ひろそ火句会.com

記事一覧(149)

令和7年8月 月例インターネット句会 Vol.162

木暮陶句郎 選◎特選 10句地球儀の赤き日本や敗戦日(星野 裕子)風のいろ雲のかたちも秋はじめ(吉田 春代)少年の走る肩先炎天下(中島 圭子)満潮の海ごと西瓜割りにけり(佐々木一栗)盆東風や眼鏡に息を吹きかけて(小須賀正幸)書き出しの同じ言葉となる酷暑(稲葉 京閑) 踊唄やぐらの爺の得意顔(竹俣 修)獣らも誰を待ち侘びましら酒(小須賀正幸)いつもより厚く塗るジャム休暇果つ(木村 佑)終戦日魔法瓶から魔法消え(星野 裕子)○入選 24句さざ波や砂のさらさら秋の夕(永 豪敏)上高地へはしゃぐバス旅夏帽子(下境 洋子)竹の春ひいきの麩屋の代替はる(太田 直史)まづ風が駆け抜けてゆくテントかな(木村 佑)鰯雲掴めさうなりスカイツリー(岩佐 晴子)卵かけごはんの朝餉秋に入る(吉田 春代)いつの間に気の合うてをり温め酒(太田 直史)花火果つ臨時列車のるつぼなる(高橋 菜活)新涼の川の光を高きより(木村 佑)青空の浅間に寄せる稲穂波(竹俣 修)みづうみの青のはかなさ花野の忌(星野 裕子)喜雨来たる水墨画めく朝の空(高橋 菜活)新涼やビエンナーレの美術館(安部 呑歩)水割つて水従へてバタフライ(アンサトウ)秋暑し改札までの地下通路(中島 圭子)盆帰省糠雨に山見えなくて(高橋 菜活)写メールは鬼灯市の子のピース(竹俣 修)声明の涼やかなりし川施餓鬼(渡辺 真澄)身に入むや虚構に過ぎぬ核抑止(太田 直史)それぞれの世界を生きて盂蘭盆会(高橋 菜活)秋めくやゆつくり背筋伸ばしゆく(安部 呑歩)貝殻へ触るる寄せ波星祭(木村 佑)体内のリセットボタン秋の虹(鈴木由里子)新涼の日の斑を踏んでゆくランナー(杉山 加織)互選7点句水打てば路地に生まれる風ひとつ(吉田 春代)6点句いつの間に気の合うてをり温め酒(太田 直史)5点句地球儀の赤き日本や敗戦日(星野 裕子)ちりちりと過去を照らして庭花火(木暮陶句郎)4点句書き出しの同じ言葉となる酷暑(稲葉 京閑)悪女なり水鉄砲を撃つ少女(小暮 蓮生)満潮の海ごと西瓜割りにけり(佐々木一栗)いつもより厚く塗るジャム休暇果つ(木村 佑)新涼の日の斑を踏んでゆくランナー(杉山 加織)3点句花芒野面積みなる一夜城(太田 直史)夕星を数へ花火のあがるまで(高橋 菜活)水割つて水従へてバタフライ(アンサトウ)法師蝉声にひかりを混ぜてゐる(木暮陶句郎)2点句砂浜の海亀誘ふ盆の月(永 豪敏)みづうみの青のはかなさ花野の忌(星野 裕子)子の描く花野必ず太陽が(岩佐 晴子)歳月の重き波寄す終戦日(アンサトウ)秋茜何か話したさうに来る(杉山 加織)1点句ガム噛んで食いしん坊の暑気中(稲葉 京閑)釣り人にレンズを向ける大夕焼(竹俣 修)亡き人も家族の揃ふ迎へ盆(永 豪敏)窓越しに違ふ音色の虫の声(永 豪敏)蝉時雨生き急かされてゐる如く(岩佐 晴子)水を撒くホースの先や日向水(清水 檀)花火果つ闇に残せし薄煙り(清水 檀)立秋や幽かに滲む風の中(清水 檀)海の宿夜濯ぎの音聞こえけり(小暮 蓮生)しとやかに葉を喰む音や秋蚕かな(小須賀正幸)風のいろ雲のかたちも秋はじめ(吉田 春代)卵かけごはんの朝餉秋に入る(吉田 春代)菜園に二日来ぬまのへぼ胡瓜(吉田 春代)少年の走る肩先炎天下(中島 圭子)秋暑し改札までの地下通路(中島 圭子)笛の音の茅の輪くぐりの八の字に(中島 圭子)わざと置くガラスの靴や夏休(佐々木一栗)廃線の煉瓦の橋梁萩の花(太田 直史)花火果つ臨時列車のるつぼなる(高橋 菜活)それぞれの世界を生きて盂蘭盆会(高橋 菜活)翅ひらく夏蝶ロールシャッハめく(アンサトウ)まるごとのメロン幸せ分けませう(アンサトウ)新涼の川の光を高きより(木村 佑)体内のリセットボタン秋の虹(鈴木由里子)君の膝七色にして庭花火(木暮陶句郎)互選結果◎星野裕子 選(10) 悪女なり水鉄砲を撃つ少女(41) 新涼の川の光を高きより(43) 法師蝉声にひかりを混ぜてゐる(59) 花芒野面積みなる一夜城(91) 窓越しに違ふ音色の虫の声◎渡辺真澄 選(2) 釣り人にレンズを向ける大夕焼(38) 花火果つ臨時列車のるつぼなる(47) 砂浜の海亀誘ふ盆の月(67) 書き出しの同じ言葉となる酷暑(101) 笛の音の茅の輪くぐりの八の字に◎小暮蓮生 選(65) ちりちりと過去を照らして庭花火(67) 書き出しの同じ言葉となる酷暑(78) 水打てば路地に生まれる風ひとつ(81) 廃線の煉瓦の橋梁萩の花(85) いつもより厚く塗るジャム休暇果つ◎稲葉京閑 選(14) 満潮の海ごと西瓜割りにけり(40) 歳月の重き波寄す終戦日(65) ちりちりと過去を照らして庭花火(99) しとやかに葉を喰む音や秋蚕かな(108) 体内のリセットボタン秋の虹◎岩佐晴子 選(14) 満潮の海ごと西瓜割りにけり(22) 秋茜何か話したさうに来る(37) いつの間に気の合うてをり温め酒(48) みづうみの青のはかなさ花野の忌(78) 水打てば路地に生まれる風ひとつ◎高橋ちとせ 選(37) いつの間に気の合うてをり温め酒(40) 歳月の重き波寄す終戦日(52) 花火果つ闇に残せし薄煙り(74) 立秋や幽かに滲む風の中(79) 秋暑し改札までの地下通路◎竹俣修 選(25) 亡き人も家族の揃ふ迎へ盆(59) 花芒野面積みなる一夜城(65) ちりちりと過去を照らして庭花火(78) 水打てば路地に生まれる風ひとつ(102) わざと置くガラスの靴や夏休◎鈴木由里子 選(4) 地球儀の赤き日本や敗戦日(13) 少年の走る肩先炎天下(48) みづうみの青のはかなさ花野の忌(85) いつもより厚く塗るジャム休暇果つ(109) 君の膝七色にして庭花火◎永豪敏 選(12) 風のいろ雲のかたちも秋はじめ(16) 夕星を数へ花火のあがるまで(37) いつの間に気の合うてをり温め酒(50) 子の描く花野必ず太陽が(67) 書き出しの同じ言葉となる酷暑◎下境洋子 選(4) 地球儀の赤き日本や敗戦日(10) 悪女なり水鉄砲を撃つ少女(14) 満潮の海ごと西瓜割りにけり(37) いつの間に気の合うてをり温め酒(50) 子の描く花野必ず太陽が◎清水檀 選(4) 地球儀の赤き日本や敗戦日(59) 花芒野面積みなる一夜城(78) 水打てば路地に生まれる風ひとつ(104) それぞれの世界を生きて盂蘭盆会(110) 新涼の日の斑を踏んでゆくランナー◎佐々木一栗 選(16) 夕星を数へ花火のあがるまで(62) 水割つて水従へてバタフライ(65) ちりちりと過去を照らして庭花火(78) 水打てば路地に生まれる風ひとつ(110) 新涼の日の斑を踏んでゆくランナー◎アンサトウ 選(4) 地球儀の赤き日本や敗戦日(10) 悪女なり水鉄砲を撃つ少女(56) 菜園に二日来ぬまのへぼ胡瓜(67) 書き出しの同じ言葉となる酷暑(110) 新涼の日の斑を踏んでゆくランナー◎中島圭子 選 (4) 地球儀の赤き日本や敗戦日(37) いつの間に気の合うてをり温め酒(43) 法師蝉声にひかりを混ぜてゐる(65) ちりちりと過去を照らして庭花火(84) 翅ひらく夏蝶ロールシャッハめく◎木村佑 選(10) 悪女なり水鉄砲を撃つ少女(16) 夕星を数へ花火のあがるまで(43) 法師蝉声にひかりを混ぜてゐる(62) 水割つて水従へてバタフライ(110) 新涼の日の斑を踏んでゆくランナー◎小須賀正幸 選(1) ガム噛んで食いしん坊の暑気中(30) 水を撒くホースの先や日向水(34) 卵かけごはんの朝餉秋に入る(47) 砂浜の海亀誘ふ盆の月(85) いつもより厚く塗るジャム休暇果つ◎高橋菜活 選(22) 秋茜何か話したさうに来る(37) いつの間に気の合うてをり温め酒(62) 水割つて水従へてバタフライ(78) 水打てば路地に生まれる風ひとつ(106) まるごとのメロン幸せ分けませう◎安部呑歩 選(14) 満潮の海ごと西瓜割りにけり(54) 海の宿夜濯ぎの音聞こえけり(72) 蝉時雨生き急かされてゐる如く(78) 水打てば路地に生まれる風ひとつ(85) いつもより厚く塗るジャム休暇果つ◎杉山加織 選(4) 地球儀の赤き日本や敗戦日(43) 法師蝉声にひかりを混ぜてゐる(65) ちりちりと過去を照らして庭花火(85) いつもより厚く塗るジャム休暇果つ(92) 終戦日魔法瓶から魔法消え

