野 千秋)秋彼岸まだ足生えぬ蝌蚪五匹(安部じゅん)はんなりと匂ふ言の葉萩の宿(中野 千秋)ネービーのラメ入りネイル天の川(星野 裕子)ひよんの笛吹くやミューズを呼ぶやうに(ななさと紅緒)死ぬるまで貫く秘密曼珠沙華(中野 千秋)無花果に真白き涙真白き血(岩佐 晴子)うどん吹く音は四角に夜食かな(堤 かがり)帰りけり夢二が里の秋連れて(里村 閑)俳句にも倦怠期あり秋暑し(岩佐 晴子)木道の風は花野の鼓動なる(稲葉 京閑)海に出て帰らぬものに秋の蝶(星野 裕子)太陽に恋する雲や秋夕焼(岩佐 晴子)幾度もしたる懺悔や稲光(はたの としはる)ちちろ鳴く手紙のやうに書く日記(ななさと紅緒)月光を急ぐ夜会のシンデレラ(鈴木由里子)朝霧の約束果たされぬままに(杉山 加織)闇といふ闇を打ち付けたる野分(杉山 加織)新涼や社の形の投句箱(杉山 加織)互選6票ちちろ鳴く手紙のやうに書く日記(ななさと紅緒)5票坂ごとに名のある湯町霧月夜(木暮陶句郎)4票花野より帰りて少し若返る(中野 千秋)秋の夜の眠りは水に浮く如し(星野 裕子)帰りけり夢二が里の秋連れて(里村 閑)秋冷のランプシェードの透ける青(堤 かがり)松虫草人声に透け風に透け(木暮陶句郎)3票死ぬるまで貫く秘密曼珠沙華(中野 千秋)気まぐれな空よ榛名の霧が飛ぶ(稲葉 京閑)木道の風は花野の鼓動なる(稲葉 京閑)2票あるがまま委ねし風やねこじやらし(清水 檀)秋灯や白き心を文にして(堤 かがり)ひよんの笛吹くやミューズを呼ぶやうに(ななさと紅緒)睦み合ふ色鳥いろを重ねつつ(木暮陶句郎)みづうみの風も葉擦れの音も秋(木暮陶句郎)天婦羅のからりと揚がり涼新た(木暮陶句郎)野分中抱へるものは我が身だけ(杉山 加織)1票千曲川信濃川へと秋の雲(中野 千秋)はんなりと匂ふ言の葉萩の宿(中野 千秋)ミンミンの声遠くなり途絶えたり(髙橋千登世)風の音水の音にも九月かな(髙橋千登世)白髪になってともだち韮の花(鬼形 瑞枝)子いのしし檻の中までまっしぐら(鬼形 瑞枝)余す無き蜻蛉の軌跡山気滿つ(稲葉 京閑)眼差しを遠く遠くへ夢二の忌(稲葉 京閑)海に出て帰らぬものに秋の蝶(星野 裕子)無花果に真白き涙真白き血(岩佐 晴子)ねこ歌ひライオン吼えし長き夜(安部じゅん)秋風の背より鳩尾透きゆけり(里村 閑)この秋やときには海を折りたたむ(里村 閑)露けしや釣人の踏む谷の道(堤 かがり)うどん吹く音は四角に夜食かな(堤 かがり)野の花のさざめきつきぬ無月かな(ななさと紅緒)慣れぬ手で装ふ髪や小望月(鈴木由里子)友達以上恋人未満秋桜(鈴木由里子)赤とんぼ父は生母の顔知らず(はたのとしはる)人生は清貧もよし蛍草(はたのとしはる) 幾度もしたる懺悔や稲光(はたのとしはる)新涼や社の形の投句箱(杉山 加織)