令和7年7月 月例インターネット句会 Vol.161

木暮陶句郎 選◎特選 10句ねじればな今更できぬ巻き戻し(星野 裕子)若き日の君の面影ソーダ水(清水 檀)父偲ぶ瓶のビールの苦さかな(小暮 蓮生)球児らの汗の手をもて拭ふ汗(木村 佑)白服の通る出発ゲートかな(稲葉 京閑)夏蝶の光に紛れざる力(木村 佑)とんとんと酒の友来る梅雨の夜(太田 直史)白南風や忘るるといふ治し方(木村 佑)万緑に飛び込んでゆく眩暈かな(鈴木由里子)香水を纏ふもう一人の私(アンサトウ)○入選 26句夏柑のかをりひろがる武家屋敷(永 豪敏)強面も水羊羹を召し上がり(小須賀正幸)麦茶汲む遠き昭和の甦る(岩佐 晴子)濱風のすりぬけてきて夏暖簾(佐々木一栗)叱られて強くなる子よ心太(鈴木由里子)三本の指でピースの半ズボン(高橋 菜活)病葉を掃いてひとりの音の中(星野 裕子)園児らの瞳きらきら七夕会(渡辺 真澄)茗荷の子早く摘んでと背伸びする(吉田 春代)吾の影を真下に踏みて炎天下(佐々木一栗)キャンプの夜渓流の音聴きながら(安部 呑歩)二股にますます勢ふ出水川(杉山 加織)朝まだき郡上踊りの下駄の音(竹俣 修)夏衣彼の世の父の香纏ふ(小暮 蓮生)夏灯金継の猪口撫でながら(高橋 菜活)駒草やここから佳境空青し(堤 かがり)湖風の涼しく山の影崩し(杉山 加織)おだやかな鳩の鳴き声夏の朝(永 豪敏)風蘭やか細く強き友のゐて(岩佐 晴子)うたた寝の天使目覚めし日雷(佐々木一栗)木陰から星の瞬くキャンプ村(安部 呑歩)ドライバーのみのバス過ぐ夏の昼(小暮 蓮生)炎帝の地球征服はじまりぬ(渡辺 真澄)取り敢えず冷房の良く効くカフェへ(稲葉 京閑)輝きて歪みて水の素足かな(木村 佑)星祭澄み切つてゐる友の声(高橋 菜活)互選7点句香水を纏ふもう一人の私(アンサトウ)6点句叱られて強くなる子よ心太(鈴木由里子)小さき花よけて歩荷の登山靴(吉田 春代)5点句白南風や忘るるといふ治し方(木村佑)前の蟻信じて長き蟻の道(木暮陶句郎)4点句若き日の君の面影ソーダ水(清水 檀)子を思ふ遠く花火の光るとき(木村 佑)輝きて歪みて水の素足かな(木村 佑)ソーダ水泣きたい時に聴くサザン(アンサトウ)浜木綿や船の消え入る地平線(堤 かがり)3点句ねじればな今更できぬ巻き戻し(星野 裕子)白服の通る出発ゲートかな(稲葉 京閑)湖風の涼しく山の影崩し(杉山 加織)2点句朝まだき郡上踊りの下駄の音(竹俣 修)復興の七夕飾りのと鉄道(竹俣 修)星砂の小瓶の夏惜しみけり(星野 裕子)夏柑のかをりひろがる武家屋敷(永 豪敏)炎帝の地球征服はじまりぬ(渡辺 真澄)母と子のタンデム自転車夏野行く(太田 直史)グランブルーの陶器触るれば夏の海(中島 圭子)珈琲の甘さ微かに五月闇(中島 圭子)吾の影を真下に踏みて炎天下(佐々木一栗)青葦の静寂に風の渡りゆく(堺 美典)三本の指でピースの半ズボン(高橋 菜活)サイダーの弾け架空の未来都市(木暮陶句郎)1点句紫陽花や寺より遠く海の見ゆ(高橋ちとせ)父偲ぶ瓶のビールの苦さかな(小暮 蓮生)病葉を掃いてひとりの音の中(星野 裕子)海亀の屍にそつと白い砂(永 豪敏)おだやかな鳩の鳴き声夏の朝(永 豪敏)背中からスローモーションの蝉の羽化(下境 洋子)白き蝉産衣着る綠子のやう(下境 洋子)不揃いな歯から零れる焼唐黍(稲葉 京閑)強面も水羊羹を召し上がり(小須賀正幸)半夏生昔懐かしジャズ喫茶(吉田 春代)赤梅に土用太郎の来たりけり(中島 圭子)夜の虚ろ平家蛍のちかちかと(中島 圭子)陽を恋し陽とたはむれてのうぜんか(清水 檀)山暮らし百足が恐い熊もっと(岩佐 晴子)向日葵の屈託のなき笑顔かな(佐々木一栗)キャンプの夜渓流の音聴きながら(安部 呑歩)空蝉や六本足を喰い込ませ(安部 呑歩)木陰から星の瞬くキャンプ村(安部 呑歩)球児らの汗の手をもて拭ふ汗(木村 佑)夏蝶の光に紛れざる力(木村 佑)大西日又と無き日を輝ぬ(鈴木由里子)小遣帳付け始むる子琵琶実る(鈴木由里子)ゆるゆると夢の続きか合歓の花(アンサトウ)夏灯金継の猪口撫でながら(高橋 菜活)駒草やここから佳境空青し(堤 かがり)サファイアの海より青く夏惜しむ(杉山 加織)薫風や詩人の足のすぐ止まる(杉山 加織)着陸態勢両翼に晩夏光(木暮陶句郎)互選結果◎アンサトウ 選(19) 叱られて強くなる子よ心太(56) 白服の通る出発ゲートかな(89) 白南風や忘るるといふ治し方(95) 薫風や詩人の足のすぐ止まる(102) 炎帝の地球征服はじまりぬ◎岩佐晴子 選(4) ねじればな今更できぬ巻き戻し(13) 若き日の君の面影ソーダ水(24) 前の蟻信じて長き蟻の道(77) おだやかな鳩の鳴き声夏の朝(107) 小さき花よけて歩荷の登山靴◎小暮蓮生 選(37) 陽を恋し陽とたはむれてのうぜんか(58) 母と子のタンデム自転車夏野行く(83) 半夏生昔懐かしジャズ喫茶(102) 炎帝の地球征服はじまりぬ(116) 香水を纏ふもう一人の私◎小須賀正幸 選(5) 夏柑のかをりひろがる武家屋敷(23) サファイアの海より青く夏惜しむ(24) 前の蟻信じて長き蟻の道(36) 珈琲の甘さ微かに五月闇(44) ゆるゆると夢の続きか合歓の花◎稲葉京閑 選(19) 叱られて強くなる子よ心太(64) 空蝉や六本足を喰い込ませ(71) 湖風の涼しく山の影崩し(107) 小さき花よけて歩荷の登山靴(116) 香水を纏ふもう一人の私◎竹俣修 選(12) グランブルーの陶器触るれば夏の海(21) 三本の指でピースの半ズボン(56) 白服の通る出発ゲートかな(67) 大西日又と無き日を輝ぬ(100) 星砂の小瓶の夏惜しみけり◎鈴木由里子 選(13) 若き日の君の面影ソーダ水(56) 白服の通る出発ゲートかな(88) 木陰から星の瞬くキャンプ村(89) 白南風や忘るるといふ治し方(116) 香水を纏ふもう一人の私◎堤かがり 選(4) ねじればな今更できぬ巻き戻し(71) 湖風の涼しく山の影崩し(74) 復興の七夕飾りのと鉄道(89) 白南風や忘るるといふ治し方(100) 星砂の小瓶の夏惜しみけり◎木村佑 選(19) 叱られて強くなる子よ心太(48) 着陸態勢両翼に晩夏光(96) サイダーの弾け架空の未来都市(107) 小さき花よけて歩荷の登山靴(116) 香水を纏ふもう一人の私◎永豪敏 選(19) 叱られて強くなる子よ心太(38) 山暮らし百足が恐い熊もっと(39) 吾の影を真下に踏みて炎天下(89) 白南風や忘るるといふ治し方(107) 小さき花よけて歩荷の登山靴◎下境洋子 選(19) 叱られて強くなる子よ心太(50) 朝まだき郡上踊りの下駄の音(91) 小遣帳付け始むる子琵琶実る(92) ソーダ水泣きたい時に聴くサザン(107) 小さき花よけて歩荷の登山靴◎中島圭子 選(17) 子を思ふ遠く花火の光るとき(21) 三本の指でピースの半ズボン(24) 前の蟻信じて長き蟻の道(40) キャンプの夜渓流の音聴きながら(69) 夏灯金継の猪口撫でながら◎星野裕子 選(13) 若き日の君の面影ソーダ水(36) 珈琲の甘さ微かに五月闇(65) 夏蝶の光に紛れざる力(94) 浜木綿や船の消え入る地平線(116) 香水を纏ふもう一人の私◎渡辺真澄 選(17) 子を思ふ遠く花火の光るとき(63) 向日葵の屈託のなき笑顔かな(107) 小さき花よけて歩荷の登山靴(108) 夜の虚ろ平家蛍のちかちかと(113) 輝きて歪みて水の素足かな◎佐々木一栗 選(17) 子を思ふ遠く花火の光るとき(27) 父偲ぶ瓶のビールの苦さかな(71) 湖風の涼しく山の影崩し(113) 輝きて歪みて水の素足かな(116) 香水を纏ふもう一人の私◎堺美典 選(4) ねじればな今更できぬ巻き戻し(28) 病葉を掃いてひとりの音の中(49) 紫陽花や寺より遠く海の見ゆ(94) 浜木綿や船の消え入る地平線(113) 輝きて歪みて水の素足かな◎高橋ちとせ 選(24) 前の蟻信じて長き蟻の道(39) 吾の影を真下に踏みて炎天下(58) 母と子のタンデム自転車夏野行く(74) 復興の七夕飾りのと鉄道(94) 浜木綿や船の消え入る地平線◎清水檀 選(12) グランブルーの陶器触るれば夏の海(33) 白玉のシンプルゆえに口寂し(42) 青葦の静寂に風の渡りゆく(70) 駒草やここから佳境空青し(96) サイダーの弾け架空の未来都市◎吉田春代 選(5) 夏柑のかをりひろがる武家屋敷(13) 若き日の君の面影ソーダ水(17) 子を思ふ遠く花火の光るとき(32) 不揃いな歯から零れる焼唐黍(84) 赤梅に土用太郎の来たりけり◎高橋菜活 選(7) 背中からスローモーションの蝉の羽化(24) 前の蟻信じて長き蟻の道(41) 球児らの汗の手をもて拭ふ汗(92) ソーダ水泣きたい時に聴くサザン(113) 輝きて歪みて水の素足かな◎安部吞歩 選(31) 白き蝉産衣着る綠子のやう(53) 海亀の屍にそつと白い砂(89) 白南風や忘るるといふ治し方(92) ソーダ水泣きたい時に聴くサザン(94) 浜木綿や船の消え入る地平線◎杉山加織 選(19) 叱られて強くなる子よ心太(42) 青葦の静寂に風の渡りゆく(50) 朝まだき郡上踊りの下駄の音(92) ソーダ水泣きたい時に聴くサザン(116) 香水を纏ふもう一人の私

令和7年6月 月例インターネット句会 Vol.160

木暮陶句郎 選◎特選 10句利酒の列に並びて走り梅雨(中島 圭子)園児らに優しき起伏風五月(稲葉 京閑)えごの花きみのわがままなら許す(安部 呑歩)サーファーの走りて波の嬉しさう(木村 佑)滝の音まだ耳にあり山下る(岩佐 晴子)芭蕉玉巻く明日への手紙したためて(アンサトウ)夜更かしやガラスに火蛾の当たる音(稲葉 京閑)人が好きと言ふ人が好き額の花(渡辺 真澄)蝙蝠が夕暮をはみ出してゆく(木村 佑)黒南風や差出人の無き封筒(杉山 加織)○入選 25句昼顔の立ち上がりをる風の道(稲葉 京閑)青梅雨や石段街の射的場(渡辺 真澄)浜ゆでの小海老をつまむ冷し酒(太田 直史)さみだるる歩くと軋む靴の底(堤 かがり)萱草の花のさざなみ吾を包み(高橋 菜活)胸元へ飛び込む勇気夏帽子(鈴木由里子)一艇のヨットのための青さかな(木村 佑)蟬生る山河の光まとひつつ(星野 裕子)雨蛙腹ぷくぷくとぷくぷくと(吉田 春代)鳶が来る代田に茜さす朝(中島 圭子)はや風と遊び始める植田かな(小暮 蓮生)立たされし廊下に映ゆる若葉窓(太田 直史)大海や白靴の砂気にしつつ(堤 かがり)ワンオペの午後の静けさ風薫る(杉山 加織)青空と張り合う森の緑かな(稲葉 京閑)昼寝覚め天井の染み懐かしむ(中島 圭子)夏衣濡れて気持ちも着替えましょう(佐々木一栗)川原へと続く小径の蛇苺(堤 かがり)夏掛の剝がれて夢の途切れたる(杉山 加織)細く引く眉尻歪む虎が雨(中島 圭子)倒木の幹の罅より椎若葉(太田 直史)陶片の泥まみれなる茂みかな(杉山 加織)競泳のゴーグルすれば宇宙人(小暮 蓮生)むかし舟今は飛機飛び花野かな(永 豪敏)ハンカチを振りて華やぐ人となる(堤 かがり)互選6点句胸元へ飛び込む勇気夏帽子(鈴木由里子)5点句人が好きと言ふ人が好き額の花(渡辺 真澄)はや風と遊び始める植田かな(小暮 蓮生)4点句雨の彩離さずにゐる濃あぢさゐ(星野 裕子)蝙蝠が夕暮をはみ出してゆく(木村 佑)窯火守る男は猫背青時雨(木暮陶句郎)黒々と夜を引き摺つて蛇消ゆる(木暮陶句郎)3点句梅雨蝶の森の入口ひらきゆく(杉山 加織)2点句夜更かしやガラスに火蛾の当たる音(稲葉 京閑)蟬生る山河の光まとひつつ(星野 裕子)滴りの一瞬ひかり動きけり(星野 裕子)想ふ人ありてシュワッとソーダ水(渡辺 真澄)紫陽花や雨音軽き訪問者(下境 洋子)銀輪や万緑を抜け光る湖(下境 洋子)虹立つや知らぬ同士が声掛け合うて(岩佐 晴子)浜ゆでの小海老をつまむ冷し酒(太田 直史)サクランボ結び目作る口の中(安部 呑歩)えごの花きみのわがままなら許す(安部 呑歩)朝採りの野菜と卵夏料理(鈴木由里子)幸せな猫の一生栗の花(アンサトウ)父の日のコーヒーを手にそはそはす(木村 佑)黒南風や古古米を吸ふ精米機(木暮陶句郎)雨音に紛れ青柿落ちにけり(木暮陶句郎)黒南風や差出人の無き封筒(杉山 加織)1点句「わっしょい」の泥水かぶる祭足袋(竹俣 修)人の背に白き糞あり燕の子(竹俣 修)立夏の日輝き増して街白し(竹俣 修)昼顔の立ち上がりをる風の道(稲葉 京閑)絵手紙の短き言葉ほととぎす(星野 裕子)常宿の日に何度でも髪洗ひ(小須賀正幸)青梅雨や石段街の射的場(渡辺 真澄)横顔のどこか影持つ花サビタ(渡辺 真澄)またひとつ歳を重ねて濃紫陽花(下境 洋子)今年また気付かぬままに柿の花(清水 檀)闇の色十薬あかり照らし出す(清水 檀)夏の雲さがして見たき空の果(清水 檀)鐘の音や森のチャペルに六月来(清水 檀)匙なめるあの人の癖アイスクリン(吉田 春代)雨蛙腹ぷくぷくとぷくぷくと(吉田 春代)雑草にも分け隔てなく緑雨かな(岩佐 晴子)夏空にドカンと対峙給水塔(岩佐 晴子)二日目のカレーの旨し夏の朝(岩佐 晴子)昼寝覚め天井の染み懐かしむ(中島 圭子)細く引く眉尻歪む虎が雨(中島 圭子)むつ五郎限界飛んで青い空(永 豪敏)焼け仏安置の村や額の花(太田 直史)輝きは刹那のなかに梅雨の月(佐々木一栗)短夜の「JET STREAM」余韻消ゆ(佐々木一栗)やごの羽化選ばれしメタモルフオーゼ(安部 呑歩)互選結果◎星野裕子 選(7) 紫陽花や雨音軽き訪問者(23) 梅雨蝶の森の入口ひらきゆく(68) 黒々と夜を引き摺つて蛇消ゆる(84) 輝きは刹那のなかに梅雨の月(115) 黒南風や差出人の無き封筒◎渡辺真澄 選(14) 浜ゆでの小海老をつまむ冷し酒(35) はや風と遊び始める植田かな(56) 滝の音まだ耳にあり山下る(96) 滴りの一瞬ひかり動きけり(113) 蝙蝠が夕暮をはみ出してゆく◎岩佐晴子 選(1) 「わっしょい」の泥水かぶる祭足袋(54) 夏の雲さがして見たき空の果(57) 昼寝覚め天井の染み懐かしむ(65) 朝採りの野菜と卵夏料理(71) 夜更かしやガラスに火蛾の当たる音◎小暮蓮生 選(19) 胸元へ飛び込む勇気夏帽子(27) 蟬生る山河の光まとひつつ(67) 止めもせず流るる汗を気にもせず(73) 雨の彩離さずにゐる濃あぢさゐ(99) 銀輪や万緑を抜け光る湖◎鈴木由里子 選(9) 匙なめるあの人の癖アイスクリン(39) えごの花きみのわがままなら許す(70) 立夏の日輝き増して街白し(97) 常宿の日に何度でも髪洗ひ(115) 黒南風や差出人の無き封筒◎小須賀正幸 選(8) 今年また気付かぬままに柿の花(64) 孤高とは崖の岩百合保つもの(88) 夜濯の水へロマンス一雫(91) 黒南風や古古米を吸ふ精米機(102) 二日目のカレーの旨し夏の朝◎堤かがり 選(19) 胸元へ飛び込む勇気夏帽子(31) 闇の色十薬あかり照らし出す(73) 雨の彩離さずにゐる濃あぢさゐ(98) 人が好きと言ふ人が好き額の花(114) 雨音に紛れ青柿落ちにけり◎吉田春代 選(19) 胸元へ飛び込む勇気夏帽子(23) 梅雨蝶の森の入口ひらきゆく(43) 幸せな猫の一生栗の花(91) 黒南風や古古米を吸ふ精米機(114) 雨音に紛れ青柿落ちにけり◎中島圭子 選(14) 浜ゆでの小海老をつまむ冷し酒(16) サクランボ結び目作る口の中(22) 窯火守る男は猫背青時雨(29) 横顔のどこか影持つ花サビタ(68) 黒々と夜を引き摺つて蛇消ゆる◎アンサトウ 選(19) 胸元へ飛び込む勇気夏帽子(23) 梅雨蝶の森の入口ひらきゆく(96) 滴りの一瞬ひかり動きけり(98) 人が好きと言ふ人が好き額の花(113) 蝙蝠が夕暮をはみ出してゆく◎永豪敏 選(2) 昼顔の立ち上がりをる風の道(22) 窯火守る男は猫背青時雨(27) 蟬生る山河の光まとひつつ(35) はや風と遊び始める植田かな(76) またひとつ歳を重ねて濃紫陽花◎木村佑 選(4) 絵手紙の短き言葉ほととぎす(22) 窯火守る男は猫背青時雨(73) 雨の彩離さずにゐる濃あぢさゐ(98) 人が好きと言ふ人が好き額の花(109) ハンカチを振りて華やぐ人となる◎下境洋子 選(39) えごの花きみのわがままなら許す(56) 滝の音まだ耳にあり山下る(62) やごの羽化選ばれしメタモルフオーゼ(80) 細く引く眉尻歪む虎が雨(90) 父の日のコーヒーを手にそはそはす◎高橋ちとせ 選(10) 雑草にも分け隔てなく緑雨かな(65) 朝採りの野菜と卵夏料理(77) 鐘の音や森のチャペルに六月来(90) 父の日のコーヒーを手にそはそはす(107) 短夜の「JET STREAM」余韻消ゆ◎清水檀 選(6) 青梅雨や石段街の射的場(35) はや風と遊び始める植田かな(45) 赤羽のネオン鳴かせて火取虫(69) 夏掛の剝がれて夢の途切れたる(98) 人が好きと言ふ人が好き額の花◎佐々木一栗 選(19) 胸元へ飛び込む勇気夏帽子(35) はや風と遊び始める植田かな(73) 雨の彩離さずにゐる濃あぢさゐ(75) 想ふ人ありてシュワッとソーダ水(113) 蝙蝠が夕暮をはみ出してゆく◎竹俣修 選(16) サクランボ結び目作る口の中(60) 焼け仏安置の村や額の花(71) 夜更かしやガラスに火蛾の当たる音(75) 想ふ人ありてシュワッとソーダ水(99) 銀輪や万緑を抜け光る湖◎高橋菜活 選(21) 一艇のヨットのための青さかな(35) はや風と遊び始める植田かな(43) 幸せな猫の一生栗の花(68) 黒々と夜を引き摺つて蛇消ゆる(79) 夏空にドカンと対峙給水塔◎安部呑歩 選(7) 紫陽花や雨音軽き訪問者(24) 人の背に白き糞あり燕の子(32) 雨蛙腹ぷくぷくとぷくぷくと(59) むつ五郎限界飛んで青い空(113) 蝙蝠が夕暮をはみ出してゆく◎杉山加織 選(19) 胸元へ飛び込む勇気夏帽子(22) 窯火守る男は猫背青時雨(66) 芭蕉玉巻く明日への手紙したためて(68) 黒々と夜を引き摺つて蛇消ゆる(98) 人が好きと言ふ人が好き額の花

令和7年5月 月例インターネット句会 Vol.159

木暮陶句郎 選◎特選 10句青葉潮捨てたる夢を打ち返す(渡辺 真澄)歩荷来てきしむ木道著莪の花(太田 直史)やみくもに走る青春青嵐(アンサトウ)風光る再出発は何度でも(アンサトウ)襟ぐりの広きTジャツ夏はじめ(清水 檀)つばくらめこの繁華街よほど好き(佐々木一栗)母の日の母になりきれざる若さ(稲葉 京閑)ハンカチが泪ふきたくないと言ふ(星野 裕子)椎の花匂へば遠き日の記憶(アンサトウ)光より生れて重たき黒揚羽(杉山 加織)○入選 29句(6) 敷き藁のなかより吐息花いちご(吉田 春代)(7) うぐひすや隠れ上手の鳴き上手(下境 洋子)(10) 焼きたてのパンに珈琲外に若葉(清水 檀)(12) 鯉幟スカイツリーを見上げをり(岩佐 晴子)(19) 夕立の過ぎて明るき街ひとつ(木村 佑)(30) 乱読の泥棒日記聖五月(渡辺 真澄)(39) 初夏や命光らせ児は走る(中島 圭子)(40) 反芻の牛の見つめる蟇蛙(太田 直史)(42) 難解な詩人の話朔太郎忌(堺 美典)(62) 幸せが膨らんでいく芽吹きかな(岩佐 晴子)(63) ステップを降りて五月雨傘開く(稲葉 京閑)(66) 麦秋やリズム音痴の脱水機(安部 呑歩)(68) 二人きりの気まずい空気薔薇の園(アンサトウ)(69) 窓際の席薫風と打球音(木村 佑)(73) 日曜の朝や躑躅の濃きピンク(鷹見沢 幸)(75) 言葉より先に芍薬渡さるる(杉山 加織)(82) 鯉のぼり世界平和を夢にみて(下境 洋子)(89) 洋館の屋根の上まで鉄線花(中島 圭子)(93) 初夏や時折り跳ねる池の鯉(アンサトウ)(95) 山葵田の水は光を追ひかけて(佐々木一栗)(96) 母の日や電話で味噌の香のはなし(高橋 菜活)(98) 白木蓮の最も白き夜となりぬ(鷹見沢 幸)(100) 花罌粟や弁護の舌の空回り(杉山 加織)(110) 薰風や鳩追ひかける双子の児(清水 檀)(111) 今朝の夏せめて靴下は白色(小暮 蓮生)(112) 昼顔や平凡で良い元気なら(岩佐 晴子)(113) 薬膳のもてなしメニュー梅雨の宿(稲葉 京閑)(116) 谷若葉神社は社殿工事中(安部 呑歩)(117) ブラインドの紐を揺らして風五月(堺 美典)互選6点句敷き藁のなかより吐息花いちご(吉田 春代)母の日の母になりきれざる若さ(稲葉 京閑)風鈴の風を選んでゐるところ(木村 佑)5点句やみくもに走る青春青嵐(アンサトウ)風光る再出発は何度でも(アンサトウ)ぐいぐいと登る自転車夏立ちぬ(木暮陶句郎)4点句ネクタイを好まぬ父の白き靴(小須賀正幸)光より生れて重たき黒揚羽(杉山 加織)3点句はつなつの少女明るく口答へ(木暮陶句郎)夏雲や際までソフトクリームの渦(鈴木由里子)夏雨や水平線は切り取り線(鈴木由里子)コンサートの余韻を歩く夏の月(渡辺 真澄)片方のピアスの行方花は葉に(星野 裕子)ハンカチが泪ふきたくないと言ふ(星野 裕子)止められぬものはつなつの好奇心(杉山 加織)2点句花の塵ひとりふたりと居酒屋に(竹俣 修)青葉潮捨てたる夢を打ち返す(渡辺 真澄)乱読の泥棒日記聖五月(渡辺 真澄)囀りやノコギリ屋根のリズミカル(吉田 春代)鯉幟スカイツリーを見上げをり(岩佐 晴子)幸せが膨らんでいく芽吹きかな(岩佐 晴子)天道虫夢に飛び立つ羽の色(星野 裕子)弧を描く水脈のびやかに夏兆す(星野 裕子)麦秋やリズム音痴の脱水機(安部 吞歩)椎の花匂へば遠き日の記憶(アンサトウ)葉表に重なる葉影風は初夏(木村 佑)窓際の席薫風と打球音(木村 佑)総身を嘴として燕の子(木村 佑)子の背丈大いに伸びて更衣(堤 かがり)言葉より先に芍薬渡さるる(杉山 加織)1点句初夏の風走者近づく足の音(竹俣 修)いつまでも消えぬ思ひや桜雨(竹俣 修)乱読の泥棒日記聖五月(渡辺 真澄)うぐひすや隠れ上手の鳴き上手(下境 洋子)縄文の住まひの跡や水木咲く(星野 裕子)さわさわとライン電話の麦の秋(小須賀正幸)碧空と風に誘はれ街薄暑(清水 檀)襟ぐりの広きTジャツ夏はじめ(清水 檀)石垣の隙間を散歩青蜥蜴(岩佐 晴子)昼顔や平凡で良い元気なら(岩佐 晴子)藤棚の日の斑を踏みて潜けり(稲葉 京閑)初夏や命光らせ児は走る(中島 圭子)洋館の屋根の上まで鉄線花(中島 圭子)歩荷来てきしむ木道著莪の花(太田 直史)反芻の牛の見つめる蟇蛙(太田 直史)朝明けてあやめ見上ぐる榛名富士(安部 吞歩)利根川も人も煙らす青葉雨(堺 美典)ブラインドの紐を揺らして風五月(堺 美典)二人きりの気まずい空気薔薇の園(アンサトウ)初夏や時折り跳ねる池の鯉(アンサトウ)葉桜や恋ばな女子のテラス席(佐々木一栗)山葵田の水は光を追ひかけて(佐々木一栗)控えめな縫子すすめる夏帽子(高橋 菜活)福引の鐘からからと夏来る(高橋 菜活)母の日や電話で味噌の香のはな(高橋 菜活)白木蓮の最も白き夜となりぬ(鷹見沢 幸)傘を打つ緑雨大地を打つ緑雨(木暮陶句郎)花罌粟や弁護の舌の空回り(杉山 加織)互選結果◎小暮蓮生 選(34) ネクタイを好まぬ父の白き靴(39) 初夏や命光らせ児は走る(54) 夏雨や水平線は切り取り線(80) コンサートの余韻を歩く夏の月(108) ハンカチが泪ふきたくないと言ふ◎渡辺真澄 選(4) 夏雲や際までソフトクリームの渦(49) ぐいぐいと登る自転車夏立ちぬ(66) 麦秋やリズム音痴の脱水機(89) 洋館の屋根の上まで鉄線花(125) 光より生れて重たき黒揚羽◎岩佐晴子 選(18) やみくもに走る青春青嵐(43) 風光る再出発は何度でも(88) 母の日の母になりきれざる若さ(94) 総身を嘴として燕の子(108) ハンカチが泪ふきたくないと言ふ◎木村佑 選(6) 敷き藁のなかより吐息花いちご(24) はつなつの少女明るく口答へ(33) 天道虫夢に飛び立つ羽の色(50) 止められぬものはつなつの好奇心(58) 弧を描く水脈のびやかに夏兆す◎鷹見沢幸 選(24) はつなつの少女明るく口答へ(26) 花の塵ひとりふたりと居酒屋に(50) 止められぬものはつなつの好奇心(69) 窓際の席薫風と打球音(88) 母の日の母になりきれざる若さ◎稲葉京閑 選(15) 歩荷来てきしむ木道著莪の花(22) 子の背丈大いに伸びて更衣(49) ぐいぐいと登る自転車夏立ちぬ(119) 風鈴の風を選んでゐるところ(125) 光より生れて重たき黒揚羽◎竹俣修 選(6) 敷き藁のなかより吐息花いちご(20) 葉桜や恋ばな女子のテラス席(68) 二人きりの気まずい空気薔薇の園(80) コンサートの余韻を歩く夏の月(94) 総身を嘴として燕の子◎小須賀正幸 選(12) 鯉幟スカイツリーを見上げをり(18) やみくもに走る青春青嵐(56) 囀りやノコギリ屋根のリズミカル(67) 利根川も人も煙らす青葉雨(125) 光より生れて重たき黒揚羽◎堤かがり 選(18) やみくもに走る青春青嵐(30) 乱読の泥棒日記聖五月(49) ぐいぐいと登る自転車夏立ちぬ(58) 弧を描く水脈のびやかに夏兆す(80) コンサートの余韻を歩く夏の月◎吉田春代 選(7) うぐひすや隠れ上手の鳴き上手(16) 朝明けてあやめ見上ぐる榛名富士(49) ぐいぐいと登る自転車夏立ちぬ(101) いつまでも消えぬ思ひや桜雨(117) ブラインドの紐を揺らして風五月◎星野裕子 選(5) 青葉潮捨てたる夢を打ち返す(43) 風光る再出発は何度でも(75) 言葉より先に芍薬渡さるる(95) 山葵田の水は光を追ひかけて(125) 光より生れて重たき黒揚羽◎佐藤聡 選(1) 初夏の風走者近づく足の音(4) 夏雲や際までソフトクリームの渦(26) 花の塵ひとりふたりと居酒屋に(43) 風光る再出発は何度でも(118) 椎の花匂へば遠き日の記憶◎鈴木由里子 選(6) 敷き藁のなかより吐息花いちご(8) 片方のピアスの行方花は葉に(18) やみくもに走る青春青嵐(43) 風光る再出発は何度でも(109) さわさわとライン電話の麦の秋◎中島圭子 選(24) はつなつの少女明るく口答へ(69) 窓際の席薫風と打球音(75) 言葉より先に芍薬渡さるる(93) 初夏や時折り跳ねる池の鯉(98) 白木蓮の最も白き夜となりぬ◎下境洋子 選(4) 夏雲や際までソフトクリームの渦(6) 敷き藁のなかより吐息花いちご(46) 控えめな縫子すすめる夏帽子(56) 囀りやノコギリ屋根のリズミカル(60) 襟ぐりの広きTジャツ夏はじめ◎太田直史 選(6) 敷き藁のなかより吐息花いちご(8) 片方のピアスの行方花は葉に(13) 藤棚の日の斑を踏みて潜けり(44) 葉表に重なる葉影風は初夏(119) 風鈴の風を選んでゐるところ◎清水檀 選(5) 青葉潮捨てたる夢を打ち返す(33) 天道虫夢に飛び立つ羽の色(50) 止められぬものはつなつの好奇心(62) 幸せが膨らんでいく芽吹きかな(118) 椎の花匂へば遠き日の記憶◎高橋菜活 選(18) やみくもに走る青春青嵐(40) 反芻の牛の見つめる蟇蛙(88) 母の日の母になりきれざる若さ(99) 傘を打つ緑雨大地を打つ緑雨(119) 風鈴の風を選んでゐるところ◎アンサトウ 選(8) 片方のピアスの行方花は葉に(30) 乱読の泥棒日記聖五月(34) ネクタイを好まぬ父の白き靴(71) 福引の鐘からからと夏来る(100) 花罌粟や弁護の舌の空回り◎安部吞歩 選(54) 夏雨や水平線は切り取り線(87) 石垣の隙間を散歩青蜥蜴(88) 母の日の母になりきれざる若さ(108) ハンカチが泪ふきたくないと言ふ(119) 風鈴の風を選んでゐるところ◎高橋ちとせ 選(12) 鯉幟スカイツリーを見上げをり(22) 子の背丈大いに伸びて更衣(34) ネクタイを好まぬ父の白き靴(35) 碧空と風に誘はれ街薄暑(96) 母の日や電話で味噌の香のはなし◎堺美典 選(43) 風光る再出発は何度でも(55) 過ぎ去った日々浮き沈む海月かな(62) 幸せが膨らんでいく芽吹きかな(66) 麦秋やリズム音痴の脱水機(112) 昼顔や平凡で良い元気なら◎佐々木一栗 選(6) 敷き藁のなかより吐息花いちご(34) ネクタイを好まぬ父の白き靴(44) 葉表に重なる葉影風は初夏(88) 母の日の母になりきれざる若さ(119) 風鈴の風を選んでゐるところ◎杉山加織 選(49) ぐいぐいと登る自転車夏立ちぬ(54) 夏雨や水平線は切り取り線(83) 縄文の住まひの跡や水木咲く(88) 母の日の母になりきれざる若さ(119) 風鈴の風を選んでゐるところ

令和7年4月 月例インターネット句会 Vol.158

木暮陶句郎 選◎特選 10句きつねうどん食みて神宮花盛り(中島 圭子)花冷や細き持ち手のティーカップ(木村 佑)次の世もここで逢ひたし花吹雪(杉山 加織)満開の桜に溶けてゆく孤独(星野 裕子)花浄土孔雀は羽を広げきる(星野 裕子)春めくやシャンプー台で聞く音も(高橋 菜活)どこにでも花びらついてくるひと日(堤 かがり)赴任地に行きつけのでき夏近し(佐々木一栗)ノーマスク久しぶりだね土の春(安部 吞歩)春宵やくちびる色のロゼワイン(杉山 加織)○入選 25句藍といふ色の深さよ春の闇(星野 裕子)山の辺の道のまほらや花蘇枋(太田 直史)たんぽぽの絮にちょつかいしたき指(吉田 春代)心音の確たるリズム春の風(安部 呑歩)つやつやの風船しぼむ朝かな(堤 かがり)花菜風初めて君に声かけて(下境 洋子)老桜歴史を伝ふ城跡に(清水 檀)霾や砂漠の民の匂ひして(太田 直史)夜桜よチーム去る吾を抱いてくれ(高橋 菜活)固形石鹸好む夫昭和の日(堺 美典)愛と云ふ文字を忘れし馬酔木かな(鈴木由里子)新社員名刺の角の硬くあり(木村 佑)刻の端を撫でゆく枝垂れ桜かな(杉山 加織)畑打やそこより土の匂ひかな(吉田 春代)夜桜や大和心の湧きいづる(小暮 蓮生)春愁や心に欲しい隙間家具(佐々木一栗)みな徐行桜蘂降る交差点(安部 吞歩)うららかや見飽きぬものに水平線(星野 裕子)この町に知らぬ人なし春の風(吉田 春代)一枚を脱げばそよ風花の昼(杉山 加織)春の浜ハングル文字の光るもの(竹俣 修)落椿赤の重さに耐えきれず(吉田 春代)花の酒つまみは俳句談議なり(小暮 蓮生)茶道教室看板木戸に濃山吹(堺 美典)吹き込みし息の弾力紙風船(堤 かがり)互選9点句うららかや見飽きぬものに水平線(星野 裕子)6点句花冷や細き持ち手のティーカップ(木村 佑)5点句子ら駈けて蒲公英の野を広げゆく(木暮陶句郎)あをあをと夜に染まつてゆく落花(木暮陶句郎)4点句満開の桜に溶けてゆく孤独(星野 裕子)落椿赤の重さに耐えきれず(吉田 春代)刻の端を撫でゆく枝垂れ桜かな(杉山 加織)一枚を脱げばそよ風花の昼(杉山 加織)春宵やくちびる色のロゼワイン(杉山 加織)3点句囀に彩のあるらし雲流る(星野 裕子)山の辺の道のまほらや花蘇枋(太田 直史)送宴や川面に橋の灯の朧(高橋 菜活)どこにでも花びらついてくるひと日(堤 かがり)2点句ひとひらの桜おでこに歩く人(竹俣 修)春の浜ハングル文字の光るもの(竹俣 修)オーダーのスーツを決めて入社式(太田 直史)たんぽぽの絮にちよつかいしたき指(吉田 春代)花を見るその日の為のペンダント(岩佐 晴子)固形石鹸好む夫昭和の日(堺 美典)春愁や心に欲しい隙間家具(佐々木一栗)心音の確たるリズム春の風(安部 呑歩)新社員名刺の角の硬くあり(木村 佑)つやつやの風船しぼむ朝かな(堤 かがり)吹き込みし息の弾力紙風船(堤 かがり)楽しくて走つてばかり入園児(木暮陶句郎)1点句花の影背ナに纏ひし男坂(渡辺 真澄)初燕城の要の野面積(稲葉 京閑)倒影に崩れる天守蘆の角(稲葉 京閑)花屑舞ふて燥ぐ妣車イス(下境 洋子)花冷や自販機全て「つめたーい」に(清水 檀)ランドセルみんな春色入学す(清水 檀)霾や砂漠の民の匂ひして(太田 直史)畑打やそこより土の匂ひかな(吉田 春代)旅鞄開ければ落花ありにけり(小暮 蓮生)夜桜や大和心の湧きいづる(小暮 蓮生)鍋に置く春菊の色鮮やかに(高橋ちとせ)花を待つ恋人を待つ心地して(岩佐 晴子)きつねうどん食みて神宮花盛り(中島 圭子)春めくやシャンプー台で聞く音も(高橋 菜活)キャンパスのどこも立て看桜咲く(高橋 菜活)新社員声高らかな係長(高橋 菜活)雑談の女子のベンチや花の雨(鈴木由里子)春日に抱かれ吾子の夢ゆたかなれ(佐々木一栗)赴任地に行きつけのでき夏近し(佐々木一栗)妹の手術同意書春愁ふ(安部 呑歩)みな徐行桜蘂降る交差点(安部 呑歩)花の旅相席となる四人掛(木村 佑)草野球ラッパ水仙応援す(堤 かがり)そよそよと水の香立てて桜かな(木暮陶句郎)互選結果◎佐藤聡 選(43) 新社員名刺の角の硬くあり (55) オーダーのスーツを決めて入社式(63) 雑談の女子のベンチや花の雨(84) キャンパスのどこも立て看桜咲く(107) 新社員声高らかな係長◎小須賀正幸 選(1) ひとひらの桜おでこに歩く人(7) 花冷や自販機全て「つめたーい」に(21) つやつやの風船しぼむ朝かな(39) 固形石鹸好む夫昭和の日(57) 夜桜や大和心の湧きいづる◎小暮蓮生 選(43) 新社員名刺の角の硬くあり (46) 刻の端を撫でゆく枝垂れ桜かな(64) 春愁や心に欲しい隙間家具(100) 囀に彩のあるらし雲流る(112) 花の旅相席となる四人掛◎竹俣修 選(5) 初燕城の要の野面積(19) 心音の確たるリズム春の風(45) 楽しくて走つてばかり入園児(55) オーダーのスーツを決めて入社式(92) 一枚を脱げばそよ風花の昼◎岩佐晴子 選(10) たんぽぽの絮にちょつかいしたき指(31) 満開の桜に溶けてゆく孤独(39) 固形石鹸好む夫昭和の日(42) 妹の手術同意書春愁ふ(77) うららかや見飽きぬものに水平線◎稲葉京閑 選(45) 楽しくて走つてばかり入園児(67) どこにでも花びらついてくるひと日(77) うららかや見飽きぬものに水平線(102) 落椿赤の重さに耐えきれず(113) 吹き込みし息の弾力紙風船◎中島圭子 選(22) 子ら駈けて蒲公英の野を広げゆく(28) 倒影に崩れる天守蘆の角(68) あをあをと夜に染まつてゆく落花(87) 赴任地に行きつけのでき夏近し(92) 一枚を脱げばそよ風花の昼◎高橋ちとせ 選(1) ひとひらの桜おでこに歩く人(13) 花を待つ恋人を待つ心地して(22) 子ら駈けて蒲公英の野を広げゆく(65) みな徐行桜蘂降る交差点(102) 落椿赤の重さに耐えきれず◎吉田春代 選(9) 山の辺の道のまほらや花蘇枋(12) 鍋に置く春菊の色鮮やかに(21) つやつやの風船しぼむ朝かな(31) 満開の桜に溶けてゆく孤独(59) 花を見るその日の為のペンダント◎堤かがり 選(22) 子ら駈けて蒲公英の野を広げゆく(61) 春めくやシャンプー台で聞く音も(68) あをあをと夜に染まつてゆく落花(77) うららかや見飽きぬものに水平線(92) 一枚を脱げばそよ風花の昼◎星野裕子 選(11) 旅鞄開ければ落花ありにけり(46) 刻の端を撫でゆく枝垂れ桜かな(68) あをあをと夜に染まつてゆく落花(102) 落椿赤の重さに耐えきれず(115) 春宵やくちびる色のロゼワイン◎清水檀 選(3) 花の影背ナに纏ひし男坂(20) 花冷や細き持ち手のティーカップ(22) 子ら駈けて蒲公英の野を広げゆく(77) うららかや見飽きぬものに水平線(100) 囀に彩のあるらし雲流る◎太田直史 選(10) たんぽぽの絮にちょつかいしたき指(15) 送宴や川面に橋の灯の朧(64) 春愁や心に欲しい隙間家具(75) 花屑舞ふて燥ぐ妣車イス(77) うららかや見飽きぬものに水平線◎鈴木由里子 選(20) 花冷や細き持ち手のティーカップ(32) 霾や砂漠の民の匂ひして(93) 春の浜ハングル文字の光るもの(113) 吹き込みし息の弾力紙風船(115) 春宵やくちびる色のロゼワイン◎木村佑 選(46) 刻の端を撫でゆく枝垂れ桜かな(68) あをあをと夜に染まつてゆく落花(77) うららかや見飽きぬものに水平線(99) ランドセルみんな春色入学す(115) 春宵やくちびる色のロゼワイン◎堺美典 選(9) 山の辺の道のまほらや花蘇枋(15) 送宴や川面に橋の灯の朧(56) 畑打やそこより土の匂ひかな(93) 春の浜ハングル文字の光るもの(100) 囀に彩のあるらし雲流る◎下境洋子 選(9) 山の辺の道のまほらや花蘇枋(18) 春日に抱かれ吾子の夢ゆたかなれ(19) 心音の確たるリズム春の風(59) 花を見るその日の為のペンダント(92) 一枚を脱げばそよ風花の昼◎高橋菜活 選(20) 花冷や細き持ち手のティーカップ(22) 子ら駈けて蒲公英の野を広げゆく(68) あをあをと夜に染まつてゆく落花(77) うららかや見飽きぬものに水平線(102) 落椿赤の重さに耐えきれず◎渡辺真澄 選(15) 送宴や川面に橋の灯の朧(20) 花冷や細き持ち手のティーカップ(31) 満開の桜に溶けてゆく孤独(67) どこにでも花びらついてくるひと日(90) 草野球ラッパ水仙応援す◎佐々木一栗 選(20) 花冷や細き持ち手のティーカップ(31) 満開の桜に溶けてゆく孤独(46) 刻の端を撫でゆく枝垂れ桜かな(77) うららかや見飽きぬものに水平線(115) 春宵やくちびる色のロゼワイン◎杉山加織 選(14) きつねうどん食みて神宮花盛り(20) 花冷や細き持ち手のティーカップ(67) どこにでも花びらついてくるひと日(77) うららかや見飽きぬものに水平線(114) そよそよと水の香立てて桜かな

令和7年3月 月例インターネット句会 Vol.157

木暮陶句郎 選◎特選 10句子どもらの付ける足あと残る雪(竹俣 修)蒲公英や走ればはずむランドセル(星野 裕子)春の月クロコダイルの革磨き(呑歩)無の境地なかなかなれず涅槃東風(清水 檀)白足してパレットの春完成す(杉山 加織)キャラメルのじわじわ甘く花だより(吉田 春代)卒業の今日とあしたの境界線(杉山 加織)春の星もう子供ではない瞳(星野 裕子)リモコンの音量と言ふ春愁ひ(中島 圭子)青春をコマ送りして春の宵(佐々木一栗)○入選 33句御手洗のコイン鎮もる薄氷(渡辺 真澄)見はるかす枯芝に犬走らせて(稲葉 京閑)裏山に風の戦ぎや梅二月(中島 圭子)春星の瞬き民話を語るかに(太田 直史)鳥帰る白き羽毛を木に宿し(高橋 菜活)春愁のペンを光と思ひけり(木村 佑)血色のルージュひと差し春めける(杉山 加織)送信押す父似の指や冴返る(渡辺 真澄)初つばめ能登鉄道の車窓に見(竹俣 修)凍て返る大地を穿つ柱穴(稲葉 京閑)子等の声空に届けり春の草(下境 洋子)喉越しもきらびやかなる月日貝(小須賀正幸)春雪や袴姿の女学生(小暮 蓮生)箒目の残る参道梅ふふむ(中島 圭子)チョコレートパフェの思ひ出紫木蓮(鈴木由里子)風光る一目惚れつてあるんだな(佐々木一栗)恵方なる仏の水の温み初む(稲葉 京閑)どこまでも無傷なる空斑雪山(中島 圭子)春愁や映画を見れば泣きもして(鈴木由里子)チクタクと尾を振る尾長木の芽晴(高橋 菜活)ジャムを塗る春を広げてゆくやうに(木村 佑) 雛に声かけてぼんぼり灯しけり(小暮 蓮生)猫の恋アルトソプラノ絡み合ひ(吉田 春代)絶品のガパオライスやミモザ咲く(鈴木由里子)花種蒔く指で大地を凹ませて(佐々木一栗)束の間の停電のあり春の雪(堤 かがり)人肌のバターと小麦こねて春(高橋 菜活)春光や江戸に川あり文化あり(杉山 加織)眠れぬ夜雪解しづくのトタン屋根(竹俣 修)やはらかく鳶を舞はせて芽吹山(星野 裕子)田楽や聞き上手なる友とゐて(堤 かがり)春風や広げるためにある両手(木村 佑) 風光る名の黒々と段ボール(杉山 加織)互選9点句忘るるは軽くなること春の風(木暮陶句郎)8点句ジャムを塗る春を広げてゆくやうに(木村 佑) 4点句蒲公英や走ればはずむランドセル(星野 裕子)追伸の一行の文字暖かし(星野 裕子)風光る一目惚れつてあるんだな(佐々木一栗)春風や広げるためにある両手(木村 佑)3点句春の星もう子供ではない瞳(星野 裕子)キャラメルのじわじわ甘く花だより(吉田 春代)榛名嶺の色柔らかく山笑ふ(清水 檀)春星の瞬き民話を語るかに(太田 直史)青春をコマ送りして春の宵(佐々木一栗)田楽や聞き上手なる友とゐて(堤 かがり)赤ちゃんの貴女の写真雛段に(高橋 菜活)花を待つ心育てて西行忌(木暮陶句郎)春二番街のひかりを掃くごとく(木暮陶句郎)2点句泡雪の掬へば重さありにけり(小暮 蓮生)黄水仙物想ふ頃ふと香る(清水 檀)剪定の丸や四角や人のエゴ(岩佐 晴子)チョコレートパフェの思ひ出紫木蓮(鈴木由里子)人肌のバターと小麦こねて春(高橋 菜活)春愁のペンを光と思ひけり(木村 佑)血色のルージュひと差し春めける(杉山 加織)白足してパレットの春完成す(杉山 加織)1点句麗らかや工事休みの日曜日(高橋ちとせ)子どもらの付ける足あと残る雪(竹俣 修)初つばめ能登鉄道の車窓に見(竹俣 修)卒業生答辞の弁に泣き笑ひ(竹俣 修)吾を放つごとく北窓開きけり(星野 裕子)日うらうらマカロンに恋して微熱(吉田 春代)春淡し墨の濃淡手漉き和紙(清水 檀)静寂が降って積もって春の雪(岩佐 晴子)箒目の残る参道梅ふふむ(中島 圭子)踏切も神社の参道陽炎立つ(太田 直史)春の月クロコダイルの革磨き(呑歩)春光や復興兆す脈を聴く(呑歩)花種蒔く指で大地を凹ませて(佐々木一栗)鳶まろく山河の春を広げんと(堤 かがり)星おぼろ二度と言わぬと決めしこと(木村 佑)放課後を春日の丸く包みけり(木村 佑)足し算の如く増えゆく土筆かな(木暮陶句郎)卒業の今日とあしたの境界線(杉山 加織)春光や江戸に川あり文化あり(杉山 加織)互選結果◎中島圭子 選(8) 泡雪の掬へば重さありにけり(41) 忘るるは軽くなること春の風(69) 春の星もう子供ではない瞳(83) 春二番街のひかりを掃くごとく(100) 青春をコマ送りして春の宵◎小暮蓮生 選(11) 静寂が降って積もって春の雪(27) 追伸の一行の文字暖かし(33) 箒目の残る参道梅ふふむ(63) 卒業の今日とあしたの境界線(100) 青春をコマ送りして春の宵◎星野裕子 選(13) 春星の瞬き民話を語るかに(40) 星おぼろ二度と言わぬと決めしこと(52) 黄水仙物想ふ頃ふと香る(83) 春二番街のひかりを掃くごとく(100) 青春をコマ送りして春の宵◎吉田春代 選(32) 剪定の丸や四角や人のエゴ(41) 忘るるは軽くなること春の風(62) 足し算の如く増えゆく土筆かな(73) 春淡し墨の濃淡手漉き和紙(84) 春光や江戸に川あり文化あり◎木村佑 選(8) 泡雪の掬へば重さありにけり(10) 榛名嶺の色柔らかく山笑ふ(41) 忘るるは軽くなること春の風(99) 春光や復興兆す脈を聴く(101) 田楽や聞き上手なる友とゐて◎竹俣修 選(13) 春星の瞬き民話を語るかに(35) チョコレートパフェの思ひ出紫木蓮(39) 赤ちゃんの貴女の写真雛段に(79) 花種蒔く指で大地を凹ませて(101) 田楽や聞き上手なる友とゐて◎高橋菜活 選(13) 春星の瞬き民話を語るかに(41) 忘るるは軽くなること春の風(51) キャラメルのじわじわ甘く花だより(61) ジャムを塗る春を広げてゆくやうに (93) 日うらうらマカロンに恋して微熱◎鈴木由里子 選(21) 血色のルージュひと差し春めける(51) キャラメルのじわじわ甘く花だより(61) ジャムを塗る春を広げてゆくやうに (81) 人肌のバターと小麦こねて春(83) 春二番街のひかりを掃くごとく◎小須賀正幸 選(15) 春の月クロコダイルの革磨き(32) 剪定の丸や四角や人のエゴ(81) 人肌のバターと小麦こねて春(86) 麗らかや工事休みの日曜日(101) 田楽や聞き上手なる友とゐて◎渡辺真澄 選(19) 春愁のペンを光と思ひけり(21) 血色のルージュひと差し春めける(35) チョコレートパフェの思ひ出紫木蓮(37) 風光る一目惚れつてあるんだな(69) 春の星もう子供ではない瞳◎稲葉京閑 選(42) 白足してパレットの春完成す(59) 鳶まろく山河の春を広げんと(61) ジャムを塗る春を広げてゆくやうに (69) 春の星もう子供ではない瞳(103) 春風や広げるためにある両手◎堤かがり 選(27) 追伸の一行の文字暖かし(37) 風光る一目惚れつてあるんだな(41) 忘るるは軽くなること春の風(52) 黄水仙物想ふ頃ふと香る(82) 放課後を春日の丸く包みけり◎太田直史 選(6) 蒲公英や走ればはずむランドセル(10) 榛名嶺の色柔らかく山笑ふ(20) 花を待つ心育てて西行忌(37) 風光る一目惚れつてあるんだな(39) 赤ちゃんの貴女の写真雛段に◎高橋ちとせ 選(3) 子どもらの付ける足あと残る雪(10) 榛名嶺の色柔らかく山笑ふ(27) 追伸の一行の文字暖かし(41) 忘るるは軽くなること春の風(45) 卒業生答辞の弁に泣き笑ひ◎清水檀 選(6) 蒲公英や走ればはずむランドセル(20) 花を待つ心育てて西行忌(37) 風光る一目惚れつてあるんだな(41) 忘るるは軽くなること春の風(61) ジャムを塗る春を広げてゆくやうに◎下境洋子 選(20) 花を待つ心育てて西行忌(24) 初つばめ能登鉄道の車窓に見(39) 赤ちゃんの貴女の写真雛段に(42) 白足してパレットの春完成す(61) ジャムを塗る春を広げてゆくやうに ◎佐々木一栗 選(6) 蒲公英や走ればはずむランドセル(41) 忘るるは軽くなること春の風(61) ジャムを塗る春を広げてゆくやうに (76) 踏切も神社の参道陽炎立つ(103) 春風や広げるためにある両手 ◎岩佐晴子 選(6) 蒲公英や走ればはずむランドセル(27) 追伸の一行の文字暖かし(48) 吾を放つごとく北窓開きけり(61) ジャムを塗る春を広げてゆくやうに (103) 春風や広げるためにある両手◎杉山加織 選(19) 春愁のペンを光と思ひけり(41) 忘るるは軽くなること春の風(51) キャラメルのじわじわ甘く花だより(61) ジャムを塗る春を広げてゆくやうに (103) 春風や広げるためにある両手 

令和7年2月 月例インターネット句会 Vol.156

木暮陶句郎 選◎特選 10句風はいま光の軽さ花ミモザ(木村 佑)薄氷の水となるとき声放つ(星野 裕子)春昼の日差し飲みこむ宝飾店(吉田 春代)エプロンの似合ふ漢や春淡し(清水 檀)冴返る耳朶に重たきイヤリング(杉山 加織)投句箱気になりながら梅見せり(小暮 蓮生)春愁は空いた予定を埋めにくる(高橋 菜活)剪定の切口といふ未来かな(杉山 加織)公魚の糸の軽さよ黒き眼よ(堤 かがり)遅き日のトランペットの遠くより(木村 佑)○入選 24句冬茜富士全容のシルエット(岩佐 晴子)たまゆらの明るき風に春立てる(清水 檀)あやふやな心を締める寒気かな(永 豪敏)花に水人には愛を三冬尽く(鈴木由里子)ウオーキング仲間で日向ぼこ仲間(稲葉 京閑)福寿草笑む友はまた恋をして(下境 洋子)沈丁のむせぶ香の坂息切らし(太田 直史)甘き夜の総身逆立つ猫の恋(堤 かがり)鳥の恋小枝の影を揺らしをり(木村 佑)遠ざかるビル•エバンスと冬の雷(鈴木由里子)春オペラなかなか死なぬ主人公(呑歩)春立ちぬ朝一杯の緑茶より(岩佐 晴子)君の好きな春を花束にしよう(佐々木一栗)おひたしは師の小鉢なり菠薐草(堤 かがり)子の夢は星の数ほど犬ふぐり(吉田 春代)臘梅や呼び止められしその香り(清水 檀)木の芽雨ウェッジウッドのティーカップ(木村 佑)小さき指畦のたんぽぽ数えたり(下境 洋子)雪解けの音かすかなり確かなり(星野 裕子)早春の光を膝に乗せながら(小暮 蓮生)料峭や古墳の上の朱の鳥居(中島 圭子)春愁や些事で済ませぬ喉の骨(太田 直史)春の雷空のほころび広げをり(佐々木一栗)伸びきつて恋を忘れてをりぬ猫(杉山 加織)互選10点句薄氷に水の鼓動のはじまりぬ(木暮陶句郎)8点句風はいま光の軽さ花ミモザ(木村 佑)6点句たんぽぽや仔犬のやうな好奇心(佐々木一栗)4点句春立つやポップコーンの爆ぜる音(岩佐 晴子)観覧車ふうせん赤く街を出る(星野 裕子)3点句春昼の日差し飲みこむ宝飾店(吉田 春代)子の夢は星の数ほど犬ふぐり(吉田 春代)鎚を振る片足太し追儺鬼(高橋 菜活)剪定の切口といふ未来かな(杉山 加織)2点句荻窪の見知らぬ俳人春きざす(竹俣 修)ビル街に春日の翼広がりぬ(吉田 春代)雪解けの音かすかなり確かなり(星野 裕子)いぬふぐり昼間の星となりにけり(小暮 蓮生)早春の光を膝に乗せながら(小暮 蓮生)鳥帰る滑走路めく朝の湖(佐々木一栗)朧夜や吾より柔き吾子の爪(木村 佑)我が胸に遠き故郷冬の雷(鈴木由里子)弾みくる子等弾みゆく木の芽風(木暮陶句郎)1点句陽だまりに根付く定めの名草の芽(稲葉 京閑)春立ちぬ朝一杯の緑茶より(岩佐 晴子)春の海波穏やかに九十九里(岩佐 晴子)風花の輝きの降る浅草寺(竹俣 修)沈丁の窓辺に寄れば北極星(吉田 春代)春火鉢大物役者の不祥事は(小須賀正幸)福寿草笑む友はまた恋をして(下境 洋子)日溜まりて今しあわせと福寿草(下境 洋子)小さき指畦のたんぽぽ数えたり(下境 洋子)薄氷の水となるとき声放つ(星野 裕子)渡せずに残りしチョコや春浅し(星野 裕子)寒烏電線ゆする二羽三羽(高橋ちとせ)立春やものみな眩し輝やけり(高橋ちとせ)エプロンの似合ふ漢や春淡し(清水 檀)春疾風刹那に我の身を切りぬ(清水 檀)投げ合うて女の奇声雪礫(中島 圭子)立春や小志なれども吾がこころ(永 豪敏)春の雷空のほころび広げをり(佐々木一栗)かがやけば消える定めの薄氷(堤 かがり)甘き夜の総身逆立つ猫の恋(堤 かがり)初卵の御飯かがやく浅き春(堤 かがり)公魚の糸の軽さよ黒き眼よ(堤 かがり)田は斑雪遠山はなほ白硬し(高橋 菜活)春愁は空いた予定を埋めにくる(高橋 菜活)木の芽雨ウェッジウッドのティーカップ(木村 佑)春オペラなかなか死なぬ主人公(呑歩)春遅々と最後の一葉残りけり(呑歩)春禽の羽ばたく力啼く力(木暮陶句郎)榛名路の雪解滴に目覚めたる(杉山 加織)冴返る耳朶に重たきイヤリング(杉山 加織)互選結果◎星野裕子 選(4) 沈丁の窓辺に寄れば北極星(17) 風はいま光の軽さ花ミモザ(41) 薄氷に水の鼓動のはじまりぬ(63) 冴返る耳朶に重たきイヤリング(94) 春疾風刹那に我の身を切りぬ◎小暮蓮生 選(17) 風はいま光の軽さ花ミモザ(44) 春立ちぬ朝一杯の緑茶より(46) 春昼の日差し飲みこむ宝飾店(52) エプロンの似合ふ漢や春淡し(98) 春の雷空のほころび広げをり◎竹俣修 選(11) 投げ合うて女の奇声雪礫(26) 春火鉢大物役者の不祥事は(40) 春オペラなかなか死なぬ主人公(65) 春立つやポップコーンの爆ぜる音(70) 観覧車ふうせん赤く街を出る◎木村佑 選(25) ビル街に春日の翼広がりぬ(30) いぬふぐり昼間の星となりにけり(41) 薄氷に水の鼓動のはじまりぬ(70) 観覧車ふうせん赤く街を出る(91) 雪解けの音かすかなり確かなり◎稲葉京閑 選(17) 風はいま光の軽さ花ミモザ(30) いぬふぐり昼間の星となりにけり(37) 鎚を振る片足太し追儺鬼(41) 薄氷に水の鼓動のはじまりぬ(79) 春愁は空いた予定を埋めにくる◎中島圭子 選(14) たんぽぽや仔犬のやうな好奇心(41) 薄氷に水の鼓動のはじまりぬ(46) 春昼の日差し飲みこむ宝飾店(77) 鳥帰る滑走路めく朝の湖(84) 剪定の切口といふ未来かな◎岩佐晴子 選(15) かがやけば消える定めの薄氷(17) 風はいま光の軽さ花ミモザ(27) 福寿草笑む友はまた恋をして(35) けんかして半べその子や犬ふぐり(92) 立春やものみな眩し輝やけり◎下境洋子 選(3) 風花の輝きの降る浅草寺(17) 風はいま光の軽さ花ミモザ(37) 鎚を振る片足太し追儺鬼(49) 渡せずに残りしチョコや春浅し(65) 春立つやポップコーンの爆ぜる音◎吉田春代 選(14) たんぽぽや仔犬のやうな好奇心(41) 薄氷に水の鼓動のはじまりぬ(65) 春立つやポップコーンの爆ぜる音(80) 木の芽雨ウェッジウッドのティーカップ(84) 剪定の切口といふ未来かな◎清水檀 選(17) 風はいま光の軽さ花ミモザ(41) 薄氷に水の鼓動のはじまりぬ(54) 立春や小志なれども吾がこころ(67) 子の夢は星の数ほど犬ふぐり(81) 我が胸に遠き故郷冬の雷◎永豪敏 選(1) 陽だまりに根付く定めの名草の芽(37) 鎚を振る片足太し追儺鬼(41) 薄氷に水の鼓動のはじまりぬ(90) 小さき指畦のたんぽぽ数えたり(103) 春遅々と最後の一葉残りけり◎佐々木一栗 選(42) 榛名路の雪解滴に目覚めたる(62) 弾みくる子等弾みゆく木の芽風(67) 子の夢は星の数ほど犬ふぐり(84) 剪定の切口といふ未来かな(93) 早春の光を膝に乗せながら◎高橋菜活 選(14) たんぽぽや仔犬のやうな好奇心(25) ビル街に春日の翼広がりぬ(65) 春立つやポップコーンの爆ぜる音(99) 公魚の糸の軽さよ黒き眼よ(104) 春禽の羽ばたく力啼く力◎小須賀正幸 選(9) キャンディーズを思ひ出せり春一番(24) 荻窪の見知らぬ俳人春きざす(28) 薄氷の水となるとき声放つ(78) 初卵の御飯かがやく浅き春(81) 我が胸に遠き故郷冬の雷◎太田直史 選(14) たんぽぽや仔犬のやうな好奇心(16) 田は斑雪遠山はなほ白硬し(41) 薄氷に水の鼓動のはじまりぬ(62) 弾みくる子等弾みゆく木の芽風(67) 子の夢は星の数ほど犬ふぐり◎高橋ちとせ 選(8) 寒烏電線ゆする二羽三羽(36) 甘き夜の総身逆立つ猫の恋(41) 薄氷に水の鼓動のはじまりぬ(69) 日溜まりて今しあわせと福寿草(86) 春の海波穏やかに九十九里◎堤かがり 選(14) たんぽぽや仔犬のやうな好奇心(17) 風はいま光の軽さ花ミモザ(38) 鳥の恋小枝の影を揺らしをり(77) 鳥帰る滑走路めく朝の湖(91) 雪解けの音かすかなり確かなり◎鈴木由里子 選(24) 荻窪の見知らぬ俳人春きざす(46) 春昼の日差し飲みこむ宝飾店(59) 朧夜や吾より柔き吾子の爪(70) 観覧車ふうせん赤く街を出る(93) 早春の光を膝に乗せながら◎杉山加織 選(14) たんぽぽや仔犬のやうな好奇心(17) 風はいま光の軽さ花ミモザ(41) 薄氷に水の鼓動のはじまりぬ(59) 朧夜や吾より柔き吾子の爪(70) 観覧車ふうせん赤く街を出る

令和7年1月 月例インターネット句会 Vol.155

木暮陶句郎 選◎特選 10句せち料理子を待つ心味付けに(渡辺 真澄)初御空祈れば叶ひさうな夢(堤 かがり)マスクして母の後ろに隠れる子(佐々木一栗)幸せの形まんまる浮寝鳥(木村 佑)年の瀬や喫水深き貨物船(太田 直史)マフラーをぐるぐる巻きて友を待つ(木下美樹枝)緑青の風鐸冬の日が止まる(稲葉 京閑)むらさきに滲む山の端雪催(杉山 加織)加速するポルシェ淑気の西麻布(木村 佑)寒紅や嘘つくときも泣くときも(杉山 加織)○入選 26句蝋梅の明日にふくらむ蕾かな(下境 洋子)自販機を押せばことりと初明り(吉田 春代)やまぬ雪ため息ばかりついてをり(高橋ちとせ)かくれんぼの鬼も帰るよ冬夕焼(木下美樹枝)野菜干す冬日の甘さ貰ひけり(中島 圭子)枯芭蕉廃工場の裏に立つ(小須賀正幸)一点の雲なき空の寒さかな(星野 裕子)女正月頬を滑らす化粧筆(杉山 加織)一筋に畦道晴れて初景色(下境 洋子)初夢の扉を開く中華街(鈴木由里子)山住みの友の溜息暮早し(中島 圭子)主役なき雑炊へ塩ひとつまみ(木村 佑)寒林や靴音のほか何もなし(星野 裕子)淑気満つ盃の渦てふ小宇宙(杉山 加織)除夜の鐘あの人も吾も老いてゆく(竹俣 修)やっと子に懐きし猫やお正月(渡辺 真澄)悪餓鬼の正座して餅丸めけり(高橋 菜活)風邪三日夫の持ち来るココア飲む(中島 圭子)投光器全て冬至の塔へ向く(稲葉 京閑)セーターの網目飛ばしてSサイズ(吉田 春代)珈琲の香を際立たせ寒の水(清水 檀)二日早や帰る子送る山静か(渡辺 真澄)締切りを急かせてをりぬ風邪の神(中島 圭子)暖房や表紙の反りし文庫本(星野 裕子)お飾りの鶴艶々と頸伸ばし(杉山 加織)友は皆年下なりて冬うらら(清水 檀)霜柱あれば必ず踏んでみる(岩佐 晴子)冬の陽の川面の綾となりにけり(小暮 蓮生)着ぶくれて娘も着ぶくれて笑ひ合ふ(木下美樹枝)互選8点句待春のペンに満たせる青インク(木暮陶句郎)6点句淑気満つ盃の渦てふ小宇宙(杉山 加織)4点句蝋梅の明日にふくらむ蕾かな(下境 洋子)落書きは児の詩心や春を待つ(木暮陶句郎)3点句賀状来るいつもの人のいつもの字(清水 檀)去年今年くびれ滑らか砂時計(堤 かがり)さつぱりと一つを捨てて厄落し(中島 圭子)寒椿生涯ひとり愛し抜く(木暮陶句郎)2点句セーターの網目飛ばしてSサイズ(吉田 春代)霜柱あれば必ず踏んでみる(岩佐 晴子)浮雲や春の近づく歩道橋(鈴木由里子)冬の陽の川面の綾となりにけり(小暮 蓮生)着ぶくれて娘も着ぶくれて笑ひ合ふ(木下美樹枝)悪餓鬼の正座して餅丸めけり(高橋 菜活)春近し海の窪みに光あり(佐々木一栗)マスクして母の後ろに隠れる子(佐々木一栗)蝋梅の光を透かし零さざる(木村 佑)ふるさとの土芳しき薺粥(木暮陶句郎)一点の雲なき空の寒さかな(星野 裕子)潮騒の海峡はるか冬銀河(星野 裕子)むらさきに滲む山の端雪催(杉山 加織)寒紅や嘘つくときも泣くときも(杉山 加織)1点句悲しみの地震も出水も除夜の鐘(竹俣 修)除夜の鐘あの人も吾も老いてゆく(竹俣 修)茜富士太平洋の初日の出(竹俣 修)半眼の仏の足下年の市(稲葉 京閑)投光器全て冬至の塔へ向く(稲葉 京閑)駅伝で始まる新年上州路(清水 檀)珈琲の香を際立たせ寒の水(清水 檀)友は皆年下なりて冬うらら(清水 檀)初鏡新しき紅つけてみる(高橋ちとせ)せち料理子を待つ心味付けに(渡辺 真澄)二日早や帰る子送る山静か(渡辺 真澄)俳句てふ趣味を続けて去年今年(岩佐 晴子)句仲間の一句添へある年賀状(岩佐 晴子)少子化や赤ちゃん見れば冬温し(岩佐 晴子)初御空祈れば叶ひさうな夢(堤 かがり)去年今年柱時計は十二回(堤 かがり)松過や論語読み伏し母眠る(鈴木由里子)遠山の近くなりたり冬の朝(小暮 蓮生)かくれんぼの鬼も帰るよ冬夕焼(木下美樹枝)野菜干す冬日の甘さ貰ひけり(中島 圭子)締切りを急かせてをりぬ風邪の神(中島 圭子)月冴えて艏の影の潔し(佐々木一栗)冬館老いた役者の唸り声(小須賀正幸)幸せの形まんまる浮寝鳥(木村 佑)寒四郎風に研がれし波の先(木村 佑)あなぐまや賀状じまいのやるせなさ(安部 呑歩)流感のてんやわんやの駐車場(安部 呑歩)一礼し苦味飲干す年酒かな(安部 呑歩)碧落の降る探梅の小径かな(木暮陶句郎)一点の雲なき空の寒さかな(星野 裕子)暖房や表紙の反りし文庫本(星野 裕子)雪模様くもりガラスに人の影 (星野 裕子)初氷芭蕉の句碑のひびにかな(太田 直史)消炭を火除けに貰ふどんど焼(太田 直史)炉灯りや赤い顔してほら話(太田 直史)スイングするクラリネットや春そこに(太田 直史)お飾りの鶴艶々と頸伸ばし(杉山 加織)互選結果◎星野裕子 選(9) 初御空祈れば叶ひさうな夢(46) 淑気満つ盃の渦てふ小宇宙(55) 去年今年くびれ滑らか砂時計(69) むらさきに滲む山の端雪催(115) 寒紅や嘘つくときも泣くときも◎小暮蓮生 選(3) 蝋梅の明日にふくらむ蕾かな(63) 蝋梅の光を透かし零さざる(65) 寒椿生涯ひとり愛し抜く(66) 潮騒の海峡はるか冬銀河(107) 春近し海の窪みに光あり◎小須賀正幸 選(5) 駅伝で始まる新年上州路(18) あなぐまや賀状じまいのやるせなさ(51) 賀状来るいつもの人のいつもの字(111) 待春のペンに満たせる青インク(112) 雪模様くもりガラスに人の影◎稲葉京閑 選(42) 落書きは児の詩心や春を待つ(46) 淑気満つ盃の渦てふ小宇宙(51) 賀状来るいつもの人のいつもの字(73) セーターの網目飛ばしてSサイズ(111) 待春のペンに満たせる青インク◎竹俣修 選(12) かくれんぼの鬼も帰るよ冬夕焼(41) 流感のてんやわんやの駐車場(56) 松過や論語読み伏し母眠る(76) 二日早や帰る子送る山静か(98) 初鏡新しき紅つけてみる◎堤かがり 選(79) 浮雲や春の近づく歩道橋(100) 霜柱あれば必ず踏んでみる(104) 着ぶくれて娘も着ぶくれて笑ひ合ふ(106) さつぱりと一つを捨てて厄落し(111) 待春のペンに満たせる青インク◎木下美樹枝 選(3) 蝋梅の明日にふくらむ蕾かな(8) 俳句てふ趣味を続けて去年今年(31) 句仲間の一句添へある年賀状(65) 寒椿生涯ひとり愛し抜く(73) セーターの網目飛ばしてSサイズ◎高橋菜活 選(46) 淑気満つ盃の渦てふ小宇宙(61) 月冴えて艏の影の潔し(63) 蝋梅の光を透かし零さざる(91) 炉灯りや赤い顔してほら話(115) 寒紅や嘘つくときも泣くときも◎高橋ちとせ 選(3) 蝋梅の明日にふくらむ蕾かな(43) 寒林や靴音のほか何もなし(66) 潮騒の海峡はるか冬銀河(74) 珈琲の香を際立たせ寒の水(106) さつぱりと一つを捨てて厄落し◎岩佐晴子 選(14) 野菜干す冬日の甘さ貰ひけり(20) 一点の雲なき空の寒さかな(51) 賀状来るいつもの人のいつもの字(103) 冬の陽の川面の綾となりにけり(111) 待春のペンに満たせる青インク◎木村佑 選(20) 一点の雲なき空の寒さかな(42) 落書きは児の詩心や春を待つ(89) 暖房や表紙の反りし文庫本(107) 春近し海の窪みに光あり(111) 待春のペンに満たせる青インク◎吉田春代 選(46) 淑気満つ盃の渦てふ小宇宙(55) 去年今年くびれ滑らか砂時計(92) お飾りの鶴艶々と頸伸ばし(106) さつぱりと一つを捨てて厄落し(111) 待春のペンに満たせる青インク◎下境洋子 選(42) 落書きは児の詩心や春を待つ(47) 除夜の鐘あの人も吾も老いてゆく(55) 去年今年くびれ滑らか砂時計(59) 悪餓鬼の正座して餅丸めけり(104) 着ぶくれて娘も着ぶくれて笑ひ合ふ◎渡辺真澄 選(3) 蝋梅の明日にふくらむ蕾かな(15) マスクして母の後ろに隠れる子(46) 淑気満つ盃の渦てふ小宇宙(68) 消炭を火除けに貰ふどんど焼(103) 冬の陽の川面の綾となりにけり◎太田直史 選(1) 悲しみの地震も出水も除夜の鐘(7) せち料理子を待つ心味付けに(88) ふるさとの土芳しき薺粥(93) 茜富士太平洋の初日の出(110) 一礼し苦味飲干す年酒かな◎中島圭子 選(15) マスクして母の後ろに隠れる子(45) 初氷芭蕉の句碑のひびにかな(59) 悪餓鬼の正座して餅丸めけり(111) 待春のペンに満たせる青インク(114) スイングするクラリネットや春そこに◎清水檀 選(17) 幸せの形まんまる浮寝鳥(65) 寒椿生涯ひとり愛し抜く(69) むらさきに滲む山の端雪催(88) ふるさとの土芳しき薺粥(111) 待春のペンに満たせる青インク◎鈴木由里子 選(71) 投光器全て冬至の塔へ向く(77) 少子化や赤ちゃん見れば冬温し(83) 締切りを急かせてをりぬ風邪の神(101) 去年今年柱時計は十二回(108) 冬館老ひた役者の唸り声◎佐々木一栗 選(46) 淑気満つ盃の渦てふ小宇宙(79) 浮雲や春の近づく歩道橋(80) 遠山の近くなりたり冬の朝(100) 霜柱あれば必ず踏んでみる(109) 寒四郎風に研がれし波の先◎杉山加織 選(2) 半眼の仏の足下年の市(19) 碧落の降る探梅の小径かな(42) 落書きは児の詩心や春を待つ(97) 友は皆年下なりて冬うらら(111) 待春のペンに満たせる青インク

令和6年12月 月例インターネット句会 Vol.154

木暮陶句郎 選◎特選 10句凍空やビリー•ジョエルを飽きるまで(鈴木由里子)雪蛍まさかあいつが死んだとは(太田 直史)ラガー泣く大きく胸を張りしまま(木村 佑)石焼芋がさつに包む軍手かな(吉田 春代)小夜時雨ささやき声で君を呼ぶ(安部 呑歩)剃刀の二枚刃ひかる冬至かな(星野 裕子)物静かなるピアニスト冬の森(鈴木由里子)ヒロインめいて極月のハイヒール(杉山 加織)冬の陽を乗せて無人の路線バス(木下美樹枝)もう会へぬ人を想へば冬の雨(清水 檀)○入選 26句山積みのわけあり林檎道の駅(下境 洋子)日向ぼこ瞼の重くなる読書(清水 檀)玄関へ置き配の山師走かな(佐々木一栗)木の葉髪スーパーモデル寝起きかな(小須賀正幸)ラップめく点滅師走の信号(杉山 加織)お台場にペンライト振る十二月(竹俣 修)バス停の列の長さや十二月(星野 裕子)小春日や厨の掃除励みたる(高橋ちとせ)降誕祭星屑触るゝ音幽か(下境 洋子)隣から来る葉ばかりや落葉掻(岩佐 晴子)街道は榛名颪の通り道(渡辺 真澄)ストーブの上で膨らむ夢もあり(吉田 春代)短日の嵩張つてゆく化粧箱(鈴木由里子)枯蘆の瀬音千切りてゆきにけり(杉山 加織)暮早しチャック躓く旅鞄(稲葉 京閑)きのこ鍋味噌たっぷりとぐつぐつと(高橋ちとせ)聖樹の夜チーズグラタンこんがりと(下境 洋子)侘助や夫手作りの竹の花器(岩佐 晴子)上州の風に切干広げ干す(清水 檀)山茶花のはにかむやうに散りにけり(佐々木一栗)窓際のホットコーヒー年の暮(竹俣 修)落葉踏む出会ひはとうに琥珀色(下境 洋子)初恋の儚さに似て初氷(清水 檀)落葉掃く昨日も今日も明後日も(小暮 蓮生)故郷の除夜の鐘聞く船の上(竹俣 修)貫入の霜夜を弾く高き音(杉山 加織)互選6点句ラガー泣く大きく胸を張りしまま(木村 佑)4点句野良猫に指定席あり日向ぼこ(木下美樹枝)もう会へぬ人を想へば冬の雨(清水 檀)貫入の霜夜を弾く高き音(杉山 加織)星屑の匂ひ降りくる霜夜かな(木暮陶句郎)3点句冬の陽を乗せて無人の路線バス(木下美樹枝)楽しくてすこうし淋し十二月(星野 裕子)雪蛍まさかあいつが死んだとは(太田 直史)数へ日の日記に空白の一日(木村 佑)2点句娘の肩をたたひてやりて冬日向(木下美樹枝)第三の惑星のいろ竜の玉(星野 裕子)落葉踏む出会ひはとうに琥珀色(下境 洋子)上州の風に切干広げ干す(清水 檀)初恋の儚さに似て初氷(清水 檀)石焼芋がさつに包む軍手かな(吉田 春代)初霜のとけてあふるる地の香り(佐々木一栗)冬の夜のルージュのごときタワーかな(木村 佑)一旦は呑み込む本音葛湯吹く(杉山 加織)義士の日の路地に落ち合ふ句座仲間(木暮陶句郎)手袋を外しマティーニ注文す(木暮陶句郎)直箸といふ親しさや牡丹鍋(木暮陶句郎)1点句水仙のうつむき加減絵筆取り(木下美樹枝)故郷の除夜の鐘聞く船の上(竹俣 修)獣らは眠りにつきぬ枯木山(稲葉 京閑)暮早しチャック躓く旅鞄(稲葉 京閑)バス停の列の長さや十二月(星野 裕子)山積みのわけあり林檎道の駅(下境 洋子)隣から来る葉ばかりや落葉掻(岩佐 晴子)侘助や夫手作りの竹の花器(岩佐 晴子)湯豆腐や小さき土鍋に一人分(岩佐 晴子)人とゐて独りに返り花ひとつ(渡辺 真澄)街道は榛名颪の通り道(渡辺 真澄)冬ざれや句碑点々と川の道(渡辺 真澄)山茶花の色なき里に色を置き(清水 檀)ストーブの上で膨らむ夢もあり(吉田 春代)焼芋屋笛聞こえれば消ゆる風(中島 圭子)飲み込みし言葉のありて花八手(中島 圭子)漆黒の床に映りて冬紅葉(中島 圭子)三体の地蔵一つのマフラーに(中島 圭子)山茶花のはにかむやうに散りにけり(佐々木一栗)寒椿月めきて浮く花芯かな(佐々木一栗)夜勤明け雪丸げなどしてみたり(小須賀正幸)すきま風後ろ手にドア閉めてより(堤 かがり)湯して胸の黒子へ囲ひ込み(堤 かがり)日曜のゆるき雑炊すする朝(堤 かがり)黒き犬心氷に閉じ込めて(安部 吞歩)毛糸玉巻き取る叔母のおわら節(安部 呑歩)舵を切る鮫と小さく言ひしあと (木村 佑)凍空やビリー•ジョエルを飽きるまで(鈴木由里子)掌の何も語らぬ冬林檎(鈴木由里子)ヒロインめいて極月のハイヒール(杉山 加織)大根の肩を磨きて富士颪(木暮陶句郎)互選結果◎小須賀正幸 選(3) 獣らは眠りにつきぬ枯木山(4) 第三の惑星のいろ竜の玉(51) 上州の風に切干広げ干す(88) 楽しくてすこうし淋し十二月(93) もう会へぬ人を想へば冬の雨◎木下美樹枝 選(8) 人とゐて独りに返り花ひとつ(13) 焼芋屋笛聞こえれば消ゆる風(25) バス停の列の長さや十二月(45) 暮早しチャック躓く旅鞄(93) もう会へぬ人を想へば冬の雨◎竹俣修 選(28) 隣から来る葉ばかりや落葉掻(80) 毛糸玉巻き取る叔母のおわら節(92) 冬ざれや句碑点々と川の道(100) 日曜のゆるき雑炊すする朝(104) 貫入の霜夜を弾く高き音◎吉田春代 選(31) 雪蛍まさかあいつが死んだとは(35) 初霜のとけてあふるる地の香り(56) 山茶花のはにかむやうに散りにけり(79) 柚湯して胸の黒子へ囲ひ込み(88) 楽しくてすこうし淋し十二月◎稲葉京閑 選(4) 第三の惑星のいろ竜の玉(22) 野良猫に指定席あり日向ぼこ(29) 街道は榛名颪の通り道(39) ラガー泣く大きく胸を張りしまま(51) 上州の風に切干広げ干す◎小暮蓮生 選(1) 娘の肩をたたひてやりて冬日向(6) 山積みのわけあり林檎道の駅(22) 野良猫に指定席あり日向ぼこ(30) 山茶花の色なき里に色を置き(34) 飲み込みし言葉のありて花八手◎中島圭子 選(84) 大根の肩を磨きて富士颪(85) 冬の陽を乗せて無人の路線バス(102) 舵を切る鮫と小さく言ひしあと(104) 貫入の霜夜を弾く高き音(105) 直箸といふ親しさや牡丹鍋◎星野裕子 選(18) 数へ日の日記に空白の一日(35) 初霜のとけてあふるる地の香り(63) 手袋を外しマティーニ注文す(77) 寒椿月めきて浮く花芯かな(93) もう会へぬ人を想へば冬の雨◎岩佐晴子 選(22) 野良猫に指定席あり日向ぼこ(39) ラガー泣く大きく胸を張りしまま(54) 石焼芋がさつに包む軍手かな(72) 初恋の儚さに似て初氷(88) 楽しくてすこうし淋し十二月◎鈴木由里子 選(21) 星屑の匂ひ降りくる霜夜かな(39) ラガー泣く大きく胸を張りしまま(57) 夜勤明け雪丸げなどしてみたり(63) 手袋を外しマティーニ注文す(81) 冬の夜のルージュのごときタワーかな◎堤かがり 選(18) 数へ日の日記に空白の一日(39) ラガー泣く大きく胸を張りしまま(42) 義士の日の路地に落ち合ふ句座仲間(83) ヒロインめいて極月のハイヒール(105) 直箸といふ親しさや牡丹鍋◎下境洋子 選(1) 娘の肩をたたひてやりて冬日向(16) すきま風後ろ手にドア閉めてより(76) 漆黒の床に映りて冬紅葉(85) 冬の陽を乗せて無人の路線バス(97) 三体の地蔵一つのマフラーに◎清水檀 選(18) 数へ日の日記に空白の一日(22) 野良猫に指定席あり日向ぼこ(31) 雪蛍まさかあいつが死んだとは(62) 一旦は呑み込む本音葛湯吹く(69) 落葉踏む出会ひはとうに琥珀色◎渡辺真澄 選(19) 凍空やビリー•ジョエルを飽きるまで(38) 黒き犬心氷に閉じ込めて(42) 義士の日の路地に落ち合ふ句座仲間(54) 石焼芋がさつに包む軍手かな(104) 貫入の霜夜を弾く高き音◎木村佑 選(21) 星屑の匂ひ降りくる霜夜かな(62) 一旦は呑み込む本音葛湯吹く(63) 手袋を外しマティーニ注文す(86) 故郷の除夜の鐘聞く船の上(103) 掌の何も語らぬ冬林檎◎高橋ちとせ 選(21) 星屑の匂ひ降りくる霜夜かな(39) ラガー泣く大きく胸を張りしまま(43) 水仙のうつむき加減絵筆取り(49) 侘助や夫手作りの竹の花器(70) 湯豆腐や小さき土鍋に一人分◎佐々木一栗 選(21) 星屑の匂ひ降りくる霜夜かな(33) ストーブの上で膨らむ夢もあり(81) 冬の夜のルージュのごときタワーかな(85) 冬の陽を乗せて無人の路線バス(104) 貫入の霜夜を弾く高き音◎杉山加織 選(31) 雪蛍まさかあいつが死んだとは(39) ラガー泣く大きく胸を張りしまま(69) 落葉踏む出会ひはとうに琥珀色(72) 初恋の儚さに似て初氷(93) もう会へぬ人を想へば冬の雨

令和6年11月 月例インターネット句会 Vol.153

木暮陶句郎 選◎特選 10句切干や母は筆まめ筆達者(太田 直史)フラッシュの光に散りぬ秋薔薇(稲葉 京閑)日向ぼこ遠くに海の見える街(木村 佑)水に生き水に死ぬ魚冬銀河(星野 裕子)紅葉踏むタイムスリップばかりして(下境 洋子)ヴィオロンや枯葉の匂ひ奏でつつ(鈴木由里子)鰭酒や風邪を治してくれないか(安部 呑歩)冬桜埴輪に彩の有りしこと(渡辺 真澄)朝寒の声掛け合うて集積所(中島 圭子)羽ばたける陽だまり色の冬の蝶(佐々木一栗)○入選 28句よく揉みて蜜柑剥く祖母香に満ちて(木下美樹枝)人はなほ迷宮にあり憂国忌(星野 裕子)物忘れ気付く一と日や冬に入る(清水 檀)百年の土蔵の匂秋深し(岩佐 晴子)犬の名を犬に問うたり神無月(中島 圭子)調弦の音の顕や冬に入る(鈴木由里子)留守番の猫を気遣ふ七五三(堤 かがり)丸窓の切り取る埠頭小六月(杉山 加織)逝く秋やエンドロールを見ぬままに(木下美樹枝)葱買うて葱の長さを持ち帰る(星野 裕子)回り道初冠雪の富士見むと(岩佐 晴子)返り花陽気な妻の手招きす(中島 圭子)鍵盤を探る指先霜の夜(鈴木由里子)凩や跡継ぎ耐えし桑畑(安部 呑歩)冗談に笑へぬひと日神の留守(杉山 加織)袖口を小さくひつぱり秋惜しむ(木下美樹枝)駅伝の神在月の地を繋ぐ(小暮 蓮生)朴落葉砕く走行ギアチェンジ(稲葉 京閑)空青し崖をつかみし冬紅葉(堤 かがり)玻璃ごしに紅葉且つ散る美術館(星野 裕子)庭照らす石蕗の明かりにしづ心(清水 檀)瀬戸内海あをさの残る檸檬買ふ(吉田 春代)覚えなき合鍵ひとつ返り花(星野 裕子)起きてまづ薪を焚きけり今朝の冬(高橋ちとせ)池辺のベンチを覆ふ落ち葉かな(岩佐 晴子)真冬日や手に一冊の文庫本(鈴木由里子)燗熱くして遠き日を近づけり(木村 佑)冬日和茶室へ続く石畳(杉山 加織)互選8点句燗熱くして遠き日を近づけり(木村 佑)6点句丸窓の切り取る埠頭小六月(杉山 加織)4点句冬に入る水の硬さを喉が知る(吉田 春代)凩や跡継ぎ耐えし桑畑(安部 呑歩)冬林檎磨く詩ごころ育てつつ(木暮陶句郎)3点句葱買うて葱の長さを持ち帰る(星野 裕子)水に生き水に死ぬ魚冬銀河(星野 裕子)覚えなき合鍵ひとつ返り花(星野 裕子)羽ばたける陽だまり色の冬の蝶(佐々木一栗)2点句逝く秋やエンドロールを見ぬままに(木下美樹枝)袖口を小さくひつぱり秋惜しむ(木下美樹枝)冬来るバニラシェイクの濃き甘さ(木下美樹枝)老犬のまつ毛の長し日向ぼこ(木下美樹枝)人はなほ迷宮にあり憂国忌(星野 裕子)玻璃ごしに紅葉且つ散る美術館(星野 裕子)冬茜負けし試合の帰り道(小暮 蓮生)木守柿ねぐらへ帰る鳥の群(小暮 蓮生)薪割りを父にほめられ冬構(佐々木一栗)鍵盤を探る指先霜の夜(鈴木由里子)小きざみに揺るる忠治の菊人形(堤 かがり)情念の色とも冬の蔦紅葉(木暮陶句郎)銀座の灯滲み易くて小夜時雨(木暮陶句郎)1点句よく揉みて蜜柑剥く祖母香に満ちて(木下美樹枝)パエリアの中に黄落みたやうな(吉田 春代)薄紅葉光溢るゝ午後の庭(下境 洋子)紅葉踏むタイムスリップばかりして(下境 洋子)冬立ちぬ日向ひなたを歩きけり(高橋ちとせ)冬桜埴輪に彩の有りしこと(渡辺 真澄)切干や母は筆まめ筆達者(太田 直史)池辺のベンチを覆ふ落ち葉かな(岩佐 晴子)犬の名を犬に問うたり神無月(中島 圭子)フラッシュの光に散りぬ秋薔薇(稲葉 京閑)朴落葉砕く走行ギアチェンジ(稲葉 京閑)花時計中心に置く小菊の黄(稲葉 京閑)調弦の音の顕や冬に入る(鈴木由里子)マフラーを締めて一人が上手な子(鈴木由里子)木の影の直立不動冬落暉(木村 佑)初冬の帰宅の首を温めつつ(杉山 加織)神経のごとき回路や神の留守(杉山 加織)さはさはと赤城颪の冬菜畑(木暮陶句郎)互選結果◎渡辺真澄 選(16) 調弦の音の顕や冬に入る(20) 丸窓の切り取る埠頭小六月(63) 冬林檎磨く詩ごころ育てつつ(82) 木の影の直立不動冬落暉(103) 燗熱くして遠き日を近づけり◎竹俣修 選(8) 冬茜負けし試合の帰り道(36) 薪割りを父にほめられ冬構(48) 洗顔の水に湯をたす冬の朝(56) 朴落葉砕く走行ギアチェンジ(103) 燗熱くして遠き日を近づけり◎稲葉京閑 選(4) 人はなほ迷宮にあり憂国忌(20) 丸窓の切り取る埠頭小六月(39) 凩や跡継ぎ耐えし桑畑(46) 水に生き水に死ぬ魚冬銀河(99) 羽ばたける陽だまり色の冬の蝶◎中島圭子 選(4) 人はなほ迷宮にあり憂国忌(20) 丸窓の切り取る埠頭小六月(42) 情念の色とも冬の蔦紅葉(62) 初冬の帰宅の首を温めつつ(67) 玻璃ごしに紅葉且つ散る美術館◎星野裕子 選(14) フラッシュの光に散りぬ秋薔薇(37) 鍵盤を探る指先霜の夜(63) 冬林檎磨く詩ごころ育てつつ(84) 銀座の灯滲み易くて小夜時雨(103) 燗熱くして遠き日を近づけり◎小暮蓮生 選(20) 丸窓の切り取る埠頭小六月(22) 逝く秋やエンドロールを見ぬままに(39) 凩や跡継ぎ耐えし桑畑(88) 覚えなき合鍵ひとつ返り花(103) 燗熱くして遠き日を近づけり◎吉田春代 選(29) 木守柿ねぐらへ帰る鳥の群(43) 袖口を小さくひつぱり秋惜しむ(80) 小きざみに揺るる忠治の菊人形(99) 羽ばたける陽だまり色の冬の蝶(105) さはさはと赤城颪の冬菜畑◎下境洋子 選(12) 犬の名を犬に問うたり神無月(20) 丸窓の切り取る埠頭小六月(36) 薪割りを父にほめられ冬構(43) 袖口を小さくひつぱり秋惜しむ(88) 覚えなき合鍵ひとつ返り花◎堤かがり 選(25) 葱買うて葱の長さを持ち帰る(45) 冬に入る水の硬さを喉が知る(48) 洗顔の水に湯をたす冬の朝(68) 紅葉踏むタイムスリップばかりして(103) 燗熱くして遠き日を近づけり◎高橋ちとせ 選(26) 薄紅葉光溢るゝ午後の庭(39) 凩や跡継ぎ耐えし桑畑(42) 情念の色とも冬の蔦紅葉(77) 花時計中心に置く小菊の黄(95) 池辺のベンチを覆ふ落ち葉かな◎岩佐晴子 選(8) 冬茜負けし試合の帰り道(29) 木守柿ねぐらへ帰る鳥の群(39) 凩や跡継ぎ耐えし桑畑(67) 玻璃ごしに紅葉且つ散る美術館(91) 冬桜埴輪に彩の有りしこと◎木村佑 選(37) 鍵盤を探る指先霜の夜(45) 冬に入る水の硬さを喉が知る(58) マフラーを締めて一人が上手な子(85) 老犬のまつ毛の長し日向ぼこ(99) 羽ばたける陽だまり色の冬の蝶◎佐々木一栗 選(20) 丸窓の切り取る埠頭小六月(45) 冬に入る水の硬さを喉が知る(63) 冬林檎磨く詩ごころ育てつつ(88) 覚えなき合鍵ひとつ返り花(103) 燗熱くして遠き日を近づけり◎小須賀正幸 選(1) よく揉みて蜜柑剥く祖母香に満ちて(22) 逝く秋やエンドロールを見ぬままに(25) 葱買うて葱の長さを持ち帰る(46) 水に生き水に死ぬ魚冬銀河(80) 小きざみに揺るる忠治の菊人形◎清水檀 選(9) 切干や母は筆まめ筆達者(25) 葱買うて葱の長さを持ち帰る(64) 冬来るバニラシェイクの濃き甘さ(84) 銀座の灯滲み易くて小夜時雨(103) 燗熱くして遠き日を近づけり◎鈴木由里子 選(45) 冬に入る水の硬さを喉が知る(46) 水に生き水に死ぬ魚冬銀河(64) 冬来るバニラシェイクの濃き甘さ(83) 神経のごとき回路や神の留守(85) 老犬のまつ毛の長し日向ぼこ◎木下美樹枝 選(3) パエリアの中に黄落みたやうな(27) 冬立ちぬ日向ひなたを歩きけり(48) 洗顔の水に湯をたす冬の朝(63) 冬林檎磨く詩ごころ育てつつ(103) 燗熱くして遠き日を近づけり◎杉山加織 選(4) 人はなほ迷宮にあり憂国忌(12) 犬の名を犬に問うたり神無月(37) 鍵盤を探る指先霜の夜(88) 覚えなき合鍵ひとつ返り花(103) 燗熱くして遠き日を近づけり